スライム達の会議
8種のスライム達は円陣を組んで会議をしていた。
議題はスライム族の扱いについて、人間側からは【最弱】【ゴミ】と言われ魔物なのに恐れられない、魔物側からは【約立たず】【ゴミ】と言われ仲間と思ってくれているかすら微妙。
スライム達はどうすれば自分たちの地位が上がるのか悩んでいた。
「ノーマル!お前の一族が特殊能力も無く瞬殺されるから侮られるのだっ!」
「擦り付けはよせファイヤーよ。特殊能力があってもLV1の魔法しか使えぬのでは同じではないか。」
「ノーマルの言う通りよ。ファイヤー、醜いわ。ここは問題を解決する為の場なのだから慎んで。」
「メタル、お前は黙っていろっ!」
ファイヤーを中心とした生産性の無い会話は暫く続けられたが、最年長のストーンスライムが一喝した事で再び議題にもどった。
「まずはワシらスライムの素晴らしき所は何だ。」
・10回死なないと魂は消滅しない。
・軟体の為どこにでも入れる。
・テレパシーを使える。
・合体ができる。
・触感が癒される。
「では、不得手な事は何だ。」
・戦闘。
・他種族とのコミュニケーション。
・怖がらせること。
・考える事。
「「「「「「「「……」」」」」」」」
「各自、次の会議までに何か考えてくるようにの。ワシはそろそろ帰ってマイハニーと戯れたいわい。」
結局、何かが決まる事は無くストーンスライムが帰った事で会議はお開きになった。
しかし次回までに良い策を考えなくてはならないので皆重い足取りで会議場を後にし、人間に見つかれば倒されてしまうので各々細心の注意を払いながら縄張りへ戻って行った。
彼らに明るい未来があるのかは、まだ分からない。
しかし、第165回目の会議も無駄に終わった事で希望は薄そうに思えた。