4・魔王と、ソフィア
「ソフィア。どういうつもりだ?」
「あら、こんな所でお話ししてもいいのかしら?」
おっと。さっきの一悶着で、注目を集めていたか。これは油断した。
「じゃあ、俺の泊まってる宿に来い。」
「あら、大胆なこと。」
「はいはい。もういいから、早く来い。」
■
俺は、ソフィアを強引に宿に連れてきた。
ソフィアは、さっきまで来ていたコートを脱ぐ。
薄汚いコートを脱いだソフィアは、凄く美しかった。紅く透き通った右の瞳に同じく碧く透き通った左の瞳をのぞかせる。今どき稀なオッドアイというやつだ。そして、雪のように白い艶のある肌と同じく汚れ1つついていない白いフリルのついたワンピースを着ている。ちなみに、これは昔俺がプレゼントしたやつだ。まだ、着てたのか。
ちなみにこいつは魔王大好き人間だ。
「ルシフェル様、ルシフェル様、ルシフェル様ぁぁぁ!!」
「うわぁっ!いきなり抱きついてくるな!」
前にも言ったことがあったと思うが、こいつはほぼ何があっても死なない。その意味を教えてやろう。なぜならこいつは、ゾンビだからだ。
さらに、こいつは俺と最上位の主従契約を、結んでいるため俺が死なない限り死なないわけだ。絶対に敵に回したくないな。
ソフィアと出会った頃はほんとに弱かった。ただ死んでいくだけだからな。だから、俺が面白半分に鍛えてやったら次第に強くなっていって500年もしたら、俺に7割の力を出させる始末。
さすがにこれはまずいと思い、主従契約を結ばせたわけだ。ゾンビ恐るべし…
ゾンビなソフィアだが、かわいいと思ってしまうのだ。ゾンビのくせに。実際、ナンパされるくらいだからな。
そして元魔王だった俺だが、俺もれっきとした男だ。その、かわいい人に抱きつかれたらねぇ。もう、ねぇ。ねぇ?
「ルシフェル様、どうかされたんですか?」
「いや、なんでもない。それより久しぶりだな。元気にしてたか?」
「はい!元気にしてました。でも…ルシフェル様がいない1000年間はとても寂しかったです。」
と、いってしゅんとうなだれるソフィアにちょっとドキッとしてしまった。
お、お?ちょっとまって久しぶりに見たらソフィアかわいくなりすぎてないか?困るんですけど。
「お、おう。それは、悪かったな。」
「でも、転生して1番最初に私と会ってくれたので、許します。」
「いや、主従契約を使って居場所特定して、会いにきたのは、そっちでしょうが!それに、会ったら会ったで変なのに絡まれてるし!」
そう、主従契約は魂と魂を繋ぐものだ。だから主従共にお互いがどこにいるのかを特定することができる。
「ご、ごめんなさい。」
あぁ、もう。なんで、そう素直に謝るのぉ?やっぱり2人でいるときと周りがいるときのソフィアの態度が違いすぎて調子がくるうな。
「ソフィア。その、外と中での態度。統一しないか?」
「ルシフェル様。それは、1000年前にも言いましたけど、恥ずかしいので無理です。」
ソフィアがポッと顔を朱色に染める。
いや、ポッじゃなくてね。まぁ、いいやもう。
それより…
「ソフィア。俺が眠っていた、1000年の間の事を説明しろ。」
ソフィアに命令すると、仕事モードに入ったソフィア顔はキリッとし、報告をはじめる。
どうも。~ひぐまんと~です。
読んでいただきありがとうございます!
コメントまってます!
予定より少し、遅くなってしまいました。
ゾンビのソフィアちゃんをよろしくお願いします。
あ、ブックマークしてくださった方。ありがとうございます!
いやぁ~。うれしみの極みです。
これからもよろしくお願いします!