次兄とのんびり休日
今回は特に何の変哲もないハルスの休日についてです。
あまり興味を持てない方は飛ばしていただいて構いません。
ブックマークが増えていました。とてもうれしい夢狐です。
剣術と魔法の修行開始からしばらく経ち、今日はどちらも休みとなった。
「久々にゆっくり出来るな」
父さんも母上も結構厳しいので最近心が休まらなかった。無論体内的には一切問題ない。逆に余裕がある。しかし精神はきつい。少しは成長している様に見せるために演技しないといけないし、母上は時間忘れて深夜までやらせるし…そんな日々も今日は忘れてのんびり出来るのだ。…最高。
「何しよう、久々に森にいって憂さ晴らしの狩りでも…でも今昼だしな。バレると不味いし…そうだ本でも読むか」
この世界では本はとても貴重なものだが、父さんが上級貴族ということもあり、この家には本が結構な数あるのだ。僕もそれをたまに読んでこの世界の事を学んでいた。
貴重な休みを本を読んで過ごすと決め、僕は本の置いてある部屋へと向かった。途中アクアがいたが気付かれると面倒だと思い、【完全不可知】の魔法を使い普通に横を通り抜けた。その時「ぬへへ…ハルくん…あー愛しのハルくん、一生私のモノに…ぬふふふ」と聞こえたのは忘れよう。
目的地に着き部屋に入ると、先客がいた。
「おや?ハルス、君も本を読みに来たのかい?」
「うん、ハンク兄さんも?」
「ああ、見ての通りね」
部屋には次兄であるハンクが椅子に座って本を読んでいた。椅子の横には五冊ほどの本が置いてある。
普段は兄二人は王都の学園に通う為、王都の別宅にいるが、今は長期の休みに入ったので戻ってきているのだ。
「何を読んでるの?」
「ん?ああ、内政についての本だよ。代官としての勉強ってとこだね」
「へぇ」
ハンク兄さんは次兄なので領主の継承権はない。あるのは長兄のレント兄さんだ。レント兄さんが死んだら別だが、基本的に継承権はない。なのでハンク兄さんはレント兄さんが辺境伯を継いだ際に、領主の補助の役割を果たす代官となる。その為の勉強だろう。
なお三男ともなると、もはや平民と変わらないのでどこかの貴族家に婿入りするか、家を出て平民として生きるか、才能があれば騎士団に入ったり、宮廷魔導師の道もあるだろうが、僕は才能がない【失格印】という事になっているのでこの道はない。結果婿入りか独り立ちという所だろう。…独り立ち、悪くないな。冒険者なってみたいし。
僕も本棚から読みたい本を選び取り、ハンク兄さんの隣の椅子に座り読み始めた。静かな空間、耳に届くのは互いの本をめくる音のみ。そのうち僕も本に没頭し始め、その音すら聞こえなくなり時間の経過を忘れかけていた時、声が聞こえてきた。
「ハルス!」
「…ん?ハンク兄さん?どうしたの?」
「もうお昼、昼食食べないと」
壁に掛けてある時計を見ると針は12を指していた。丁度昼食時だ。いつの間にかお昼に…前世では何かに没頭して時間を忘れるなんてことはなかったのだが…母上の影響を受けてしまったようだな。
ちなみに時計だが、持っているのは王族や一部の貴族、大商人だけだ。なので上級貴族である父さんは所持している。
僕とハンク兄さんが部屋を出ようとすると、丁度ドアがノックされて一人の執事が入ってきた。父さんの執事をしているバナシュだ。
「昼食の用意が整いました」
「ありがとう、バナシュ」
「ありがとう」
食堂へ行き家族と食事を済ませた後、また書庫へと向かい本を手に取り続きを読み始めた。食事終了時姉さんに絡まれそうになったものの、前世からの持ち前のスルースキルを使い逃げ切った。しばらく本を読み進めていると、扉が開かれた。
「ハンク兄さん、また?」
「ハルスも?」
「うん」
入ってきたのはハンク兄さんだった。僕と一緒で続きを読みに来たのだろう。ハンク兄さんも本を手に取り、僕の隣の椅子に座り本を読み始める。
そのまま誰の邪魔も入ることなく夜食の時間まで読み続け、夜食を食べた後はまた書庫に戻りしばらく続きを読んでから部屋に戻り眠りについた。
こうして僕の久々の休日は終わったのであった。
【不定期開催 失格印会議!】 第二回
ハルス「さて、お久しぶりです。失格印会議 第二回!司会進行のハルスです!」
アクア「姉のアクアでーす!」
ハルス「………あのなんで姉さんがいるんですかね?」
アクア「だって姉だから」
ハルス「説明になってない…もういいや、今回は時間の話をします」
アクア「イエーイ!」
ハルス「……はぁ、えーまず一日は24時間です。そして一週間が7日、一か月が4週間、一年が12ヶ月となっています。……地球とは違い一年336日、29日間のずれがあるようです(ボソッ)」
アクア「地球ってハルくんの前世だよね?」
ハルス「聞こえてた、の…か…え?何で知ってんの?」
アクア「うーん、この会議がコメディみたいなものだからじゃない?本編と関係ないからいいんだよ!」
ハルス「おいおい…まじかよ、そこしっかりしようぜ作者…」
作者(知ったこっちゃなーい!わははは…はい。)
アクア「そんなことよりハルくん…前世では彼女とかいたの?」
ハルス「そりゃ彼女くら…あっ!!」
アクア「へぇ…彼女いたんだぁ…その話詳しく聞かせてもらいたいなぁ?」
ハルス(目が笑ってねぇよ…)「あはは…本日はこの辺で!バイバイ!」
アクア「ちょっ!?待ちなさいハルくん!」
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