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天のイタズラ  作者: たま
6/6

4, 訪れる日常、溢れ出る異常

 あれから数日が経った。


「ライヤくーん!」


「おお、ミチア。おはよ」


 今では毎日のように、ミチアと朝食を共にしている。


「お前……朝からカレーて……」


「ん?どーかした?」


「いや、別にいいんだけどさ……」


 風呂場での一件は収まらず、三日間の謹慎処分を終えてなお、相変わらず俺は嫌われた存在となっていた。


「ええと、今日って何の授業だっけ?」


「ええっと……確か体術訓練だったはず……」


「うげ、それってペアでやるやつとかじゃ……」


「そーだろーけど、どうかしたの?……あ、そっか、ライヤ君友達が居ないから……」


「それ以上何も言うなっ!!」


「ペア作れないもんね」


「何で言ったの!?ねぇ何で!?」


 酷い……酷すぎるよっ!!


「えー、だってほんとのことじゃーん……」


「否定できないこの辛さ……」


 ミチアはスプーンを口に加えながら、たはは、と笑った。


「安心しなって、私が居るじゃん!」


「っっ!!……ミ、ミチア……!!」


 て、天使だ……さっきまでは悪魔のような毒舌ぶりを見せていたミチアが今では天使のように見える……!!


「昼飯奢れよ(ビシッ)」


「トキメキ返せちくしょー!!」


 ぬゎぁにがビシッだよなにが!!

 でも背に腹は変えられん。


 がっくりと項垂れていると、ミチアが「あっ!」と言い出した。


「ん?どしたん?」


「あれ見て!」


 ミチアの指差す方を見ると、栗色の髪をした美少女が男子生徒を注意していた。


「誰だあれ?」


「ええ、知らないの?あれはサンタチュリア・カシマシアさんだよ!」


 長ったらしい名前だなおい。


「ええと、凄いのか?」


「そりゃあ、ここ数日での授業で注目されている人だからね!その容姿も去ることながら体術から従天使覚醒能力(ちから)まであのクリアさんに並ぶと言われる秀才だよ!ああ、いいなぁ…憧れるなぁ…」


 うっとりとした顔でサンタチュリア……ええい、長いからサンタさんでいいや。サンタさんを見ている。


「へぇ、そりゃあ凄いな。そんな情報全然知らなかったよ。何せ俺には……俺…には…友達が…」


「あーあ、墓穴掘った」


 な、何だ今日は。散々だぞ。

 

「で?あれは何してるんだ?」


「何なんだろ?ちょっと近くに行ってみよっか」


 席をたち、俺たちはサンタさんの元へ近付き状況を見る。


「何だよ!別に良いだろうが!!」


「ここはあなたたちだけの場所じゃないんです!!マナーぐらいはしっかりと守ってください!!」


 大体把握できた。

 サンタさんから注意を受けている男子生徒は、如何にも柄の悪そうな男で、机を食べかけの朝食で汚しまくった上に、足を乗っけている。

 そのマナーの悪さに怒っているのだろう。


「なんか、すげぇな。正義感が強いというか…」


「そりゃあ、あの人は学年の委員長だからねぇ。皆からの信頼は厚いし、正義感はあってもおかしくないよ」


 普通注意をすることなんてあんまりしないもんなぁ。

 てゆーか、この学園にあんな柄の悪い生徒居たのか。天使を信仰する都市だから性格の良い人ばっかだと思ってたけど…。


「とにかく!今すぐその足をどけて机を拭きなさい!そして食べ物を粗末にしたことを食堂の方に謝りなさい!!」


 ビッシィ!と決まったサンタさん。

 それとは反対に、男子生徒は不服そうな顔でサンタさんを睨み付けた。


「てんめ…!いい加減キレっぞ!?」


「ふん、そーゆーふうに相手を脅して自分の粗暴を誤魔化して、恥ずかしくないんですか!?」


 ブッチィ!

 そんな音が、男子生徒から聴こえた気がした。

 完全にお怒りになったようで、机を叩き付けながら立ち上がると、サンタさんに飛びかかった。


「あ、あぶねぇっ…!!」


 俺は止めに行こうと足を出したが…。


「はっ!!」


 なんと、サンタさんは、殴りかかってきた男子生徒の拳を華麗にいなし、そのまま一本背負い。

 その一連の流れがあまりにも華麗すぎて…言葉が出なかった。

 結果、止めにいく必要なんて無かった。


「あ…が…!!」


「ふぅ……もう二度とこんなことはしないでくださいね!」


 最後にビッシリ決めた後に、拍手が巻き起こった。もちろん、俺も全力で拍手した。なんか、ヒーローもののショーを観たようで楽しかった!


「やー、すごかったなー、サンタさん」


「だねぇ!!やっぱ憧れるなぁーー!!」


 ミチアも満足そうだ。うん。


 未だに拍手が鳴り止んでいない中、俺はそそくさと集団から抜ける。

 すると前方から見たことのある顔…。


「あ、ライヤ」


「…!ク、クリア…さん…」


「むっ、だからさん付けは止めてって言ったじゃん。それに、そのおどおどした態度なに?ムカつく」


「え、あ、すんません…」


 ふん、と鼻を鳴らしてそっぽを向いた。今日はファンクラブや女子生徒とは一緒に居らず、一人だ。


「ねぇ、あの騒ぎは何なの?」


「あ、なんかサンタさんが柄悪男子生徒を退治したんだ」


「サンタさん?」


「ええと、サンタ…チェリオだっけ?」


「…もしかしてサンタチュリアのこと?」


「あ、そうそうそれそれ」


 長い名前だから覚えにくいんだよな…。


「流石は委員長ね。臭い正義感人前で見せつけちゃって」


「い、いや、そんなことはないと思うが…。でも凄かったあの人。なんというか、ヒーローみたいだった」


 俺がそう言うと、クリアが眉をピクリと動かし俺を睨んだ。な、な、なんだ…?


「なに?あんたあの子の事好きなの?」


「え?いや違うけど?」


「それにしては何だか、尊敬してるような言い回しじゃない」


「んー、まぁ凄いとは思うし、しかも従天使覚醒能力(ちから)もあるんだろ?あれは素直に尊敬できるし憧れるわー」


「へぇー!あんたって私には嫌みとかばっかり言ってくる癖にサンタチュリアにはそんなことばっか言うんだ!へぇー!奴隷の癖に良い度胸してるね!」


「は!?いや、別にそういうことじゃ…しかも嫌みなんか言ってねぇ!」


「ふん!だから君はムカつくんだよ。罰として私の靴を舐めてよ」


「はい!?何でそんなことしなきゃ…!!」


「何?私の命令が聞けないってゆーの?じゃあバラしちゃおっかな~」


「ま、ま、待て!!分かった!分かったからそれだけは!!」


「あ、分かったんだ。じゃあ早く舐めてよ、ほらほら!」


「~~っ!!」


 くっ、屈辱だぁぁぁぁ!!

 何でこんな公衆の面前で女子の靴を舐めなきゃいけねぇんだよ!!せめて誰もいないとこで舐めさせろよ!!ってまるで舐めたいみてーじゃねぇか!!バッキャロー!


 俺は両膝をゆっくりと地面に着いた。

 それから顔をゆっくりとクリアの靴に近付けて……

 と、その時


「ちょっとあなたたち、何してるんですか!!」


 サンタさんの止めが入った。

 やったぁぁぁぁ……サンタさんまじ神やぁぁぁ……


「……何か?」


「いや、『何か?』じゃなくて、こんなとこでそんなことしないでください!」


「そんなことって、どんなことですか?」


「こんな公共の場で靴を舐めさせてるんじゃないんですか!?」


「へぇ、あなたはそう捉えたの。残念ながら、舐められている、のよ」


 ……はい?

 いやいやいやいや、今とんでもない濡れ衣を着せられた気がしたんだが!!!!


 俺は未だに土下座した体勢で、サンタさんの方を見た。


 あっちゃー……。かぁなり避けずんだ目で俺を見下していた。ま、待ってくれぇぇぇ!!俺は無実だぁぁぁ!!

 ってゆうか!なんでそんな嘘をついたんだよクリアァァァァ!!!


 って思いながら上を見ると


 まぁスカートの中が見えたわけで。

 黒か……セクスィーじゃねぇかおぉい……。


「ん?何?なんか言いたいことでも……ん?何で君そんなに顔が赤いの?……きゃっ!!」


 あ、気付いた。俺のこの熱い視線に気づいてスカート押さえちゃった。顔真っ赤っか。動揺してるクリアは新鮮で可愛いな、うん。

 まぁ、当然ではあるんだけど、顔面に蹴りを喰らったわけで。


「あんた、後でお仕置きが必要ねぇ…っ!!」


「ふ、ふんまへん(すんません)……」


 未だにゲシゲシと頭を蹴られている。


「ちょっと、止めなさいよ!まぁパンツを見た変態男が悪いとは思いますケド……」


 ちょっと待って!あれはしゃーないってゆーか!!


「ふん、こんな男にはこれぐらいしないといけない」


 ゲシゲシゲシゲシ


 ……ええい!めんどくさい!!


「ちょっと!!いい加減止めろよ!あと俺は靴舐めようとしたんじゃなくて舐めさせられたんだよ!!」


「……!」


 俺の言葉に驚いた顔をするサンタさん。


「あなた、クリアさんですよね?この男はそう言ってますから、貴方が悪いです!!」


 よくぞ言ってくれたぁぁぁ……。歓喜のあまり涙が溢れる。


「全部この男の嘘だけど?」


「何ですって!?やっぱり変態じゃないですか!!」


 ええええ!?何信じてんだよ!!


「ち、違う!!俺は嘘なんかついていない!」


「じゃあやっぱりクリアさんが悪いですね!!!」


 お、おう。


「これも嘘ってなんで分からないの?」


「っっ!!変態男(あなた)ねぇ…!!いい加減にしてください!」


「ええええ!?!?あんた人のこと信じすぎだろ!!それも嘘に決まってんじゃねぇか!!!」


「ええっ!?も、もうわけがわからないですよぉ~!!」


 なーんて言ってると、一時間目の授業が始まる前の予鈴が鳴った。


「あ、そろそろ行かなきゃね。さようなら、サンタさん♪」


 そう言ってクリアは去っていった。


「な、何で貴方がそのあだ名を知ってるんですか!!」


 サンタさんは顔を赤くして叫ぶ。けれどクリアは無視してそのまま居なくなった。

 サンタさんって呼ばれてるんだね、一応。


 周りには人が集まり、俺を避けずんだ目で見る女子生徒が多数。ああ、絶対またなんか誤解されてるよ…。

 その後、『変態覗き魔靴舐め土下座星人』の異名が付けられたのは言うまでもない。


 ◆◇◆◇


「よーしおめーら席につけー」


 いつもの如く我らが担任、妖怪独身魔人が威張り散らしながら言う。


「あたしの態度を見て『妖怪独身魔人』とか思ったやつ後で死刑な」


 ええっ!?何でそんなピンポイントの死刑宣告出来たの!?まさか俺の心を読んだとか!?

 ……いや、それは流石に無いよね。


「な、ライヤ」


 ……無いよね……ははっ。


「さぁて、今日は分かってると思うが、クラス対抗体術訓練だからなー。この前クラス内で訓練したから、どんな感じで進めるかわかるよな」


 俺が謹慎処分を受けている間に一度、体術訓練をしたらしい。今日はクラス対抗だからペアで余ることは無くなったようだな。ハーッハッハ、俺勝ち組。


「せんせー、俺らは何処と当たるんですかぁー?」


 男子生徒が質問をした。


「ええっと…確か三組だったはず。ジィヤせんせーのとこだな」


 俺らは四組。ちなみに、ジィヤ先生とは学園最年長で、一番この学園で働く期間が長い先生だ。何でも、創立七十一年目のこの学校の創立時から居るらしい。ちなみに、初代校長はお亡くなりになったそうだ。三度目のちなみにだが、ジィヤ先生は御歳九十二歳で、かなり元気なおじいちゃんでもある。バリバリに運動ができ、ボケもない。


「ジィヤ先生超手強いからなぁー。あの人自身強いのもあるんだけど、教育も上手いからな。正直、勝てる気がせん。うん」


「先生超弱気ー!」


 アハハと笑いが起こる。基本自信家なこの先生が弱気なのは珍しいから笑いが生まれたのだろう。


「特に、クリア・アマネスには気を付けろよ」


 …うっ…。そう言えばクリアは三組だったな…。今朝の事を思い出してしまい、どんな仕打ちを受けるのかを想像しただけで吐きそうになってくる。


「先生メンバーはどーするんですかー?」


「よくぞ聞いたな。それを今から決めるんだ。時間は三十分ある。とりあえず推薦から出して、意見をみんなで出しあって最終決定をしよう。じゃあまず、こいつがいいってゆー人発表しろ!」


 周りを見ると、ホイホイと手が上がっていく。

 片っ端から聞いていくと、何人かが前に立った。


「あ、言い忘れてた。出れる人数は二人。ペアになって出場するからな」


 なるほど。なかなか面白そうだけど、俺はあんまり体術に自信は無いから出たくない。いや、出ることは無いだろうけどね?何でかは……聞くなよ…。


 それから議論が続いた。

 クリアがどれ程優秀かは最早全学年が知っている事。それ故にどう対策するか、みんなが慎重に考えている。

 そして十五分が過ぎた頃に、一人が確定した。


「じゃあまずは一人目、クラス内で一番体術の成績が良かったミチアに出場してもらう。はい拍手!」


 パチパチパチパチ


「てへへ、ふつつかものですが、宜しくお願いします」


 へぇー、ミチアが一番成績が良かったのか。例のごとく俺はそういう情報網は皆無なわけで、そんなことは知らなかった。基本的に俺の情報源はミチアだからな。自分で言うほど自惚れるような奴でないし、知らないのも無理はない。

 おい!そこのお前!友達いないからとか言うなよ!?


「で、あと一人だがどうする?」


 クラス全体がうーんと唸る。


「そうだなぁ…うちのクラスは体術に関してはあんまりだからなぁ…」


 なるほど。それは知らなかった。

 ミチアがどれ程体術が長けているのかは分からないが、クリアとあともう一人腕のたつ生徒が来たら負けるだろうな。まぁこれは単純に体術面での話。実際にペアで戦う場合は戦術等でカバーできるかもしれないから、勝てる見込みはある。しかしそれにはコンビネーションが不可欠なわけで…まぁ、ミチアならクラスの中心的存在だからコミュニケーションはバッチリだろう。


「そうだなぁー……ミチア、お前の推薦とかあるか?」


 ふと、先生がそう言った。

 するとミチアは考える仕草をした。そして俺と目があった……って、え?


「えっと……ライヤ君?」


 ……


「は?」


「「「「「は!?」」」」」


 俺だけじゃなくてクラス中疑問に満ち溢れてるよ!!


「おお、ライヤか。でも奴はこの前の訓練出席してなかったし、変態だし止めとけば?」


 酷い言い様だな独身コラァァァ!!


「いやー、このクラス対抗体術訓練はやっぱペアのチームワークも大事かなぁって…だから一番仲が良いライヤ君」


 ミチアが照れ臭そうに言った。俺と全く同じ考えをしたうえで選んでくれて、不覚にも感動してしまった。


「ミチアちゃんそれなら俺だって仲良いよ!!」


「お、俺だって!」


「私も!!」


 俺も!私も!と、クラス中が喚く。しかしミチアは困ったように笑うばかりで、意見を変えようとはしなかった。


「んー、ミチア、ほんとにライヤで良いのか?」


「はい!」


「そうか、なら仕方ない。ライヤ!前へ出てこい!」


 ……あ

 そう言えば俺、体術訓練に出なきゃいけないのか。

 ぐあああああ!!!ミチアに選ばれた事への感動ですっかり忘れてたぁぁぁ!!何で俺を選ぶんだよミチアァァァァ!!


「早く出てこんか!」


「うっ……は、はい……」


 とぼとぼと前へ歩いていく。

 クラスのブーイングが凄い。


「ライヤしねぇぇ!!」


「帰れー!!」


「このくそ変態がー!!」


 こんの……!!ボロクソに言ってくれやがって!!俺だって出たくないっつの!!


「童貞!!!」


 ブチッ

 何かがキレる音がした。


「誰が童貞じゃボケェェェ!!!」


 まぁ、キレたのは俺なわけで。叫んじゃったわけで。

 俺がキレたのに驚いたのか、クラスは一瞬静まる。そして、しばらくの間のあと、ブーイングがもう一度殺到した。


「何逆ギレしてんだよてめぇぇ!!」


「お前らはなに理不尽な怒りを俺にぶつけてんだよ!!?」


「てめぇが何でミチアちゃんに選ばれるんだよ!!?」


「俺がミチアにとって大切な存在だからだろうがあぁん!?」


「お前ミチアちゃん脅しただろ!?そうじゃなきゃド変態のお前が選ばれるなんてありえねぇ!!この外道が!!タヒね!!」


「嫉妬も被害妄想も大概にしとけやコラァァ!!あとリアルでタヒねとか言ってんじゃねぇよこのキモオタがぁぁぁ!!!」


 いやぁ、何か、クラスの罵倒を罵倒で返すって、ストレス発散になって気持ちが良いね。まぁでも多分、今まで以上にクラスから嫌われる事になるだろうけどね。はは。


「いい加減にせんかいこのクソガキどもが殺すぞオラァァァァァ!!!」


 とうとう先生がキレた。

 その修羅のような形相はクラスを一瞬で静まり返らせた。一言で言うと、普通に怖い。ちびりかけた。


「出場者はミチアとライヤに決定!!文句ないな!?ない奴は拍手しろ!!」


 パチパチパチパチ……


 この拍手はミチア一人だけのものだった。


「拍手せんかい殺すぞぉぉあああぁん!!!??」


 パチパチパチパチ!!!


 クラス全体が全力で拍手した。それはもう、全力で。

 それから俺と仲良くするように、と、先生がクラス全体に言った。次喧嘩してるとこ見かけたら殺すらしい。

 ふん、こんなやつらこっちから願い下げだよ!!


「それでは五分休憩後、廊下に並ぶように!解散!」


 先生の言葉で、俺は速攻でミチアを連れてトイレの前へ。


「お、おいミチア。何で俺を選んだんだよ!」


「えー、だって一番仲良いじゃん?」


「うっ……」


「私とライヤ君はもう友達だよね。うん」


「ミ、ミチアァァ……」


 な、泣きそうだ……。

 そして歓喜のあまり俺は……


「ミチアー!!好きだー!!」


 と言って抱き付こうとした。


「ふぇっ!?バ、バッカじゃないの!?この変態!!」


 抱きつく前にビンタを喰らってKO。

 まぁ、流石に異性だから抱き付くのはダメか……ガク。


「……変なこと言うなよ、バカ」


 ミチアの言葉は、小さくて聞こえなかった。


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