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ギャルにも衣装?

会話を挟まないと書けない地の文の単調さ、稚拙な物語性。

自覚はしていてもやっぱり恥ずかしい限りです......

 


 きゃぴきゃぴる~ん。


文で表すならこういう擬音語になるに違いない。

おまけに効果音を交え周囲にはキラキラと眩く輝くエフェクトも出てる、当然錯覚だけど......

現実にエフェクト、ラメのようなものを纏わりつかせるには写真や動画の加工、金ぴかの衣装を着る必要がある。芸能人やアイドルから漂う雰囲気オーラがそうだと言えば納得できる気もするけれど。


――しばらくして宮村さんがテントに戻ってくるとザワザワとした空気になった。

特に男子は我が目を疑っているほどに戸惑いを隠せないでいる。



「え? あれ宮村か...... 別人だろ」


「なんていうか、ギャップっつうの? 変わるもんなんだな」


「俺、なんで宮村なんかにときめいてんだ、あんな、あんなガサツさ極まりない奴に......」


 所々から、まるで信じられないと言った感想が漏れ出てる。

 同じ信じられない様でも芽森さんの時と反応が真逆だ、それほどに異質な姿に写っているのかもしれない。いや異質だ。


髪染め、制服の着崩し、アクセサリー類、どこか抜けている言語、が揃えばギャルという決まりじゃないけど、そういった先入観は拭えない。いつ頃からか茶髪=ギャルという認識になってしまっているのも事実な訳ではあるけど。

なので、普段はいかにもな恰好もありギャルといった印象を受ける。

宮村さんのイメージ的にもそう思ってる人が多いはず。


「あ、あんまジロジロ見てんじゃねぇよ......」


 その宮村さんは恥ずかしいのか、誰にも目を合わせまいとそらしてる。

 そわそわしているのも宮村さんらしくないというか、羞恥心があったのは意外だ。

宮村さんの友達も同じだったようで「紅奈あかなあんたってさ、そういうキャラ......だっけ」と少し小バカにした笑い。


「は、はぁ? き、着慣れてねぇだけだしっ」


「まぁ、みやむーってこうした服着そうにないもんね。可愛くていいんじゃない」


 チア衣装によっては露出の高いのもあるけど立花さんが用意していた衣装は至ってスタンダートなもので着崩しようがない、アレンジを咥えられるのは髪型ぐらいかな。

宮村さんの髪型はツーサイドアップ、それもアニメ好きな層が好みそうな結び方でア〇カのコスプレをするのには必須だ。しかし残念ながら宮村さんを好意的に見ている男子は...... それはこれまでの印象であって今は違う。


馬子まごにも衣装いしょう、違うギャルにも衣装と言うべきか。

派手な化粧もしていなくチア衣装という清爽に身を包んでる今の宮村さんなら、ア〇カのコスプレが似合うかもしれない。俺的には化粧が薄い今の方が可愛いと思う。


「へ~ 意外。宮村が進んでそんな恰好するなんてどうした心境の変化だろうね、なぁ緒方」


 聞こえてきた声に宮村さんがビクッと反応したのが分かった。

同時に「へ?」という間抜けな声を上げた緒方君もさっきからチラチラと視線を向けては反らすの繰り返しで、声を掛けようか迷っていた様子。

あからさまなお節介とも言うべきであろう、楓さんが周りに聞こえるように緒方君の名を呼ぶと男子との話を切り宮村さんに駆け寄る。

人間観察が趣味の俺は二人がどんな反応を見せるのか気になったものの――ぼそぼそと小声で会話し始めた。

二人とも尻すぼんでいて声が聞こえない。


「み、宮村。あー、結構似合ってる、ぞ」


「え? あ、ありが...... べ、べ、別にそういうあれじゃないからな。か、勘違いすんなよ」


 小声で何を言っているのか分からないから適当に読唇術で予想してみる。

 会話の内容は違えど甘酸っぱい雰囲気にはなっているに違いない。


俺自身、鈍感でもなければ敏感という訳でもない。

どちらかと言えば普通か、少なくとも疎くはないはず。

感情を読み取ることが得意と言う訳でもないけど、表情や態度さらには言動を見ていれば大体は察することが出来る。とはいえ、彼女の場合は分かりやすいまである。

よほど鈍い人でなければ誰だって態度の変化やその好意に気づくと思う。既に何人かは気づいてるだろうな。

衣装を着ることにしたのも芽森さんに対抗してのことだろうし。宮村さんもジャージは履かずに下部を露出させている。そのせいか緒方君は目のやり場に困ってる感じが見て取れる。


「おー ちょっと目を離していた隙に面白そうなことになっているな――」


「さ、栄田っ」


「結局自ら着たんだな、似合ってるじゃないか。うん、可愛いぞ」


 教師が進行役を務める運動会と違い体育祭は実行委員、案内係、アナウンス等、役割事を決め基本的に学生達が中心となって動くものであり教師が関与することは少ない。

大方、他の組や先輩達にでも捕まってたんだろう。人望があるというのも大変ってことか、本人は至って楽しそうではあるけど。


「これ、は......」


「まぁみなまで言わなくても察しはつく、仲良きことは――」


「ああぁっ!?」 


 宮村さんが先生に茶化され赤面状態になっている時に一際大きい声がし思わず振り返ると、そこには浜慈の姿が、やっぱりう〇こだったんだな。漫画の世界なら今頃惨い死を遂げている所ではある。

現実世界に生まれて良かったよほんと。


「お、おめぇら。って、宮村? 俺がいない間に一体何が......」


 そこで言葉が切れたのは栄田先生を視界に捉えたからだろう。


「チアガール、っつうことは! ゴメちゃんも――」


「あ~ 私は着ないぞ。どうもそういった衣装は苦手でな、それに年齢的にもあれだろうから」


「年齢的に見たってまだまだいけるッスよ! プラマイゼロむしろマイ!」


「お、緒方、そろそろ出番じゃないのか。確かもうすぐ男子全員参加の競技だろ」


 あ、逃げた。


「そうだった、準備しないと」


 先生に振られた緒方君は慌てて返事をする。

そういえば次は騎馬戦だ。女子が参加しない唯一の競技、立花さんがこのタイミングで衣装を出したのはそういうことか。

騎馬戦は男子全員参加の野蛮な競技とも言われており体育祭の鉄板だ。けど最近では危険だと取りやめる学校もあると聞く。それほどに危険な競技にひ弱で非力で貧弱で軟弱の四拍子揃った俺が出て見ろ、どうなるか。一つだけ言えるのはどうか怪我だけはしませんように...... そう祈るだけだ。

もう何を書いてるのか分からない、いや分かってはいるけどなんて言いいますかこれは何だろって思う...... 小説として成り立っていないまである。

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