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天使に衣装

これは果たしてラブコメと言えるのだろうか......

 

 ――その瞬間、風が吹いた。錯覚じゃない、間違いなく彼女の後ろから。



「やべぇ、やべぇよ......」


「ああ、やべぇ」


「っつうか、やべぇよやべぇよ!」

 

「なんて言うか、もうやべェよっ」


 男子達は次々に感情を漏らし、そして感激の叫びを上げている。

信じがたい光景からなのか出〇哲郎並みのボキャブラリーのなさになってしまっているのは否めないけれど、俺も同じくヤバいという感想しか出てこない。


着替え終わりテント内に戻ってきた芽森さんが目に入るや否や、男子達の生気を失っていた瞳に輝かしい光が戻った。

それもその筈、思わず『ゴクリッ』と喉が鳴るほど彼女のチアガール姿は可愛いく何より......

スカートの下から覗き出てる艶かしい太もも.....が瞳を捉えて離さない。

信じられないことに芽森さんは下にジャージを履いていなく下部を露出させてる。

太ももフェチじゃない俺でもこれは何というか、こ、この素晴らしい体育祭に祝福を!



「わ、たしの責任が大きいから、その...... こう、いうのや、やっぱ恥ずかしいね」


 恥じらいながらもジャージを履くつもりはないようで手でスカートを抑えて、というよりかは竹をなるべく下げようと引っ張ってる。

風になびいてしまうからだろう、綺麗な黒髪は花柄のピンで留められていて額が見えている。髪型がいつもと違うせいもあってかチャーミングだ。

これは可愛い、世界一、いや宇宙一か。あの芽森さんのチア姿が見れるなんて今日は素晴らしい日だ。


「俺、今日まで生きてこれて良かったぁ......」


「俺は産まれてきて感謝だわ!」


「そうだ、きっと僕は今日のこの日の為に今までどんな苦行にも耐えてこられたんだ」


「瞼に刻まなければ、未来永劫に!」


 みんな反応がオーバー気味! とは思わない。

むしろ、男であるならそれが当然であり無反応になること事態ありえない。

瞼に刻むこともありえない、それを言うならば瞼の裏だ。

しかしながら何度も心で思ってはいてもいい足りないくらい刺激...... 魅力的だ。

無論、芽森さんのチア姿に見惚れてるのは男子にあらず、女子達も芽森さんに羨望の眼差しを向けている。



「芽森さん、スタイル良くて羨ましい......」


 男子は主に可愛いという感情を優先してるのに対し女子は事細やかに見ているようで、全身のスタイルや下半身のバランスをくまなくチェックしてるように思う。

洋服や髪型に関する知識は男より上、何かと見た目に気を遣うことが多いのが女子だ。

スイーツ系男子などは例外で基本女子の方が反応に敏感だと思う。


男子が週刊漫画雑誌ジャップを楽しみにしているように、女子は女性向けファッション雑誌、PIPteenピップティーンなどを愛読している人が多い。憧れのモデルが着ている服を真似たりとクラスでも良く女子達が話題にしてるぐらい人気を博していて、それだけに美に対する価値観が違う。


「アイドルに負けてないよ、ほんとうに可愛いい。あ~、私も文音ちゃんみたいに可愛かったらなぁ」


「絶対センター取れるよ」


「そ、そんな......でも、あ、ありがとう」


 そこいらのアイドルよりずっと可愛いだろ。

芽森さんも遠慮する必要ないと思うけどな、けど自信が見えていると反感を買うだけか。


「――ほんっと、可愛くて羨ましい...... 嫉妬してしまうぐらい」


ゾクッとした......


何故かは分からないけど、今寒気のような感じが。


「弥上、それ言っちゃう? そんなこと言ったらわたしだって、悔しいけど同じ女性でもこうも違うんじゃ嫉妬してしまうよね」


 弥上さん、か。

さっき立花さんに耳打ちされて隣のテントを見てた人だ。大方好きな人でもいたんだろけど、皆が羨みや憧れといった表情を見せてる中、彼女だけ他の女子と芽森さんを見る目が違う何だか怖い......


「芽森、ジャージ履かなくていいのか。いや、まぁ凄く似合ってるけどさ、さ、寒くないかなって」


「せめて下は履いた方がいいよ、文音注目されるの苦手だろ」


「う、うん、大丈夫だよ。そんなに風も吹いてないし、ありがとう楓、緒方君も」


「お、おう......」


 さすがの緒方君も話かけづらいらしく声が震いがちになってる。

気づかいながらも芽森さんのチア姿に赤面してるのは隠しきれない

余計なことを、と思ったが良く考えれば気温が低いんだ。ジャージは履いた方がいい。

だけど芽森さんは大丈夫と、露出を継続するようでホッとした気持ちにもなる。

俺も所詮は男――


「アタシも着る!」


「え? 宮村が」


 緒方君が驚いたのは無理もない、俺もその一言に首が旋回する。

友達と雑談していたであろう彼女は芽森さん達がいる方に歩み寄ってきた。

チアガールだって? あの宮村さんが? 天地がひっくり返っても起こりえない出来事だ。

けどそれが現実に起こりえてしまっており、宮村さんは衣装を乱暴に手に取った。


「芽森だけに任せるの悪いだろ、かくいうアタシだってそんなに役に立ってないんだ」


 そう区切った後「それに......」と一瞬、緒方君を視認した。


「と、とにかく、芽森だけ負担を掛けさせるわけにはいかねぇよな。うん」


 誰に頷いてるんだか。宮村さんはいそいそと更衣室に向かっていった――


「あ、あの宮村が...... どうなってんだ」


 そう緒方君他数人が驚きを隠せないでいる中で「わっかりやす......」


 楓さんが静かに呟いた言葉が耳に入った。


描写や展開の端折り方が......

そもそも面白い展開を描ける人がウラヤマスティックウェイブです。

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