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ゴメちゃん(担任)の気づかいは功を成すのか否か......

文字数があざ並みに長くなってしまった...


大人が分からない。そもそも説得力のある言葉が浮かばないわで、どうやって大人を表現すればいいやら。。。。。。


ラブコメ主人公の学年はいったい何組あるのか、それを考えると体育祭や文化祭が描けない...


それにしても、ついパロディを使ってしまいがちだ、自重しないと。。。


文章って難しいですね。


 


 ――教えてくれ〇飛、俺達はどうすればいい? 俺はあと何回この気まずい教室と無言の空気に堪えればいいんだ...... 当然皆は俺に何も言ってはくれない。教えてくれ〇飛――


出るはため息、教室は静寂、未だ仲直りする気配なし......



***



 教室に戻っては来たけど、やっぱりというか合いも変わらず、錆びついてる。

正確には女子と男子の間に会話がない。

男子は男同士、女子は女同士で喋ってる。果たして声を抑えているのか会話が聞こえてこない。


 誰か何か喋ればいいのに...... 心で思ってることを口に出来ないもどかしさを感じながらも、何も言い出せない。『ねぇそろそろ仲直りしたら』と言った所で無視されるのがオチだ。

見えてる結果に口を出すほどの熱意は俺にはない。それに存在が薄い奴が何をした所で変わりはしない。


 本心を口に出来ない代わりに、何度も頭の中で替え歌を再生したり、名セリフを並べてみてはいるものの、ひたすらに虚しいだけだ。

 俺はいつも気を紛ぎらせようと脳内で音楽を流す。

中学の時もそうやって独りぼっちの寂しさを乗り越えてきた。数日前もそうだ。

普段は聞き耳を立てて人の会話をおつまみ程度に楽しむ、いわゆる盗み聞きをしている。そしてクラス連中の騒いだり、楽しそうに馬鹿笑いしている声が耳に入ってくる場合は、好きなアニメやアイドルの歌を脳内で流して堪えしのぐ。ただしA〇Bを除いて。未だ許せないメンが五人ほどいる。恋愛したければグループを抜ければいいだけの話だ、恋愛禁止という決まりきったルールに政治家が首を突っ込むことじゃない。いったい何を模してアイドルなのか......


 っと、つい思想が逸れてしまった。

 皆でワイワイしてるあのテンションが父親が好きな宴会に似ているのか、どこか嫌悪感を覚える。

それが今や、逆に苦痛と感じてしまう日が来ようとは...... 意外と俺は寂しがりやなのかもしれない。



 しかしこうやって右往左往に目配りして見ると、少なからず感じる。腕の隙間から様子を伺うと度々困っている表情をしている人がいることが分かる。

 早く仲直りしたいと思っている人もいるんだろう。クラスのほとんどがそう思っているはずだ。

しかしクラスカースト上位である二人がそれを許してはくれない。シ〇ジとア〇カ――違った、宮なんとかと、緒なんとかが握手でもしない限り元のクラスに戻りえることは出来ないと分かっているだろうから誰も口を挟めないでいる。


宮なんとかさんは茶髪のツーサイドアップ、緒なんとか君は形の良い頭に合わせた短めの黒髪。

あれ? これもうア〇カとシ〇ジで良くないか......

でも性格が違うか、それにこんな思考をしていると痛い奴に思われかねない、現実と二次は......区別しとかないと。


 片や見た目が派手そうなギャルで女子グループのカリスマ的存在。

 片や気さくで細身の男子だけどクラスをまとめているだけあって男子に人望がある。


このクラスは二人がいて成り立っていると言っても過言ではない。その証拠に今の教室を見れば一目瞭然だ。二人が会話し漫談が生まれ、笑顔がこぼれる。それを無視し遠くで芽森さんを眺めてる俺を含めた男子勢。

それがこのクラスの全て、だった。


さてこの後はまた話し合いが行われるわけだけど、どうなることやら......



***


「さて、体育祭当日まであと八日と迫ったわけだが...... この様子ではまだ収束していないようだな」


 昨日と同じように、担任とクラスを交えた競技について話し合おうとするも、今の現状を見てげんなりとした表情を見せる栄田先生。

きっと呆れてるだろうな。一時的とはいえ先生の言葉に胸を打たれた人もいただけに。


「少し前にも言ったと思うがもう一度言っておく。一応私も担任だからな、問題事はごめんこうむるぞ。いいか良く聞いてくれよ。いや、聞けっ。そうだな、例えばお前らがこの先大人になって何かに躓いた場合、もしくは挫折した時、みんなと過ごした思い出が助けになってくれることもあるかもしれない。あー、それはないか...... 高校の出来事なんてたかが知れてるしすぐ薄れゆくもんな。水をこぼし滲んでいくみたいに。けどな、嫌なことを思い出すより楽しいことを思い返すことの方がずっと良いと思わないか。どうだ、先生はそう思うぞ」


 先生、それは皆分かってはいるんだ。けど――

生徒を想ってか面倒そうに話しかけながらも、語ってくれてる言葉の内容には気づかいさが見え隠れしてる。この言葉に感動を覚える者も少なくはないはず。俺はその一人だ。


いつもは私口調なのに敢えて・先・生・と主張したことからも本当に想ってくれてるんだろ。もしくは自分のことを良い先生と思わせる為の演技なのかも知れないけど、俺はそう信じる。

まぁ俺以上に栄田先生を信じて疑わない者もいるだろうが。

いつもは茶々を入れることが多いのに、栄田先生の熱弁に聞き惚れているんだろうか。


「そうだろ、宮村、緒方」


 クラス委員を任されている二人に優しい眼差しを向ける栄田先生。

だが教卓前に立っている二人は何も答えない。

どちらもプライドが高いんだろう、自分から謝るという考えはしていないらしい。それは昨日今日で分かってる。

そろそろ仲直りして欲しい所ではあるけど......


「よし、ならこうしよう。もしもだ、このクラス、一組が体育祭で一位を取ったら夏休み前にある前期の中間テストの範囲を削ってやる! それも大幅にだ。どうだ、おいしい話だろ? やる気出てきたか、出てきただろ。なら早速。ほら二人とも手を出してみろ」


「はぁ?」


「意味わかんね」


 いきなり無茶を言われた二人は当たり前に手を出そうとしない。

しかし『いいからいいから』と陽気そうな笑みで二人の手首をガッシリと掴み無理やり握手させる先生。


いや、絶対それ逆効果になると思うんだけど...... 浜慈に出来なかったことをさも平然とやり遂げるなんて、さすがだ。そこに痺れる、けど憧れはしないぃ。


「あのゴメ――先生。一位って全学年でですか? 三年生に勝つなんて無理なんじゃ......」


 今はクラスの雰囲気が悪い為か、栄田先生の相性を呼ぶも躊躇し改まって質問をする女子生徒。

先生はその質問に握手をさせていた二人から手を離す。


「ん? ああ。もちろんそんな無茶は言わないよ。三年や二年に勝つなんて骨が折れるだろ。まぁ勝てなくもなくはないが、実質的には無理だ。一年という歳月は以外にも大きいしな。ましてや全学年は辛いだろう。そこでだ。学年一位、一年生の中で優勝すればさっき言った条件を呑んでやろう」


 また何てことを言うんだこの先生は。い、いいのかなそんなことを公言してしまっても、そんな尊厳が栄田先生にあるとは思えない。ただの一教師、というか校長が了承してはくれないだろう。いくら何でもその条件はまかり通らないんじゃ......


「おい、それ。本当だろうな、嘘つきやがったら......」


 途端、ウンともスンとも言わなかったア〇カもとい、宮村さんだったか? 宮村さんが話に興味を示したのか、栄田先生に確認する。そうだろうな、テストの範囲を狭めるなんておいしい話を無視は出来ない。


「無論だとも、私を誰だと思ってる。斎〇さんだぞ?」


「いや、違げぇだろ......」


 両手で黒いスーツを掴み、どや顔で言う先生に対して今度は緒方君の鋭い突っ込みが入る。

 先生もNワンを見てた口か......


「まぁ、冗談だ...... 一度やって見たかったんだよコレ。けどさっきの話は冗談ではないぞ」


 突っ込まれたことが恥ずかしいのか、声が萎んでいく。

恥ずかしいならやらなければいいのに、やってみたっかったんだろうなぁ。実は俺もそれはやっては見たいまではある。

照れ隠しなのかわざとらしい咳を出し『冗談はこれくらいにして』と先生は口元をつり上げる。


「嘘は言わないよ、約束っていうのは守る為...にある言葉だ」


「絶対だぞ...... 緒方」


「ああ、分かってるよ」


 先生の言葉を信じたのか、宮村さんと緒方君はアイコンタクトを取った。

 見るは早い。二人は実は仲が良いんじゃなかろうか? と思ってしまうほど迅速に行動に移しだした。


二人の連携によって看板の作成。競技内容がどんどん決められていく。

100メートル走、障害物競争、大縄跳び、リレー(10名選出)、綱引き、棒倒し等が決まり。あっという間に残すは種目別の選別だけになった。


これなら準備も順調に事が進みそうで安心だ。

体育祭といってもそんなに大掛かりな準備はしなくていい、文化祭みたいに派手に着飾ったり装飾はあまり必要としない。色分けの鉢巻きは手芸部が作ってくれるということだ。ありがたい。


「鉢巻きは手芸部が作ってくれるらしいから、看板作りは、川井。あんた確かこういうこと得意って言ってたよね。ペイントの色は...... 笹岡って色のセンスあるんだよね。前に言ってなかったっけ?」


「え? あーうん。まぁ」


「ペイントの色は笹岡に任せていいか――」


「足が速い奴を確認したいんだけど、ちょっと手を上げてくれると助かる。村岡、芹沢、三沢――」


「あの、私あんまり力がないんだけど......」


「分かった。芽森はあまり力がないんだな。それじゃあ大縄跳びに出てくれるか? 他にも力が弱い奴特に女子は言ってくれ――」



 持ち前のカリスマ性でキビキビと質問を投げかける宮村さん。

 皆を気にかけて、その人に合った競技を選んでいく緒方君。

今の二人を見ていると、とても喧嘩をしている風には思えない。むしろ......

喧嘩するほど仲が良いっていうのは本当にあるのかもしれない。


 この状態なら心配はしなくても良いはずだ。うんきっと大丈夫だ。

もつれてしまっている糸を結び治す為にはこの絶妙な雰囲気......が続いて、体育祭本番で痔が固まることを祈るしかないんだから。



心情でそう思いながら俺も同様に力がない側である為、緒方君の呼びかけにそっと手を伸ばした。

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