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在るべき選択…… 


(よし、送った(……)。あとはこの場で待っていれば大丈夫)





 こうやってじっと、見てるだけか……

 はたまた、一目散に飛び出そうか…… 



 というよりは行けない、あんな大人数の前に飛び出していくなんて無理だ。



 立花さんも立花さんで数で見たって不利なのにどうして煽るのか。一度折れたらいいだけ。そしたら楽になれるし批判されることもなくなる。自分がやったことは間違ってましたと……それなのに喰って掛かりにいくのはなぜか。


 恐れていないから? 楽観的だから? 違う。

 

 自分の主張を曲げようとしてないからだ。

 何も間違ったことをしていないという絶対的な自信。

 

 


 

『もちろん、ありますとも』



 人それぞれの振り返りたくない出来事。


 理由は聞けてはないけど。今の感じでいえば払拭してる様子には思える。単に明るく振る舞ってるだけなのか。どちらにしても、誘い出されたと聞いてこのまま動かずにいたらそれこそ何をされるか分かったもんじゃない、よな。

 






(思い出せ、初めて涼夏りょうかと出会った時のことを…………)





『おれらのこぶんにしてやるって言ってんだろ』


『いやだっ、君たちの仲間になんてなるもんか』


『はっ、女みたいな顔しやがって。なまいきなんだよ』


『う"……』



『とう! くらえ、(りゅうのすけさん)じきでん、じゃすてぃすキーック! パーンチ! チョープ!』





『『『『いってー!? く、くっそ覚えてろー』』』





『え、君は…… ?』


『ふ…… 名もないヒーローさ』


『ほんとの名前は?』


『くろぬまのありま って言うつもりなかったのにっ』


『なんで?』


『そ、そんなの言わない方がカッチョいいからに決まってんだろ」


『ふーん、よく分からないや』


『いや、男ならそこは分かっ』


『ぼくは奈月涼夏、助けてくれてありがとう』


『まぁ。俺と変わらない背格好をしていたもんだからつい身体が動いちまっただけだよ』


《言われてみると確かに身長は変わらないね、小兵なれど腕は確かって感じかな』


『え、なにって?』


『ありまくん、ぼくも、君みたいに強くなれるかな……』


『ああ、そこはりゅう、いや。俺の背中を追いかけてみろよ。りょうか』



 


 体格さを気にせずにいたから出来た芸当もあれば。何も知らずにイキってただけの無垢な少年時代。景色がまだ色付いていた頃のあやまちーーーー





『そら、選べよ…… てめぇが殴られるか、てめぇで殴るかを』





 間違った選択をした結果がこの様……


 思い出すと手足が震えて身体が強張る程にどうしようもなく怖い、いましめの記憶。


 

 親友にまでなった友《涼夏》を裏切って卑屈になっていけば愛美にも愛想を付かされていたんだと思う。


 今にして思えば年々願っていた身長も伸びることもなければ機を待っているだけ。独り善がりの片想いなら遅かれ早かれ愛美は宗助君に惹かれていたんだろう。背も高めで体格も良くて性格面も誠実で俺と違って本物の(ヒーロー)としての素質が…… ダメだ、余計なことを考えてしまいがちだ。

 

 


海音君に似てる(…………)】と言ってくれたおかげかは分からないけど。ここで逃げたら何も変わらない、現実的には無理でも、もし過去に戻れとしたらまたあの日の二の舞になってしまう。




 だから今出来ることをやるんだ。



前降りというよりは振り返り。


なぜ主人公成らざるなのか

トラウマの全容と分岐点……



(ブックマーク、評価ありがとうございますっ)


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