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ギャルとアンバランスなオモチャ


 昨日の参観日から一夜開けた木曜日。



「おはよう黒真」

「はよっす」

「きのう参観日があったんだってね……」

「ああ、実はカクカクシカジカでーー」



 何時もながら家を出てから、待ち構えたかのように幼馴染みの愛美に迎えられての登校。


 朝から昨日の出来事を打ち明けいくがーーーー


 もしかしたら(……)質問責めに合うんじゃないか。

 そんな心配が拭えない中で俺は今日一日中は机と同化することを決め込んでいた。


 しかしやしかし不安を他所に杞憂に終わる。



 僅かながら"視線を感じたものの。

 教室に足を踏み入れれば。その事をネタに話してる生徒は殆ど見受けられないという……



 それもそうだ


 今日日参観日の話題で盛り上がるなんてことは少ない。誰々くん、何々ちゃんの親は誰かなと。気に掛かるのはその場限りのやり取りだろう。

 

 それに例え遅い時期に編入してくる転校生であっても目立つ生徒と目立たない生徒ではもたらす印象がまるで違う。俺は所詮目立たないパターンの転校生ってやつだ。机を囲まれるような状態になることもない。


 ただ物珍しく、普段目立つことのない生徒が仲間内で会話しながらはしゃぎ騒いでいただけのこと。丸1日も立てばそんな奴の印象なんて搾りかす程度にしか残らないし、何も特別なことじゃない。



 だから俺が楓さんに偽告白したことも皆の記憶から消えていると思っていいんだ。途方の彼方へと……






 * * *

 


 母さんと一悶着はあったにせよ。

 一先ずは何事もなく参観日と面談を終えられたことに安堵。早々と忘れたいだけに昨日のことは一旦頭の中から消すとして、今起きてる問題をどうするかがまだ残ってる。

 


 試みるは犯人捜し。


 今のところ成果はなしだが、もう少し続ければ何か変わるかもしれない。しかしながら日が沈み"放課後"になろうとも変化は起こりそうにない。そればかりか、今日に限っては俺以外にも居残っている生徒が1人いた。

 


 こっちが寝たふりを決め込む一方で彼女は声が聞こえるような距離感でスマホを触ってる。宮村さんグループ、ひいては友達でいてる〔サヤさん〕だ。





「ーー今度緒方を誘うのを手伝ってくれ、なんて送ってきてさ。ほんと口では嚙み付いちゃうくせに文体だとやけに素直なんだからみやむーは。まっ、芽森ともこのままじゃダメだよなって、いじらしく悩んでるほどだしー ねっ」



 ……云うに独り言だとして。



「で。花梨リツもこっちはこっちで見せ付けてくれちゃってまぁ…… ああ、やだやだ、お一人様なんてやってられないって感じー…… ね、そう思うっしょ?」

 


 寝たふりも寝たふりなら聞く耳は立ててる。

 時折、愚痴をこぼしつつも重大なことを呟いたのを俺は聞き逃さなかった……


 宮村さんが芽森さんと仲直りしたがってる?

 事実本当にそうだとしたら悩みの種は1つ解決に導ける気がする、問題は二人の仲を誰がどう取り持つかが重要なんだろうけども。



 一方は机にうつ伏せて思想、一方がスマホ画面に向かって喋り続けているこの異質な状況は長くは続かなかったーー



「夏休みも間近だし、それそろメンテナンスしてあげないとねー…… の前に」



 

 そう発したが瞬間。








 フーー………………







「んぉ!!!!!?」





「ほら、やーぱっ、"起きてた」



文量が長くなりそうなので分割……

シチュエーションは元より導入部分。

そこに連なる状況を作り出すっていう所も難しい、、、

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