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第9章 それぞれの為すべきこと

1.


 激戦から一夜明けて、もうお昼。支部長の可奈は、戦闘の後始末のため早出で出勤していた。

 戦闘で損壊した築造物や舗装に対する始末書を警察に提出せねばならないし、撤退していったバルディオールたちの追跡結果も警察と鷹取家に報告せねばならない。といっても長谷川による単身での追跡はあっさり撒かれ、都内の方向へと逃れていったことしかわからないのだが。

 始末書を書き終えて、可奈は首を回した。昨夜の疲れが残っているような気がして、肩が重い。

(やーね、こんなことで齢を感じるなんて)

 溜息を1つ漏らすと、今度はメールの処理に取り掛かる。浅間会病院からは、昨晩入院したスタッフが全員退院したことを知らせるメールが来ていた。お礼を返信すると、他のメールをざっと読み飛ばす。鷹取家との定期連絡会の日程は、来週の水曜日に決まったようだ。

 携帯が鳴った。会長からだ。

『昨日はお疲れ様』と切り出す会長の声は低い。

「いえ、会長こそお疲れ様でした。お久しぶりなんじゃないですか? ご自身がスキルを使うなんて」

『そうね』

 そこでしばらく会話が途切れる。そもそも、会長はなぜ電話をかけて来たのだろう。すぐ近くにいるのだから、直接会って話をすればいいのに。可奈がそう訝しんでいると、会長は相変わらず押し殺したような声で通話を再開した。

『昨日の戦闘のことなんだけど』

「はい?」

『正直言って、まだみんな弱いわ。私の支援攻撃がなかったら、全滅していたと思う』

 それは、と言いかけて、可奈は会長の出方を伺う。

『アンヌが来たということは、いよいよ伯爵が本腰を入れてきたということよ。このままでは――』

「戦力の集中を図りますか? といっても、フロントスタッフはみんな学生か社会人ですけど」

 そう言いながら、可奈は気付く。自分があえて話をそらそうとしていることに。

『いいえ。このままでは――』会長の声色は硬い。

『"愚者の石"を誰かに使ってもらうことになるわ』

「やめてください!」可奈は思わず叫んだ。

『どうして?』

「どうしてって……忘れたんですか?! 22年前のこと! あれのせいで、彼は、正敏君は――」

 逆上する可奈の耳に、"彼"の絶叫が蘇る。愚者の石を使って、文字通り身を削って戦っていたのに、『大丈夫だから』の一言で済ませて笑っていた彼の声が。

『支部長さん』

 可奈の涙混じりの指弾を聞いても、会長の声はいたって平静そのもの。

『ならば、彼らにレベルアップを求めなさい。これからの戦いに耐えうる、戦い抜ける力を』

「……わかりました」

『ああ、それから、鷹取家との定期連絡会、だっけ? いつあるの?』

「来週の水曜日です」

『そう。結果をまた教えて』

「はい。会長?」

『なに?』

「通信傍受に備えるため、今後こういった話は直接面談しましょう」

『……考えておくわ』

 通話を終えた可奈は背もたれに身を投げ出すと、目をきつく閉じた。しばらくしてゆっくりと目を開け、会議室で待つサポートスタッフたちに合流するべく、椅子から立ち上がった。


2.


 浅間会病院を退院した隼人たちは、迎えに来た永田とともに西東京支部に向かっていた。支部長から『退院したら、昨日のボランティアについての反省会をするから支部に来るように』との連絡が来ていたのだ。

「隼人君、今日バイトは?」

「午前のはドタキャンしたよ……」

 るいの問いに、隼人は苦い顔で答える。実際入院したのだから理由は付くのだが、それでバイト代が入るわけじゃない。隼人は体力切れではなかったが、イエローとブランシュを治癒した後はあの場から動けなかった。そのため、病院で点滴がてら一晩泊まらざるを得なかったのだ。

「昨日の最後の、ほら、落雷がドバーンってきたやつ」

 と美紀が切り出した。病院でシャワーも浴びられなかったのが気になるらしく、時々自分の匂いを嗅いでいるさまはやっぱり女の子なんだな、と隼人は思う。

「支部長さんて、すごいお人やったんやね」

「そりゃまあ、22年前にはくしゃ――」言いかけて通行人も普通にいる歩道の上だったことに気づき、慌てた優菜が言い換えた。

「向こうのボスとやりあった人だもんな」

「ああそれ――」と先頭を元気よく歩いていた永田が振り向いた。

「支部長じゃなくって、会長のお仕事だったみたいよ。あれ」

「会長が?」

 驚く優菜たちが、きょとんとしている隼人やミキマキに説明してくれた。

「その22年前、会長は絶対に現場へは来なかったんだとさ」

「ああ、前に一度、支部長が説明してくれたっけ」

 と隼人は思い出す。支部長の、思い出すのも辛そうな表情も。

 それにしても、あの支援攻撃は一体どういう仕掛けなのだろうか。隼人たちは永田の迎えが来るまで病院の談話室で話し合ったが、結論は出なかった。

 強力かつ大規模な全体攻撃スキル。それはエンデュミオール(とバルディオール)の常識を覆す、矛盾した代物である。

 スキルの威力は、発動までに溜めた体力に白水晶の力を上乗せする形で決まる。

 スキル発動までに"溜め"を作り続ければ威力は上がるし、理屈の上では過労寸前まで溜めることが可能だ。が、それが敵に見事命中して、かつ一撃で敵を屠ることができるという保証はない。外れれば、あるいは敵が持ちこたえれば、当方は息も絶え絶えで戦わねばならない。よって自然に、人一人がスキルに込められる体力には限りができることになる。

 そしてスキルにおける体力と白水晶の力の総和が決まっている以上、広範囲にバラまけば、ばら撒かれる成果物1つ1つの威力は低くならざるを得ない。先日のアクアによる"絨緞爆撃"のように、敵(と味方)の動きを止める程度の打撃しか与えられないのが普通なのだ。

「あれ? えーとキミ……?」

 会長のスキルについて推考していた隼人の耳を、るいの声が打つ。ふとあげた目線の先、そこには知った顔がいた。

「あれ? 坂本さんじゃん」

「あ……! 隼人せんせー、こんにちわ!」

 まさかの遭遇に隼人も沙良も驚く。早速にやにやし始めたるいと優菜をあえて無視して、隼人は沙良に問いかけた。彼女の返答によると、会長からのお届けものを配達しに来たのだという。

「へぇ、バイトしてるんや。感心感心」

 真紀のほめ言葉にちょっとはにかむと、沙良はぺこりとお辞儀をした後、てててて、と駆けていった。

「もしかして、また『ラ・フレール』の果物かな?」

 るいの目が輝く。

「るいちゃん、果物好きだよな。見に行くとしましょうか――」

「待ちなさい」

 隼人は逃避に失敗した。理佐にがっちりと肩をつかまれてしまったのだ。

「誰? あれ」と低音を絞り出す理佐。怖い。

「ロリロリやったね」

「まさか中学生まで……」

「それがな」と優菜は苦笑い。

「今年、大学受験するお年頃なんだってよ」

「おお! これは美紀にもワンチャンあるで!」

 あーだこーだと言いあう姦し娘どもの声を行進曲に、隼人たちは2階への外付け階段を上った。

「おはよーございまーす!」

 第1会議室の扉を開けるとき、できるだけ明るく発声してみた。昨夜の戦闘は本当に激戦で、そして正直大苦戦だった。その反省会を、重苦しいものにはしたくない。つもりだったのだが。

「……はぁ」

(隼人君、すべったで)

(支部長さん、溜息吐いてるで)

(隼人、何とかしろ)

(隼人君、何か言いなさいよ)

「わ、やっぱり果物詰め合わせ籠~!」

「「「「「るい黙れ」」」」」

 全方向からツッコまれて「きゅ~」となったるいを放置して、反省会が始まった。

「改めて、昨日はお疲れ様」

 支部長の表情は落ち着いた、というべきか、暗いというべきか。

「どうにか敵を撃退することに成功した点については、素直によかったわ。でも」

 目を閉じ、息を吐いて。支部長は続けた。

「敵に翻弄されっぱなしという点がまず1つ。個人個人の戦闘力が低くて、いくつかの命中も敵に大したダメージを与えていない点がもう1つ」

 隼人たちは何も言えない。支部長の指摘は続く。

「あれだけの傷を負って、アンヌが戻ってくるかどうかはわからないわ。少なくとも、4、5日はないと思います」

「どうしてですか?」とは当然の問い。隼人が声を上げ、皆もうなずいた。

「彼ら人外には“貴血限界”と呼ばれる生理現象があるの」

 と、ホワイトボードにその単語を書きながら支部長は言う。

 貴血限界とは、人外が持つ強大な力の行使と引き換えに、反動というべきか、翌日以降の活動に支障が出る事を指すらしい。支部長は、そのことに加えてあれだけの傷を負わせたのだから、当分は身動きが取れないだろうと推測しているようだ。

「相手さんも、なかなかままならんもんやね」

「ほんまやな」

 ミキマキが顔を見合わせてしかめつらしくコメントし合った。支部長はそれを聞いてもにこりともしない。

「これで油断してもらっては困るわ。あのレベルの敵が、これから押し寄せてくると思っておいたほうがいい。だから、あなたたちには再構築をお願いしたいの」

「……再構築?」

「そう」

 厳しい表情のまま、支部長は手元に積んであったDVDを横田に手渡し、隼人たちに配らせた。

「それは本部近くの倉庫に付いてた階段の上から撮影した、昨日の戦闘の一部始終よ。それを見て、各自で自分の戦闘態勢を再構築してほしいの。もし、アドバイスが欲しければ言ってちょうだい。あなたたち同士で意見を交換してもいいわ。このままでは――」

 唇を噛んで言いよどんだ支部長に、皆の視線が集まる。

「――愚者の石を、誰かが使うことになる」

 なぜだろう、支部長の顔色が心持ち青い気がする。優菜が声を上げた。

「それって、会長が持ってる、っていう?」

「それを貸してくれるってことですか? 会長が」と理佐も続いた。

「ヤバいアイテムってことですね?」と珍しく真面目なるい。支部長は頷いた。

「そう。できれば、あなたたちには使ってほしくないわ」

「「支部長さんは、使ったことあるんですか?」」

 そう聞く双子の眼の光が、隼人には妙に光って見える。支部長は否定して、しばらく躊躇するそぶりを見せたが、声を絞り出すようにまた話し始めた。

「使ったのは、私の仲間よ。彼が志願して――」

「ん? 彼?」とるいが目を見開く。

「22年前も男の人がいたんですか?」

 支部長は少しだけ笑顔になると、昔話を始めた。

 今と同じく敵の本格的な攻勢を受けた支部長たちは苦戦し、会長の提案で愚者の石をメンバーの誰かが使うことになった。しばらく話し合いをしたあと、名乗り出たのが正敏という名の同級生。

 愚者の石で二段変身した彼の力は圧倒的で、攻め寄せる敵を撃退することに成功したのだが、愚者の石には恐るべき副作用があった。変身を解除するときに、原因不明の凄まじい負荷が彼の身を襲ったのだ。もちろん過労で彼は倒れた。

 彼には、共に闘う恋人がいた(話しぶりからすると、支部長ではないようだ)。彼女は涙ながらに彼を止め、支部長たちも彼に愚者の石を使わせないよう奮闘した。

 だが、それでは敵の波状攻撃を食い止めることはできず、彼は何度も愚者の石を使い、そのたびに倒れた。

 そして、最後の戦い。恋人の制止も聞かず愚者の石を使用した彼は、ついに――

「仰向けに倒れた時の打ち所が悪かった、というのもあるんだけど、ね」

 支部長の涙声が、静まり返った会議室に響く。

「意識不明のまま病院に担ぎ込まれて、目を覚ましたのは3日後。でも彼は……下半身不随になってしまっていたの……」

 言うべき言葉も見つからない、という状況に黙す隼人たち。こういう時に口がきけるというのは、るいの特質なのだろう。

「その人は、そのあとどうなったんですか?」

「退院と同時に、彼女と2人してボランティアを辞めたわ。そして大学卒業後の行先はわからないままよ……」

「音信不通、ってことですか……」

 るいのつぶやきに支部長はうなずき、涙の残りをハンカチで拭った。

「2人とも白水晶を持っていった、というか返さなかったから、もしかしたら子どもがそれを受け継いでいるかもしれないわね。今のところ『あおぞら』の登録者に、それらしき名字の人はいないようだけど……」

 隼人の正体がまだばれていなかった時、支部長がしていた『22年前の経験者の子どもかも』という推測は、このことも念頭にあったのだという。

「そういうわけで」と支部長は顔を上げた。

「お願い。もうあんなことはごめんだわ」

 隼人たちは、ただ頷くことしかできなかった。


3.


 次の日。浅間市街の真新しい居酒屋で、隼人は困惑していた。いや、彼よりさらに困惑の色が深い人がいる。

「えーと、田所様は――」

 その人、明らかに自分たちと同年代の店員がキョロキョロ。名を呼ばれた優菜が、こちらも困惑の態で手を小さく上げる。

「あたしですけど」

「あの、今日のご予約は、女子会コースを8名様――」

「をい」またかよ。

「俺を女子にカウントすんなよ……」

 結局女子会コースを1名分、別のコースに振り替えてもらえた。飲み物を注文して、北野楓きたの かえで(北東京支部のエンデュミオール・リッカ)がくすくす笑う。

「ほんとに女子扱いなんだね」

「まあ、あたしたちも全然気づかずに着替え始めちゃったんですけどね、目の前で」

 と顔を若干赤らめながら、祖父江祐希そぶえ ゆうき(同じくエンデュミオール・トゥオーノ)も笑う。

 彼女たちは先日、西東京支部の応援を受けてバルディオールと"拠り所"を討伐した際、帰還した北東京支部の控え室で服を脱ぎ始めてしまった。そこを隼人にばっちり見られてしまっていたのだ。

「いや、あれは隼人君が悪いのよ」

「なんでだよ」

「だってそうじゃない」と理佐は隼人の反論を許さない模様。

「ボランティアが終わったら、シャワーで汗を流すに決まってるでしょ!」

「いや待て」

 隼人は納得がいかず、理佐をにらんだ。

「男子更衣室の入り口が控室の中にしかないんだから、どうしようもないじゃん! そもそも、なんで女子更衣室の中で脱がないんだよ?!」

 ああそういえば、と隼人は思い出した。

「キミらが濡れ鼠で支部に来た時、俺の目の前で着替え始めてたな。あれか、『あおぞら』にはそういう伝統でもあるのか?」

「「そんなことしてたんや……」」

 双子のジト目に、今度はこちらの三人娘が赤面してしまった。楓が目を細める。

「ふふ、そこは男の子扱いなんだ。不思議」

「まあでも、男の子がいるって、緊張感があっていいかも」

 祐希が注文を終えて一人で納得している。北東京支部には、サポートにも男性がいないらしい。

「――と、女子大に通うユウちゃんが申しております」

 へえ、と西のメンツに注目されて、祐希は照れた。女子高からエスカレーター式の大学のため、教室や更衣室はとても隼人には話せないくらいのだらけっぷりだそうな。

 そういえばその手の知り合いっていなかったな、と隼人は目からうろこが落ちる思いだ。

「やっぱ女子だけだと、だらけるんだ……あ、ジンジャーエールは楓さんですよね」

 飲み物もみんなの手に渡ったところで、優菜がジョッキを掲げた。

「んじゃ、まあ大苦戦だったけど、取りあえずお疲れ様ということで」

 乾杯! ジョッキとグラスを打ち鳴らして、先日の戦闘の打ち上げが始まった。

 そこからしばらく歓談し、楓が社会人であることを知った西の一同はどよめく。

「な、なに? 社会人ったって、イラストレーターの端くれだし」

「いや、うちらみんな3年生なんで、就活どーだったのかなー、って」

 とはるいの弁。実際そのことを考えると、隼人も心穏やかではいられない。

「んー、100社くらいにエントリーシート送って、その内40社くらい筆記試験受けて――」

 楓はほっぺたに指突いて回顧の態。

「でも、最終面接まで行ったのは4社くらいだったかな。結果的に全滅」

 と屈託なく笑うのは、もはや過去のことだからなのか、それとも今の仕事で稼げているからなのか。社会人とわかったからなのかもしれないが、その落着きや仕草はどことなく大人っぽく感じる。

「へぇー、イラストレーターって儲かるんですか?」

「ねーやん! なんちゅう聞き方やねん!」

 真紀のぶしつけな質問を美紀がたしなめたが、楓は笑って言った。

「全然。お小遣いの足しにしかならないわ」

「え? じゃあ、どうやって生活してはるんです?」

「ねーやん!」

「ん? ダンナの稼ぎよ?」

「ええ?! 楓さん、結婚してるんですか?」

 隼人たちは驚愕した。動揺しているのか、優菜が楓を指差す手がプルプル震えてる。

「で、でも、指輪嵌めてないじゃないですか」

「ん? 指輪?」

 自らの左手を見ながらまた笑う楓。よく笑う人だな、と隼人は思う。

「飲み会に指輪嵌めてなんて来ないよ~! 素敵な出会いがあるかもしれないし」

「ていうか、優菜はなんで動揺してるの?」と理佐。

「別に動揺なんかしてないし! そこじゃなくて『素敵な出会い』ってほうにツッコめよ!」

「ほんとですよね~」と祐希がレモンサワーを飲み干して、楓をにらむ。

「旦那様ほっぽらかして、飲み会に来てる時点でもうね」

 どうも楓の夫はこのボランティアのことを知っているようで、祐希たち北東京支部の面子とも面識があるのが話しぶりからわかった。

「「んで、なんで優菜ちゃんは動揺しているん?」」

「だ、だって……愛する人との契りの証を身に付けないなんて――」

「るい!! あたしの口真似すんな!!」

 真っ赤になった優菜が、横に座るるいのわき腹に手刀を繰り込んだ。

「ですよね~! やっぱりそーゆーのって、大事ですよね!」

 あれ?

「……おーい、ここにも乙女がいるぞ~」とるいが祐希の肩に手を置いて叫び始めた。

「いやそれ、当たり前じゃない」と止めに入る理佐。

「ま、ね――」

 ふふんと笑って、楓はコーラをオーダー。

「ユウちゃんは彼氏いない歴イコール年齢ですから」

「! ううう~、それは言わない約束だったのに~!」

「興味深――「お前は黙ってろ」「あなたって人は……!」

 ぽかぽかと楓の背中を叩く祐希。ぐりぐりと左右から拳骨を頭にねじ込まれる隼人。なんなんだこの差は?

「愛やろ」「愛やな」

「心を読むなよ痛い痛い!」

「で、祐希ちゃん?」

 るいの跳梁跋扈はまだまだ続く。

「はい?」

「どうよ、隼人君あたりで男子慣れしとくってのは?」

「いやいやいやいや」

 また剣呑な流れを隼人が止めようとしているのに、るいが2人のところに忍び寄ると何やらぼそぼそ囁き出した。不穏な空気を察した隼人が唐揚げを投げ出して止めに入ろうとするも、オプション参上。

「「はやとくーん、久しぶりやね~」」

「こら! エロ双子! く っ つ く な !」

 両腕にしがみつく双子を理佐の加勢を得て剥がすも、時すでに遅し。

「「ええー! 8人?!」」と見事な斉唱が個室の壁を叩いた。

「ちゅうことで、男子慣れするには手頃かと」

「るいちゃん、なんでその結論に至るの?」

 隼人の呆れ顔をよそに、祐希はいかにも済まなそうな顔でるいに手を合わせた。

「ごめんなさい、チェンジで」

「そのこころは?」

 優菜は若干酔ってきているようだ。

「あたしぃ、渡り歩く男の人って信用できないんですぅ」

 かわいい顔と仕草で、結構な辛口。女子はどっと受けたが、隼人は何とも言えない表情になって頭を掻いた。

「でも珍しいやん、ギャルにダメ出しされるなんて」

「楓さんは人妻やから、問題外やしな」

 双子の論評は、当の人妻の疑念を招いた。

「なんで人妻じゃだめなの?」

「他人の女に用は無いからです、はい」と隼人は頭を下げた。

 タン! と楓のグラス底が乾いた音を立てる。

「よし、分かった」

「何がですか?」

「ちょっと離婚してくる」

「楓さん! も~、また始まったぁ!」

 祐希がしがみついて止めようとするのを、イヤイヤして逃れようともがく楓。その仕草はちょっと色っぽいが、なにやら訳ありのご様子。

「いいじゃない! ダンナだって今ごろヨロシクやってんだもん!」

「……もしかして」

「さっきの素敵な出会い云々って、マジなん?」

 双子のジト目に祐希が答える。

「飲み会のたびにいい人がいないか探して、もう大変なんですよ~」

「……楓さん、素面だよね?」

「それだけ切実なんちゃう?」

「そういう問題か?」

 隼人たちの鳩首談合をよそに、楓と祐希のにらみ合いが始まった。

「楓さんは不誠実すぎます!」と祐希が口火を切る。

 楓は余裕の表情で受けて立つ。

「ユウちゃんがね、硬すぎるの」

「そんなだから、いつまでたっても"いいお友達"以下なのよ」

「あたしはそれでいいんです!」

「へー、いいんだ?」と楓の口がへの字に歪む。

「こないだ酔っ払って『鋼鉄の処女卒業した~い!』て叫んでなかったっけ?」

「なにさらっと暴露してんですかぁ!」

 祐希の顔は真っ赤だ。

「あのね、ユウちゃん。実はそれ、大したイベントじゃないのよ?」

「それもう散々聞きました! ていうか、よく人前でそんなことさらっと言えますね?!」

「べっつにぃ。だって女子しかいないじゃん。女子高もこんな感じだったんでしょ?」

「そりゃそうですけど! でも、だからってツツシミってもんがないんですか?」

「あのー、ちょっといいすか?」

 隼人は手を軽く上げた。

「俺、女子じゃないんすけど……」

「……!」

 エンデュミオール辞めたら、この辱めも終わるんだろうか?

 なんだか泣きたくなって生ジョッキを煽る隼人に慰めのつもりか、理佐と優菜が肩に手を置いてくれたがうれしくない。

 会長にもし逢えたら、どういう理屈でこうなるのか、ていうか、なんとかならないか聞いてみよう。

 そう心に誓う隼人であった。


4.


 楓の騒ぎがひと段落して、さすがにプライベートの話はしづらくなり、話題は自然と先日の大苦戦の話になった。

 だが、そもそもあの戦場での立ち位置がそれぞれ違うし、敵に倒されて退場した時間もまちまち。ゆえに話がどうにもかみ合わない。というわけで――

「おじゃましまーす……」

 祐希がちょっとおっかなびっくり、隼人の部屋に上がってきた。居酒屋から一番近い場所だったこと、プラス、『ユウちゃん、いい機会だから男子の部屋を訪問してみよう!』というるいの思いつきでここが選定されたのだ。

 もちろん、『片付ける時間をくれ』と隼人は要求した。が、持ち時間を巡るるいとの交渉に、真紀がるい側で参戦。怒涛の値切り(?)攻勢で、10分しか認められなかった。

 居酒屋から飛んで帰って片付けることしばらく、隼人はあることに気付いた。

「いかん……! あれをどこかに移さないと!」

 あれ。それは、ネットでいろいろ捗るようになったとはいえ、いまだ男子の必須アイテム。そう、エッチな書籍類である。この間部屋を離れた隙に、千早と圭にガサ入れされて大騒動になってしまった。その悪夢が隼人の脳裏に蘇ったのだ。

 優菜が茹でダコ状態で倒れてしまったということは、今回の"鋼鉄の処女"は……

「やばい。やばいな、うん」

 キレて変身した祐希に、黒焦げにされる未来が見える。

 とはいうものの、とっさにいい隠し場所など思いつくはずもない。

「ああもう、俺ってほんとこーゆー時に機転が利かないよな!」

 などと自分自身に愚痴りながら、何とかブツをとある場所に押し込んだところでタイムアップ。祐希の御入来につながるわけだ。

「うわー……」

 ファースト・インプレッションがそれ?

「あれ? 意外と片付いてないじゃん」

 るいが不思議そう。隼人の胸は、早速バクバクし始めた。

「お前ってほんと片付け下手だよな」と優菜も首を傾げてる。

「そうかしら? 本棚のこの辺なんて、きれいなもんじゃない?」とは楓の評。

 双子が笑って、いらぬ補足を開始した。

「そこはですね、美人の妹が定期的にやってきて、いろいろお世話してくれたそのままの状態なだけかと」

「しかも義理のボインちゃんでっせ、奥さん!」

 祐希の横目が既に痛い。事情を良く知ってるはずの理佐まで、背中に不穏なオーラが見える。

「胸は関係ないだろ! 胸は! つか、なごみにまったく興味ないから!」

「興味は無いのに、お世話はさせてるんですか?」

 ジト目祐希のコメントがグサグサ突き刺さる。言外に"この人でなしが"と言われてるように感じるのは、隼人の被害妄想だろうか。

「つまり、体にしか用が無いってこと?」

「楓さん、もうちょっと言葉を選びましょうよ……ていうか、勝手に部屋の掃除をしにくるんですってば」

 隼人の抗議と弁明を聞き流しながら、るいがDVDが積んである場所からお目当てのものを探し出してセット。やがて、テレビに映し出された熱帯夜の戦場。皆自然にリビングのそこかしこに座って、映像に見入った。

「なんつーか、あの翼が飾りじゃないっていうのが一番の驚きだよな」

 そうつぶやく優菜の表情は、苦虫を噛み潰したよう。その表情の所以は、アンヌとかつての生活言語で会話を交わした記憶が蘇ったのか。それとも今しがた映像で流れた、両翼で受け流されたイエローの電撃を食らいそうになったからなのか。

「なーなー」と真紀が隼人のほうを向いた。

「隼人君がこのタイミングで出てくるけど、狙ってたわけやないよね?」

「もちろんだよ」と隼人はその時の成り行きを思い出して、顔をしかめた。

「倉庫街って今、警察がテープで封鎖してて、原付で入れないじゃん? だからちょっと手前のコンビニに置いて行こうとしたら、白川と偶然会っちゃってさ」

 まさかそのゼミ仲間の目の前で、封鎖された倉庫街のほうに走り去るわけにもいかず。おまけに気が急いていた隼人は白水晶まで手に持っていたため、それの適当な言い訳に時間を食っただけでなく、遠回りをせざるを得なかったのだ。

「ごめんな、るいちゃん。せっかく第2次攻撃のプランまで考えてくれてたのに」

「あ、ううん。気にしないで」

 そう言うるいは、真面目な表情で画面を見つめたまま。

(へえ、ああいう顔もするんだ)

 隼人がその真剣な面持ちに見とれていると、脇腹を思いっきりつねられた。理佐がにらんでくる。

「ちゃんと見てなさいよ! まったくもう」

 素直に謝って、隼人は映像に集中する。

「うわ、祐希ちゃん、痛そうやね」

「えー、でも、ほんと一瞬でしたよ? 『あ、なんか飛ばしてきた』って思ったらグサッときて、すぐ目の前が真っ暗になっちゃって」

 そこまで言って思い出したのだろう、ぶるっと祐希が震えた。

 美紀が缶ビールのふたを開けながらつぶやく。

「で、鳥人間登場、と」

「こいつ、なんで参戦してこなかったんだろうね?」

 楓がそのつぶやきに乗った。

「いやでも、光の球飛ばしてきましたよ?」と隼人が後頭部を思わずなでる。

 その仕草に理佐が笑った。

「治癒スキルで治ってるってば。実はそういう間接攻撃専門の人とか?」

「んー、でも終わりがけの動きを見てると、結構いい動きしてなかった?」

 るいは既にDVDを何度か見ていると言っていた。それゆえの感想を理佐に投げかけて、るいは返事を待たずにまた画面に見入る。

 その画面は、ブランシュとリッカがエペを攻め立てている場面へと移っていた。

「この時に決めたかったわね」

「ええ、長柄の武器なんて対戦経験無いと思ったんですけど、意外とうまく切り抜けられちゃって」

 楓と理佐、ともに唇を噛んで画面を見つめている。隼人は率直な疑問を楓にぶつけてみた。

「楓さん、あの、素人の疑問なんですけど、なんか窮屈そうじゃなかったですか? この時」

 楓は「あ? わかる?」と言うと、にっと笑った。

「そうなのよ。薙刀って、完全に1対1の時とか相手のほうが多い時は振り回せばいいんだけど、味方が近いと同士討ちしちゃうから小刻みな取り回ししかできなくって」

「その点、槍のほうが混戦向きやね」

「突けるからやね」

 ミキマキは買ってきた枝豆にご執心。もう一袋分の殻が皿にうず高く山を為していた。

「これ、すっごい痛かった!」

 るいが叫んだそのシーンは、彼女の太ももにエペの痛撃を食らったところ。その声に一同、「だよね……」と頷いていると、突如画面が真っ白に飛んだ。例の支援攻撃シーンだ。テレビのスピーカーを振るわせる落雷の音も激越で、これまた一同てんでに首をすくめたほど。

「しかしあれだな――」

 優菜はちょっと酔いが醒めたようだ。

「これでまだ立って攻撃できるんだから、美紀ちゃんはタフだよな」

「いやいや、電撃に耐性があっただけやし」

 と美紀が謙遜しているうちに、戦場にワゴンが乱入して走り去り、戦闘は終わった。

「運転してる人、見ました?」と祐希が美紀に問う。

「車内が暗くてよくわからへんかったけど、普通のオッサンやったで?」

「まあ、あんな羽生やして運転席に座れないやろうしな」

 真紀のツッコミに皆笑っている。

 DVDを、実は隼人も一度だけ見ていた。改めて皆と見返して、彼は思う。敵の、あのフランク人の見事な動きについて。

 『常に敵と1対1で戦い、包囲されない』

 宮本武蔵が吉岡一門と戦った時、貫いた鉄則がこれだったはずだ。敵は、まさにこれに忠実に動いていた。ブランシュとリッカの2人に挑まれたときも、出来る限り1対1になるように細かく位置取りを変更していた。

(いや、それだけじゃないな)

 前半は投射系スキルで支援攻撃に徹していた身として、隼人は感嘆していた。エペは相対したエンデュミオールに、まとわりつくという表現ができるほど近接していた。それは投射系や防御系のスキルを持たない武器強化系バルディオールからすれば当然の立ち回りなのだろうが、同時にブラックたちに投射系スキルでの援護射撃をしづらくしていた。

 理佐が双子の姉に水を向けた。

「真紀ちゃん、やっぱ釘バットじゃきつかったんじゃない?」

「ん? そうでもないで?」

 と真紀は笑う。隼人も含めて皆意外そうな表情を見せた。

「結果的に一番最初にやられてもうたけどな、収穫はあったんよ」

「何ですか? 収穫って」

 祐希はるいからの缶ビールを断って、ウーロン茶を選んでいる。心持ちふらふらしている気がする。

「最後の斬られる瞬間な、紅夜叉丸で受けたやろ?」

 紅夜叉丸が分からない北東京支部の2人に優菜が解説するのを待って、真紀は話を続けた。受ける瞬間、スキルで質量を最大に、つまり強度も最高にしてみたという。

「あれ、結構斬撃を鈍らせてたんやで? 最終的には斬られてもうたけど、うちの得物が金属やったらいけるんちゃうかな」

「そうそう、緑の人って、そうやって手近なものを盾代わりにできるからいいよね」

 楓がそう言うと、ぽつりとつぶやいた。

「やっぱ、自由に動かれ過ぎだね、今回は」

「ええ」と同意するるいの表情は悲しげだが、目は強い光を持っている。

「上に逃げられちゃうのはともかく、水平移動をすこしでも封じ込めないとだめですよね……あ、隼人くーん」

「ん? なに?」

「お酒無くなっちゃった!」

 るいが持ち上げて振るコンビニの袋はもう空っぽである。

「るいさん、もう飲んじゃったんですか?」と祐希が目を丸くした。

「ごめん、うちも酒切らしてて。今月ぎりぎりだから、さ」

 後期の授業料納付のため、生活費は切り詰めねばならないのだ。

「仕方が無いわね、わたしが行って来るわよ」と理佐が腰を上げかけたが、

「隼人君が買ってきたお酒が、飲みたいな~?」とくねくねする天邪鬼。

 なぜ俺、と言いかけて隼人は気付いた。

(そうか、俺を買い出しに行かせて、ガサいれする気だな?)

 ならば。

(隠し場所は変えたから、むしろ逆に前回の場所を探させて不首尾に終わらせたほうが、話が早いな)

 まさか隼人が戻ってきた時に『エッチな本の隠し場所、変えたの?』とは聞いてくるまい。そう思った隼人はヤレヤレ顔で引き受け、近くのコンビニへと向かった。

 あまり時間をかけると、余計なところまで探されかねない。隼人は早々に買い物を済ませると、自宅へと向かったのだが。

「しまった、やっぱ原付で来りゃよかった……」

 飲酒運転はよくないと徒歩で来たが、やはり液体物は慮外の重さ。これでもエンデュミオールになる前に比べたら、より重いものが持てるようにはなったのだが。

 想定外に時間がかかって、隼人は部屋の前までたどり着いた。両手がふさがっているため玄関を開けてくれと室内に呼びかけるも、応答なし。

「しようがねぇなぁ」

 片手の荷物を下ろして玄関を開け、中に踏み込む。リビングへと帰還した隼人は、目の前の光景に思わず手荷物を床に落としてしまった。

 優菜が、ヘッドフォン――もちろん隼人のもの――をしっかり装着してテレビを見ている。というか、自分の背後からの情報を遮断するように画面にかじりついている。

 その背後、残りの女子たちは、手に手に書籍を取って眺めていた。そう、隼人が隠したはずの――

「な、なんでそれ……」

「あ、エロにーやん、おかえり~」

 天邪鬼の満面の笑みでのお迎えも、全然うれしくない。楓が申し訳なさそうに切り出した。

「ごめんね、隼人君。私がちょーっと余計な気を回したせいで、見つかっちゃったの」

 るいとミキマキは、やはり前回と同じ場所を探したが見つけられなかったらしい。他にないかと探し回るうち、楓が目を留めたのは溜まった洗濯物。そこで何故か楓の人妻スキルが発動したらしく、洗濯しようと籠の内容物を洗濯機に放り込んだら……

「男の人って……」と祐希がぼそり。

「なんでしょう?」

 隼人は身構える。というか、既にザリガニのごとく全速後退の構えで腰が引けてる。

「24時間こんなこと考えてるんですね。女の子見るたびにこんなことしたくなるんですね」

 隼人は即答。

「んなこたぁない」

 そういうケダモノみたいな奴もいるだろうけどさ。

「というわけで、そろそろ返してもらえませんかね、それ」

 隼人はおずおずと切り出した。だが、るいやミキマキはもとより、理佐も無言でパラパラと流し読みしてるし、鬼の形相をした祐希すら、なにやらブツブツつぶやきながらエロ漫画を食い入るように読み込んでいる。

「よし、分かった!」

「あ、じゃあ返して――」

「隼人君?」

 楓の目の潤みに嫌な予感を覚える隼人。彼女は手持ちのエロ漫画の中身を指差しだした。

「コレとコレは無理だけど、コレとコレとコレなら、おねーさんはご要望にお答えできるわよ?」

「いや、ですから――」

 るい参戦。

「るいはコレかな。痛そうなのはちょっとあれだし。理佐は?」

「わたしに振るな!」

 怒り出した理佐が、るいに漫画を投げ付けた。それを合図にリビングはエロ漫画やグラビアが乱れ飛ぶ戦場と化し、隼人は回収に大わらわ。と、彼の手を逃れた1冊が、優菜の頭上を越えて彼女の前に落ちた。

 ゆっくり、ゆっくり、優菜が振り向く。一渡り睥睨すると、優菜は落ちていたグラビアを手に取り、隼人に手渡した。そしてまた、ゆっくり、ゆっくり元の姿勢に戻る。

(怖い……)

((優菜ちゃん、めっちゃ怒ってるがな))

(隼人君、ここは責任取って、ハグハグしたげ? な?)

(……俺に死ねとおっしゃる?)

「あ、洗濯終わった」

 洗面所からの電子音と、楓の手がパチンと打ち鳴らされたのを潮に、取り合えず皆我に返って場の収拾を始めた。

「あ! わたしがやりますから!」

 鼻歌交じりに洗面所に向かう楓の姿を見て、慌てて理佐が後を追う。隼人はとりあえず回収したブツを本棚に平積みにすると、ほっと息を吐く。

「「はーやとくん」」

 ぴと、と双子が背中に張り付いてくる。ついでに祐希の視線も背中に突き刺さってる、気がする。

「今度、よろしくね」

 美紀もしくは真紀の囁きに、隼人は頷いた。そういえば、ダブルデートだったな。

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