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キチンとチキン

作者: momoko

彼は、北京ダックだった。


梅田スカイビルに一緒に登りにいった時、彼は自分が高所恐怖症であることをその時に知り、彼女である私をその危険な場所に置いて帰ろうとした。

その事については反省したらしく、子供もいない公園で、一人、ブランコを盛大にこいでると「危ないよー」とは言ってくれた。でも、ぶんぶんこいで手を離し彼の元へととぼうとすると逃げられる。


「……あのさーなんで彼女が舞い降りてこようとしてるのに逃げるの……」

「二人とも怪我するより、一人……あ、嘘」

「最低か!あんたは『自分か彼女、どっちか死ぬ』って言われたら彼女を選ぶだろ!」

「俺が抱えようとしなかったから、二人とも無事だったろ!お前は細胞壁ついてるから死なないって」

「この糞へたれ糞男!」

「この心臓剛毛女!」

「彼女に『剛毛』って言うな!」


周りから『肉食系女子』と見られてしまうのは完全に彼のせいだった。こんなチキンな彼だから、山はマダニ、海はクラゲ(もしくはサメ)、などなどいろいろな理由の下でデートは神社、古墳などに限られていた。


この日、12月24日は奈良公園でのデートの日だった。鹿は悠々と闊歩している中、彼はいちいち糞をチェックして小刻みにと歩を進めて、


「ほらほらトナカイっぽいじゃん」


と、下をむいて言う。


「宗教全然ちがうけどね」

「いいの。俺は、神道もキリスト教も大まかに信じてるから」

「あんたらしいわ、困った時には皆にすがりたいのね。」


鹿せんべいをもらい、よってきた鹿にそれをやっていると、私たちもお腹が減ってきた。


「ぜんざい食おう」

「あ、カップル円満のご利益、知ってるんだ。」


たまさか見つけた甘味処に入る。

古都のそれも、西洋風のものとは違った洒落っ気があるのは言うまでもない。そしてこのあたりは特に葛餅が美味しいので有名だ。けれど、彼の言うとおり店員の来るなりぜんざいを二つ頼む。


ややあって、店員はぜんざいを二つ運んできてくれた。


「……あんたと長くいたら、早死にしそうでやだわー」

「……どういう意味だよ」

「そういう意味。私があんたをお姫様抱っこしてえっさほいさしてるうちにしんどくなって死んじゃう、そしてあんたは寝たままそのうち死んでるっていう。否定できないでしょ?」


すると、手を組みしたり顔で


「お嬢さん、そいつはちがうぜ」

「……何が?」


自信ありげなため、少し期待する。


「いろんな神様を呼んで、お前を生き返らせるからさ」


……ガクッとする。


「……死んだ後まで面倒見れと!ホントに、あんたって人は!」

「うん。だからよろしく。」


一瞬、キチンとしたチキンのその自信ありげな面、されどチキンチキンとした肌には変わらずある。まだチキチキとしたっている彼を私はチン、とするのだった。

どうもー今から寝ますー^ ^

奈良県、好きすぎですね↑

受験が終わったら、もう少し鹿さんや歴史を絡めて書きたい。

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