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眠れる美少女

不倫の果ての自殺だと聞いたベッドの上に横たわる女性は、まるで眠っているかのようだった。いや、それにしては……?


のっけからメチャクチャ短いですが、他はもうちょっと長いです。

 不倫の果ての自殺だと聞いた。



 ベッドの上に横たわる女性は、まるで眠っているかのようだった。

 茶色のショートカット、年齢は二十代前半……と報告では聞いていたが、まだ高校生でも通用しそうなだった。

 それに美人だ。

 化粧っ気はないが端整な顔立ちをしている。

 まあ、睡眠薬で自殺するのに、化粧は必要ないか。

 いやいや、昨今の女性なら分からないぞ。

 ……とはいえ、とにかくちょっとこの死体には不自然な点がある。

 まず、ホテルの一室だというのに、その場に不釣り合いな紺色の繋ぎを来ている。とても政治家の愛人には見えない。

 そして、睡眠薬自殺にしては、近くにクスリがない。

 うむむ、これは一体どういう事か。

 などと狭山(さやま)警部が唸っていると、顔馴染みの中年鑑識官である藤井寺(ふじいでら)吾郎(ごろう)がユニットバスから出てきた。

 無精ひげを撫でながら、申し訳なさそうに頭を下げる。


「すみません、そいつうちの新人の和泉(いずみ)(れい)です。初仕事で真っ赤な風呂見て気絶しちまったんですよ。あ、死体は風呂場で手首切ってます」

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