迷宮生活21日目その二
新年度やら肺炎やら・・・いや、言い訳はすまい。
更新遅れて申し訳ない。
「さあ、夜明けまではまだ余裕がある。羊頭君だけでも休んではどうだい?」
と、ブランが提案して来た。
「ブラン達はいいのか?」
と、俺は問い返す。するとブランは、
「僕らはそれほど疲れていないし、あまり寝なくても十分回復出来るんだ。」
と、ちらとニーファを見た。
「ニーファのお陰でね。」
俺が言葉の意味を計りかねていると、ニーファは頷く。
「私は理力に干渉し、調える術に長けています。よろしければ羊頭さんの流れも調えてさしあげますが?」
如何でしょう?と問う彼女に続けて、ブランも話しだす。
「そうした方がいいと思うね。みたところ羊頭君の理力流は絡まった毛糸玉みたいに乱れている。もしかしたら、いや、おそらく法術が使えないのもそのせいだと思うし、何よりツカレが取れる。」
ツカレ?疲れと憑かれにダブって聞こえた。
ふむ・・・と俺は考える。良くはわからないが、俺の理力流は乱れている。ということは普通は乱れていない?
「・・・理力流が乱れる原因ってなんだ?」
と俺が問うと、ブランは少し笑う。
「どうした?」
「いや・・・気を悪くしないでくれよ?」
「ああ。」
と、俺は返した。ニーファは咎めるような目でブランを見ているが、ブランは気にせず続けた。
「こんなことを言うのもなんだが、羊頭君は子供みたいだなと思ってね。」
むっいきなり何を言うんだ。
「何がだ?」
子供じみていると言われた俺は少し苛立つ。
「いや、本当に悪い意味じゃない・・・ただ、羊頭君は分からないことや疑問に思ったことがあったら直ぐに聞いてくるなと思ってね。」
そういえば・・・そうかもしれない。理力に関して門外漢の俺は聞けることは聞いておこうと言う姿勢でいた。もしかしたら、それが彼等には「なぜなぜどうして?」と際限無く疑問を投げかける子供のように見えたのかもしれない。
「・・・迷惑なら止めるようにするが。」
と、やや気落ちした俺は答えるが、ブランはとんでもないと返した。
「むしろどんどん聞いて欲しいね。ほら、最近は分からないのに聞かない子も多くて困ってるんだ。羊頭君を見習って欲しいよ。」
そう言うとブランはにかっと笑った。
「この前ベテランの術士が突然術が使えなくなった!原因が分からない!って大騒ぎしたことがあったんだ。どうしてだと思う?」
と、ブランは俺に問うてきた。
「一時的なスランプ・・・精神的な乱れとかか?」
ベテランの術師・・・なら大抵の原因は調べるはずだ。だのに分からないというのは?
「そういう例もあるだろうけど、実はね・・・”彼女”は妊娠していたんだなこれが。」
「妊娠?」
・・・術師の術がと聞いた俺は、原因が術関連に囚われ過ぎていたかもしれないと少し反省する。
「体の中に異なる命が生まれているのです。理力の流れも当然これまでとは変わってくることになります。」
「そういうものなのか?」
と、俺は問うと、
「そういうものなのさ。」
と、ブランは返す。
「理力流が乱れる原因は様々で私達も把握仕切れてはいません。迷宮に居るだけで乱れてしまう人も居ますし、逆に良くなる人も居ます。法術にも一時的あるいは永続的に流れを乱すものもあります。体調によっても変わりますし。大低は自然と良くなりますが、乱れた状態で固定化してしまうこともありますね。」
乱れた状態で固定化・・・
「俺の状態もそうだと?」
「多分・・・ね。正直言って羊頭君の状態は特殊過ぎて何とも言えないね。普通、理力の流れはその生き物の状態を反映するんだ。だのに・・・何故そこまで平気で居られるのか不思議だね。」
・・・生体検査の値がめちゃくちゃな状態なのに、なぜか元気に過ごしていると言ったところか?
「理力に全く感受性がないか、或は一見乱れて居るものの内部では釣り合って打ち消しているのか・・・」
感受性がないって言うのはちょっと悲しいが・・・釣り合っているっていうのは?
「なら調えるのは良くないんじゃないか?」
微妙なバランスで釣り合っている物ならば、下手に手を加えてしまうと全体が一気に瓦解してしまうかもしれない。
「あるいはそうかもしれません。」
と、ニーファが答える。俺はニーファの顔から何かしら読み取れるものは無いかと観察したが、よく分からなかった。
「しかし、それでも普通に考えて今の羊頭君の状態が悪いことは確かだ。今は大丈夫でもいつ影響が出るか分からないし、影響が出だしてからでは遅いしね。下手に弄るのは危険だけど・・・もしかしたら傷が硬化してしまう原因もそこにあるのかもしれないし・・・あるいは何者かの呪術によってそうなっているのかもしれない。」
硬化の原因も理力流の乱れのせい?いや・・・あくまで可能性だ。呪い・・・これまでであった化け物どもには適切な倒し方があったのかもしれないが、俺はそんなことお構いなしに行動していた。殺す間際とか、死んだ後に発動するような術があったのかもしれない。それにこの迷宮だ・・・俺の気付かない間にそういうタイプのトラップとかに引っかかっているかもしれない。
「放っておいてもいいかもしれないが、いつ爆弾が爆発するか分からない・・・弄ると爆発するかもしれないが、もしかしたらいろいろ一気に解決するかもってところか・・・」
考えてもきりがない・・・か。
両手を顔の前で組んで纏まらない考えを弄んでいた俺は顔を上げ、二人と視界の端のリフリスを見る。
「お願いしよう・・・」
俺の決心に二人は頷く。
「だがひとつ聞いていいか?」
「何だい?」
と、俺の問いかけにブランが答える。
「俺の理力流とやらがこんなことになっているのに、なぜリフリスはそれを指摘しなかったんだ?」
・・・そういう問いかけにブランはやや苦い困ったような顔をした。
リフリスはよく眠っている。ブランはリフリスを傍目に見ながらつぶやいた。
「・・・初めから飛べる者はもがいてやっと飛べるようになった者の苦労が分からないものなのさ。」
「・・・」
理力流が乱れているという根本的な原因にまで考えが及ばなかった・・・いや、そもそも乱れを持つような術師をあまり知らない?っていうかリフリスって何者なんだろうか?
改めて俺の小さな同行者に考えを広げていると、その隣でニーファはすでに準備が出来ていたようで、杖やら何やらを手際よく並べてゆく。
「では、始めますので何か気分が悪くなったりした場合はすぐに仰って下さい。」
「ああ。分かった。」
理力流の調整とはどんなものかと思う間もなく、ニーファの杖が光った途端、俺の意識は途絶えた。
「おはようございます羊さん。」
と、もうすっかり明るくなった迷宮の天井に照らされて、緑の光を映す髪のリフリスが呼びかけた。
「ああ。おはよう。」
ゆさゆさと揺らされて、反射的に答えるが、まだ俺の意識はまだ片足分だけ夢の泥の中にいた。
―ハイエルフめ・・・余計なことを―
真っ白な空間、俺の背後には意識するだにおぞましい威圧感が控えている。その俺の目の前に、どこかで見たような漆黒のフード、その体から吹き出すように揺らめく黒い影を纏った何者かが立っていた。
―折角貼り付けた塵を洗い流そうとするとは・・・―
何者かは黒いインクを含ませた筆を水槽に入れたように、白い空間の下に向かって一筋の影を流している。俺は意識がはっきりしない。その状態をただ眺めるだけで言葉を発しようとかそういう気すら起こらないのだ。
―ただ、アークエルフの施した乱れが除かれたお蔭でこうして干渉できる・・・何が幸いするかは分からないか―
何者かが手をこちらに向けると、延々と底のない下に向かって垂れ流されていた黒い影の奔流が俺に向かって向きを変え、流れ出した。
―早くそこを出て私の願いを叶えに来い・・・やっと掴んだ・・・希望なのだ―
何者かの黒い影が俺に纏わりつくにつれ、俺の意識はだんだんとはっきりしてきた。ざわざわと肌に砂粒がぶつかるような感覚が、そしてそれは次第に細かな棘を、針を突き刺すような感覚へと変わっていく。今までこの痛みはずっと俺を苛んでいたのに、今この瞬間までただ忘れていただけだ、この責苦から目を背けていただけだというように!苦しい!熱い!影は目から鼻から口から耳から、あるいは全身の汗腺から俺の中に無理やり捻じ込まれてくる。
意識ははっきりしてくる。そしてあの存在の気配は次第に薄れて・・・
「羊さん?しっかりしてくださいよ。」
!?夢・・・いや、フラッシュバックか?何にしても変な夢だ。
「あ、ああ。」
もう、大丈夫ですか?と、困ったように俺の脇に座るリフリスが話しかける。
俺も頭のスイッチが切り替わるようにはっきりした意識を取り戻した。夢の中のことは夢の中でしか思い出せない。しかし、それに別に支障はあるだろうか?夢はどこまで行っても現実には影響しないものだ。その垣根が崩れない限り、どんな悪夢も無害に終わる。
ああ、大丈夫だと俺は答えてよっこらせと左手をうまく使って起き上った。
「ふあああ・・・」
と、俺は一つ大きく欠伸をする。久しぶりによく寝た。体の隅々まではっきりとした命の流れを感じる。朝支度を済ませたブランとニーファが俺に声をかけた来た。
「や、気分はどうだい?」
と、目覚めた俺にブランが問いかける。
「おはよう。なかなか・・・悪くない。これも理力流の調律のお蔭か?」
片手を胸に当てたニーファが一歩こちらに近づこうとする。その隣でブランは俺に向かって歩いてきた。
「ふむ・・・実のところあまり乱れが解消できたという訳じゃないんだけど。感じ方には個人差もあるしね。」
じっと俺を観察しながら、ブランが話す。
「爆弾は結局取れなかったのか?」
と、俺はリフリスには聞こえないように一番気になっていることを尋ねた。
「ええ。申し訳ありませんが・・・解呪を少しと表面的な部分を調えるにとどめました。」
と、ニーファが申し訳なさそうに答えた。
「いや、いいよ。ありがとう。気分はだいぶ良くなったし、それで満足だ。」
と、俺は頷く。体の調子は本当にだいぶ軽い。それに、周囲の気配も心なしか以前より明瞭に分かるような気がした。
「それに、爆弾の方もまだ本当に害のある物かどうかわからないんだし。これまで結構無茶をしても大丈夫だったんだ。大丈夫さ。」
「いや、こちらの力不足だがそう言ってくれるとありがたい。」
と、ブランは答えた。俺は笑う。
すると、俺たち三人だけで盛り上がっているのが気に食わないのか、リフリスが割り込んできた。
「むーっ!羊さんばかり話をして。何の話か分からないですよ!」
と、ぷりぷり怒るリフリスに道中説明をしながら、ブランとニーファに連れられた俺たちはとりあえず迷宮の出口へと進んでいった。
「そんな根本的なところから!?・・・羊さん、気付かなくってごめんなさい。」
己の間違いに気付いたらしいリフリスが謝るのを俺は気にしていないと軽く返す。
何より俺は上機嫌だった。
「でもなんだか拍子抜けだよな。」
と、俺は手にした黒いポシェットに視線を落とす。
「まあ、やってみればそんなものだったりするものさ。」
と、ブランは答える。
俺の手の中には細かい細工が施された銀色のプレートが握られていた。
ペトリャスカの識別票―ギルドカード―だ。
なんだかんだあったが、軽い休憩の間にふと思い立った俺は、遂に”開錠の法術”に成功したのだった。
「そんなもんなのかな。」
じっと黒いポシェットを見つめ、集中する。肌の感覚、色、匂い、音・・・世界に溶けてゆくような感覚と、それでいて確固とした自分を意識する。すると、不思議なことだが、黒いポシェットの”息遣い”が分かってくる。
心臓とかはないはずだが、ポシェットからは確かな鼓動が感じられる。俺は感覚の海の中でポシェットと一体化する。ポシェットは俺で俺の一部だ。すると、回路に電気を流すように、真っ黒な迷路に蛍光塗料を流すように、”鍵”の仕組みが手に取るようにわかる。
実際にこの”鍵”の機構が存在するわけではないようだが、理力的、法術的なつながりによって鍵の仕組みが出来ているようだった。
俺は碁盤、あるいは将棋台、もしくはチェスボードの向こう側に、俺を試す紫電を帯びた存在を幻視する。
「・・・」
ルールは分からないそのボードゲームを俺はハッキリとは見えないが、何かしらの・・・迷宮であった存在に例えるならあの黒鎧竜と同じような気配を発する何かとゲームをプレイしてゆく。
・・・程なくして、俺は勝ったらしかった。勝負の内容は、駆け引きというより導かれていると言った方が正しいのかもしれなかったが。先代からの推薦もあって見込み合格・・・という訳だろうか?
目を見開いた俺は指を動かすように、それが当然とばかりにポシェットの閂を回す。傍から見たらポシェットのつまみが勝手に回ったように見えるかもしれないが、俺は理力的な繋がりを介して初めて意識的にモノを動かすことに成功したのだった。
「そういうことなら、僕らは何も文句は無いよ。」
上機嫌で鍵を開け閉めする俺の傍で、リフリスが俺が見つけてきた識別票―ギルドカード―の報酬についてブラン、ニーファと話していた。俺とリフリスの間では元々、リフリスが法術を教える代わりに俺が拾ってきたギルドカードの報告報酬、つまりは行方不明の冒険者の安否報告の代金を折半することになっていた。
傍で聞いている話によると、おそらくは帝国貴族らしいペトリャスカの捜索依頼は金貨5枚分だったという話だ。残りの19枚も結構な深層まで行ったとあってなかなかの報酬が出るそうだ。
かなり時間が経っているものもあるため、ギルドから報酬が出ないものもある。その一方で比較的最近のものはギルド以外にも遺族からの報酬が加算されるらしい。なんでも、識別票―ギルドカード―が遺族の手元に戻れば、死した冒険者が掛けていた結構な額の保険金が下りるらしかった。普通の冒険者は保険を掛けるまで稼ぐことはないが、あの場所に来ることが出来る程度の冒険者は迷宮に潜っても黒字収支を出せるほどの者たちだったということか。
また、古すぎるカードでも、それなりに有名な冒険家のカードはその筋のコレクターが高く買い取ってくれるそうだ。
で、ここが肝心なところで、これらの識別票―ギルドカード―の所有権は当然ヒイヒイ言いながら拾ってきた俺にある訳だ。そこでさっきの約束の話になると、結局のところ俺に法術を教えたのは誰かということになる。
俺は別にリフリスに払う報酬を渋るつもりは毛頭ない。出会いはどうあれ、謎の硬化の呪いに掛かって無残な姿になっている俺と短い間だったが旅をしてくれたことにはむしろ感謝しているぐらいだ。
しかし、リフリスの方はそうもいかないらしい。リフリスとしては自分の指導だけで俺に法術を使えるようにしたかったらしい。まあそういう意地っ張りなところは子供らしいと言えばらしいが、自信満々に指導していた彼女にとって、理力流の乱れという根本的なことを他人に指摘され、あまつさえそれを寝ている間に根本的ではないにしろ解消されてしまったというのがショックというかなんというか。自分だけ報酬をもらうのは納得はできない。けれどお金は欲しいわけで・・・と、誇りと欲の間で板挟み状態だったという訳だ。
結局のところブランとニーファは報酬はいらないということらしいので、当初の約束通り賞金は俺とリフリスで折半だ。
「昨日会ったとこなのにいろいろ迷惑をかけてすまんな。」
と、俺はブランに礼を言う。
「その当たりはお互い様だね。」
と、ブランは答えた。
識別票―ギルドカード―の換金も彼らが連合公国国定ギルドの名を使ってくれるということで、何にするにしても紹介が必要な表世界に出た時には彼ら”ミストタイガー猟友会改めドラゴンスレイヤー”の世話になることが多そうだと俺は思った。
しばらくすると、ついに出口が見えてきた。いくつかの品物を黒いポシェットにしまったおかげか、幾分か体は軽い。
ポシェットに入った質量は消えるわけではなく、理力的な繋がりを通して地面には届いているらしかった。要するに、ポシェットは空中にあるが、力学的には地面に直接ポシェットを置いている。
要はカートに載せているのと同じようなことになっているらしかった。慣性は消えていないが、そういう意味では無重量、宇宙にもっていったのと同じような感じだ。
ただ、質量はともかく大きさはどうなっているのか皆目見当もつかない。大猪の肋骨は所々欠けているとはいえ相当な大きさのはずだが、なぜかすっぽりと入ってしまう原理は分からなかった。
多分、今の俺には理解不能な術、あるいはそういう仕組みがあるのだろう・・・
そう考えながら、顔を上げた俺ははるかにそびえる扉を見据える。
俺から見て大分遠くのはずだが、それでも迷宮の門がその威容を見せつけている。あれも俺の理解の及ばない仕組みの塊なのだろうか?
巨大な観音開きの扉はほとんど閉まっていると言っても良かった。その隙間は僅かで、その足元には人だかりができているらしかった。
俺はブランとニーファの方をちらりと見る。
彼らが警告して回ったにもかかわらず、迷宮から逃げ遅れた冒険者たちが扉の前で渋滞しているらしかった。
「まずいな・・・ほとんど閉まりかかってる。」
と、ブランが呟く。
「もしも暴動になっていたとしたら・・・羊頭君は隠れておいた方がいいかもしれない」
「そうですね・・・悪い意味で目立ちますし。」
と、俺を見るブランにニーファも答えた。
出口近くは鬱蒼とした森は切り開かれ、緑の下草も人の歩みに削られ、広場のようになっている。天井や壁は依然として堅牢さを保っているが、人の手が入っているのか草木が壁面を這ってはいない。
そして・・・出口だ。重厚で巨大な扉の向こうに僅かだが外の街並みが見える。
外の景色を見た瞬間、俺の帰りたいという気持ちが噴出してきた。それとともに、僅かずつ、ほんの僅かずつだが今でも閉まり続けている扉に恐怖を覚えずにはいられなかった。
「俺だって早く出たいんだ。混乱に乗じて外へ出るなら逆に目立たないんじゃないか?」
そして、俺は二人の意見に反対した。せっかくここまで来たんだ。ここに留まっているのはマズイ気がする・・・さっさと抜けてしまいたい。俺は心の底から速く速くと突き上げてくる衝動に耐えきれなくなってきていた。
「そうですよ。サッと抜けてしまった方が賢いです。羊さんだけを置いていくなんて出来ません。」
と、リフリスは俺の意見に賛同してくれた。
ブランとニーファは少し迷いを見せる。暴動が起きている中をまっすぐに突っ切るのは素人考えでも危険だ。だが、扉がいつまでも開いているとも限らない。閉じかけているなら・・・前みたいに開くことが出来るかもしれないが、保証はないしな。
行ける内に行ってしまう方がいいと俺は思った。
「入口は少々混乱しているようです。急ぎましょう。」
「暴動が起きているなら攻撃される心配もある。気を付けておくんだ。」
と言うニーファとブランの言葉に従って、俺達四人は駆けだした。
一人称ベースだと天の声が使えないので今更ながら難しい書き方をしたと、しかし、死んでもSideサイドには落ちまいと後悔しつつ過ごしています。




