公国の異常な戦略 いかにして討伐するのをやめ山賊を以下略
主人公が初めて戦うことになる山賊についてのお話です。
「ところで殿下近衛旅団の士官と言われましても私はなにをすればよろしいのでしょうか?」
俺はそこの王子に尋ねた。
「なにって兵隊率いて山賊を狩ればいいんだよ、後殿下なんて堅苦しい呼び方なんてしないでいいハインツとよんでくれ。」
ハインツ、そう答えた。
「あの、ハインツ王子私が聞きたいのはもっとこう具体的な兵の運用方法とかです先にも述べたとおり軍事には素人でして。」
「大丈夫だ安心しろ相手の山賊もほかの近衛旅団の人もきちんとした軍事教育を受けた者はいないからな、後王子もいらないハインツと呼び捨てでいいんだそもそも亮君のほうが年上だろ。」
うん?この人今変なことと言わなかったか?近衛旅団にもきちんとした軍事教育を受けた者はいないて?
「あの、ハインツさん山賊はともかくなぜ王子直属の近衛旅団にきちんと軍事教育を受けた人がいないのですか?」
「それについては私が説明します。」
ここでハンスが口を開いた。
「元来近衛旅団とは王子を守るために組織されたものです、しかしこの国の内情はおおむね安定しておりそして近年ブリダロス王国の伸長に警戒するため国境沿いに兵が集められていますそのため存在意義の薄い近衛旅団から優秀な兵士が引き抜かれ後は数合わせ程度の人材が残されたというわけです。」
「そうなのですか所でブリダロスは今戦争中なのではありませんでしたか?」
「そうなのだが今のところその戦争はブリダロスが押しつつある今年中はともかく来年には終結するかもしれません、もしそうなったら彼らは、わが国に矛先を向けかねませんからね。」
ふむそうなのかこの国もいろいろ大変なのだなて、あれ俺巻き込まれてないか?
「それにしても山賊ってどれぐらいいるんですか三十人ぐらいですか?」
山賊といっても大した数はいないだろう治安いいって言っていたし。
「ざっと千人てところですかね。」
「それなんて反乱軍どう考えても山賊じゃないでしょう、ハンスさんこの国思いっきりカオスじゃないですかそもそもなんでそんな数の山賊を放置しているのですか?」
俺は若干呆れながらも聞いてみた。
「その、何と言いますか、彼らは山賊と言っていいのかどうか悩ましい存在なんですよね。」
ハンスが少し戸惑いながら答える。
「もしかして待遇に不満を持つ傭兵崩れだとか、悪徳貴族が軍閥化したとかですか?」
「いいえ違います彼らは、山賊と名乗ってはいるのですが略奪はしないし通行料は良心的むしろ護衛までしてくれるので市民は特に不満を持っていないのですよ、ショバ代も高くなくトラブルにはすぐに駆けつけるので領主なんかより頼りになると言う人さえいます。・・・正直彼らを討伐するための軍を派遣するよりそのまま放置したほうが安くつくので。」
なんだいい人たちなのかじゃあなんで討伐するんだろうか?
「だってやつら税金払っていないだろうそんな連中はしっかり叩き潰さないとちゃんと税金おさめてる国民に悪いしなにより山賊を野放しでは国の威信にかかわるだろ。」
ハインツ王子が俺の疑問に答えてくれた。
「それに奴らをうまく戦力に取り込めたらなかなか面白そうじゃないか。」
ハインツ王子は少しニヤつきながら言ったきっと善からぬことを考えているのだろう
「というわけで二人には山賊退治に出向いてもらう、健闘を祈るぞ。」
まったく俺はとんでもないことに巻き込まれてしまったようだ。