謁見と越権
ようやく主人公が軍人になります。
駄文ですが宜しくお願いします。
翌朝、バタバタと人が走り回る音で目が覚めた。
ケータイの時計は、2時半寝たのはこの時計がだいたい8時を指していた時だから6時間は寝た事になる。
それにしても、何事だろうか?
そう思いながらドアをあけると。
「お兄ちゃん、なんでもっと早く起こしてくれなかったのよ。」
「ちゃんと起こそうとしたぞ、それなのにもう少しもう少しと寝たのはお前じゃないか。」
「あーもう良いよ行ってきます。」
どうやら何処の世界でもこの手のやり取りは
あるらしい。
まあ早寝早起きが特技とも言える俺には、余りなじみの無いやり取りなのだが。
「おや、起こしてしまいましたか。」
「いえ、大丈夫ですよそれにしても謁見ってそう簡単出来る物なのでしょうか?」
「ええ、今の所内政は、現宰相のヨーゼフ・フォン・グライム伯爵が取り仕切っており軍
事においては、アルバート・フォン・アイヒマン元帥が防御を固めていますしそれに外交においては、東のロスカーナ帝国とは同盟関係にあり南方のポーラル連邦とは、そこそこ
友好的な関係が築けていますし敵対関係にあるブリダロス王国も他国と戦争状態にあり、
暫くは攻め来ないと言われています つまり公王陛下は、今の所お暇なのですよ。」
「そうなのですか、ところで謁見は、いつ行われるのでしょうか?」
「確か10時からです、今はまだ7時半を過ぎた所ですのでまだ大丈夫ですよ。」
そういうとハンスは、時計のような物を指差
した それは、こちらの世界の時計と殆ど似たような物だが、一周12時間ではなく24時間になっていた 、恐らく午前午後の概念がないのだろう。
にしても、この世界も一日24時間なのは助かる 何せこちらは、それで生きてきたのだから。
「それにしてもまだ時間が有りますので少し
街を 案内しましょうか?」
「そうですか、ではお言葉に甘えさせていただきます。」
俺はそう答え、彼に渡された服に着替えたそして出かけることになった。それにしても、浮いているな〜俺、何せ回りは皆白人なのに一人だけ黄色人種がいるのである。
「おはようハンスさん今日は、変わった人を連れていますね、お知り合いなのですか?」
と一人の男が話し掛けてきた。
「彼はリョウ・ノギさんといって遠い国からきた方でいろいろあって私の家に泊まって貰っているのですよ。」
「そうなのですか、異人さんなのですね」
い、異人さんて・・
まあ外人さんからみたらこちらも外人、しかもここは異世界ときている確かに俺は、異人さんだが 面と向かって言われるとなにか違和感がある。
「ところで異人さんは、なんという国からきたのですか?」
「えーとニホンという国からきました。」
「聞いたことの無い国ですね、遠くにある国なのですか?」
「ええ、凄く遠く異世界か、てレベルですよ。」
ていうか異世界です。
「そうなのですか、でも今開発中の機関車という物が完成すればすぐに行き来出来るようになりますよ。」
「そうなのですか。」
どうやらこの世界の科学技術は、こちらの世界の産業革命時代と同レベルらしいな。
「はい、もしそれが完成したら私は、世界一周の旅にでてみたいと考えているのですよ、その時はあなたの国も見ていきますよ。」
ごめん、多分無理だから
「では、ハンスさんお仕事頑張ってください。」
そういうとその男は、去っていった。
「えーと、彼は何者なんですか?」
俺は、ハンスに聞いてみた。
「彼ですか?彼は、私の通っていた士官学校の後輩のハインリヒ君です彼は、技術科の生徒なのですが偶然同じ講義をとっていてその時知り合った人です。」
「じゃあ彼は今技術士官か何かをやっている
のですか?」
「いえ、彼はまだ学生ですよ、確か来年卒業だったと思います。」
とハンスは答えた。
「ところでハンスさんはどの学科を専攻したのですか?」
「私は戦術科でした、あと"さん”はいいですよハンスと呼んで下さい。」
「わかりました、じゃあハンス、俺のことも亮とよんでくれよ。」
そんな具合に話しながら歩いていると洋風のお城の前に着いた。
「ここがリーベンブルクです、時間はまだ有りますが早めに入っておいたほうがいいでしょう。」
そういうと彼は、城門の近くにいた衛兵らし
き人物に話しかけた。
そうしてしばらくすると城門が開かれた。
そうしてハンスと共に城内に入った。
すると一人の兵士が近寄って来てこう言った。
「陛下に、御二人が到着したことをご報告させて頂いたところ、すぐにでも会ってみたいとのことです、よろしいでしょうか?」
「ええ勿論です。」
俺はそう答えた。
むこうは、一国の元首だそのような方がすぐにでも会いたいというのだ俺にはそれを断る理由も勇気も無いしな。
そのあと俺は、謁見の間まで連れていかれた、そこにつくまで色んな人とすれ違ったがみな物珍しげにこちらを見てくる。
黄色人種をみたことがないのだろうか?
そうこう考えているうちに謁見の間の前に着いた そして扉が開かれた、そして俺達は、その部屋に入っていった。
そして俺は玉座に座る人物をみた。
名前からして立派な口髭をたくわえたいかつい顔をイメージしていたが・・・銀河帝国の某提督が髭を剃ったらこんな感じと感じる平凡な顔付きだった。
「異世界から来た青年とは君のことかね。」
「は、そうであります公王陛下。」
声が若干上擦ってしまったまあ王族の方と話
すのは初めてだからしかたがないのだが。
「そう固くならなくてもよい、もう少しくつろいでくれ。」
と、公王陛下はおっしゃったが緊張するなと
言うほうが難しいのだが・・「それはそうと、君に一つ聞きたいことがあるのだが。」
「な、何でしょうか。」
「君の元居た世界は、どのような所かね。」
「こちらの世界ですか? こちらの世界は魔法こそ存在しませんがそのかわり、科学技術は発展しております。」
「ほう、どのような技術があるのかね?」
公王が目を輝かせながら聞いてきた、どうやらこちらの世界の事に興味があるらしい。
「例えばですね、空を飛ぶ機械があります、
そのほかにも車と言う馬車のような乗り物や今この世界で作られている機関車を改良したもの等も有ります、あとこれを。」
そう言って俺は公王にケータイを見せた。
「これは何かね?」
「これはですね、携帯電話といいこちらの世
界でつかわれている通信機器です。」
「ほう、便利な物が有るのだな」
どうやら公王陛下は俺の話を楽しんでくれているようだ。
「それにしても君は何故この世界に来てしまったのかね?」
「私のバカ妹が間違えて呼び寄せてしまった
のです。」
ハンスが公王の問いに答えた。
「ハンナちゃんがやったのか、凄いじゃないかあの歳で召喚魔法を使うなんてな。」
「陛下絶対に妹にそんなこと言わないでください調子に乗ってしまいますから。」
「相変わらずだなもう少し妹を信用して良いのではないか?」
「ご冗談を陛下、彼女は何回家を火事にしかけたか。」
「ふむ、大変だな、後君が元の世界に帰れる方法がないか私達もいろいろと探してみるから安心したまえ。」
俺は公王陛下の温情に感謝して謁見の間を後にした。
しばらく城内を歩いていると一人の少年に出会った。
年齢は15歳ぐらいだろうか俺と違ってかなりの美形だ。
「やあ、ハンス彼があの異人かい?」
「そうですよ殿下。」
殿下?て事はこの美少年があの公王の息子か似てないにも程があるぜ!
「私は母親似なんだよ。」
心が読まれた!
「みんな同じ顔をするからな。」
やばいよね怒ってるよねこの人。
「それはそうと君は今仕事あるかい。」
「いいえありません。」
そりゃそうだ昨日来たばかりだ。
「じゃあ君近衛旅団の士官に任ずる。」
「「はい?」」
俺たちは思わず聞き返した。
「いやだから今プーなんだろ暇だろいいじゃん。」
「待って下さい殿下自分は軍事は素人ですよしかも私はのようなよそ者を使ったら問題になりませんか?」
「大丈夫!近衛旅団の人事権は私に有るからなそれに兵達ももういいです好きにして下さいって納得してくれているぞ。」
「殿下それは納得じゃなくて諦めですそれに彼の許可も取るべきです。」
「俺じゃなくて自分は別に大丈夫ですが。」
はっきり言ってこの世界から元の世界に帰れる方法はまだわからないしもうしかしたら帰れないかもしれない、いつまでもハンスの家で居候というのも辛い、この国は安定してそうだからそんなに危険も無いだろうし。
「そうかでは決まりだなでは三日後にグーデンバルトの山賊狩りに出陣から準備しておけよ。」
「待って下さい殿下、陛下に許可を取ったのですか?」
「取っていないしその必要も無いだろ近衛旅団の指揮権は公国王子の私に有るからな。」
「しかし殿下、今までに王子が勝手に軍を動かしたことはありません今までの王子はみな時の公王の許可を取って軍を動かしていましたよそれは一種の越権行為です。」
「公国憲法には兵権は王子にあると書いてあるぞ。」
「はあ、もういいです好きにして下さい。」
「そうかハンス納得してくれて嬉しいぞ。」
きっと近衛旅団の兵達もこんな風に説得?されたのだろう。
かくして俺は知らず知らずに戦乱の嵐に飲まれて行く事になるのだった。
筆者「毎度おなじみ教えてハンス先生のコーナーです。」
ハンス「いつ恒例になったんですか?」
筆者「この本文描いている時に決まった。」
ハンス「そうですか、では質問ある人。」
亮「はい!先生あの王子様の名前は何ですか?」
筆者「それは本文に描いてい・・無かったよどうしよう!」
ハンス「馬鹿だろお前。」
筆者「それは後で描くからハイ次!」
亮「魔法の原理って何ですか?」
ハンス「後で妹を連れて来ます!ハイ次!」
亮「ダメだこの企画。」