バーテンダー見習いはじめました
昔から小説、マンガの主人公に憧れてきた。
憧れから寝台列車に乗り、湿原に行き、長崎の二十六聖人殉教地に行った。宅急便のアルバイトに、ホテルでリゾートバイトをした。
どれだけ憧れても超能力が出現して超能力特務機関に呼ばれることも、機械の体でテロ組織と戦うことはできなかったけど。
大学入学と同時にコロナの流行でほぼ家から出られなくなった。もともとオタクでインドアな私にはむしろ外出を断りやすくなりラッキーだった。
オンライン授業で暇だったので、新入学に合わせて買ったノートパソコンでストーリーが良いと聞いていたVA-11 Hall-Aを始めた。サイバーパンク・バーテンダー・アクションと紹介されているが、カクテルでストーリー分岐のあるノベルゲームといった感じだった。
ヴァルハラの登場人物たちはとても魅力的で刺激的で優しかった。必死に客の話を覚え、ゲームに出てくるお酒を覚え、客と一緒に笑い、客の言葉に苛立ち、傷つき、慰められる。バーテンダーが客をもてなし、バーテンダーも客に救われる。
私もバーテンダーになればこんな体験ができるかもしれない!バーテンダーをやってみたい!と思ってしまった。
大学生の私にとって、バーテンダーはできることだった。同級生たちが就活に精を出す3年の春休み、私はバーテンダー見習いとしてアルバイトを始めた。
お酒は弱くて全然飲まないし知識も全くない。器用でもないしコミュ障で接客もできない。
正直仕事がつらい!難しいし!お客様にうまく対応できなかったり、オーナーに注意されたり、全然仕事できるようにならなかったり、お酒がうまく作れなかったり…
日記でも書いてストレスのはけ口にしてやる!って思ってます。