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就職

作者: アビスケ

暗い内容になっているので、そういうのが嫌な人は読まないことをお勧めします。

大学2年生もそろそろ終わる。


コロナ禍でほとんど大学に行けず、バイト先と家が自分の行動範囲の全てだった。


友達と外出をした機会はわずかでこれといった思い出は何一つできなかった。


ほとんどの人達が大学1,2年の間に様々な楽しい経験をして大学3年の間に就職活動を済ませ大学4年で内定先をもらうのだろう。


自分はこの楽しい経験をするという時期をほとんど捨ててしまったような気がしている。


勿論その中でも楽しいことはあったと思う。だが、世間一般を基準とした場合にかなり満足度の低いものだったと思う。


髪は染めなかったし、合コンはしなかったし、バンドを組んだりとかしなかった。


そんな自分ももう就職活動に取り組んでいかなければならない時期に差し掛かっている。


正直言ってやる気はない。


何か就きたい職業を探し、その業界のことを調べ、自己分析をして、面接練習とかするのだろうか。


”社会が必要な人材になれるように自分を変えていく作業”


これを生まれたときから就職する時までにどれほど上手くこなせてこれたかで自分の人生はあらかた決まる。


勿論器用に何でもこなせる人間が必要とされるが、そうではなくて何かに突出した才能を持っている人間も重宝される。


しかし、特に器用にこなせることも無く突出した才能も無い人間は下の方に追いやられる。


もともと資本主義という経済体制を取っている以上生まれたときから競争体制に晒され、学生の頃は学力、社会人になってからは年収といった具合に明確な基準によって統一された上下関係を気にしながら生きていくことはしょうがないと思う。


明確な基準があればそれに基づいて頑張ろうと思えるし、努力が報われれば気持ちがいい。


俺の方が上でお前の方が下という優越感を手に入れるために人は頑張る。


人を見下すのは良くないというが、ランキング形式ですべてを決定している世の中に生きているのだから人を見下してしまうのは当然だと思う。


自分は善人でありたいという偽善のために人を見下すのは良くないだとかみんな頑張っているからみんなえらいみたいなことを言うのだ。


そういう自分の醜い部分を認めてヒール役を演じることが出来る人間は結構尊敬できる。


話を戻す。


自分はこれから就職のために具体的な行動をしていかなければならない時期にある。


別にそれはいいのだが、こっちの都合もお構いなしで時間が流れるのは正直やめてほしいと思う。


さっきも言ったが自分は就職をしたいと思っていない。


時期が来たから仕方なく考えているだけだ。


勿論留年は出来ないし就職浪人しようとも思っていない。経済的負担がかかるようなことはなるべくしたくない。


今の子供は夢がないとか、「なりたい自分を見つけよう。悔いのない人生にするために。」みたいなことをたまに耳にする。


夢とかやりたいことを持たせようということは理解できる。やる気あって生きてた方がいいパフォーマンスを出せると思うし周りの人達もその人から活力をもらえる。


だがその時期が来たから仕方なくそれを頑張るという風に生きてて何が悪いのか。受験にしろ就職にしろ全員にチャンスが与えられているようで与えられていないと自分は思う。自由で膨大な選択肢があるように見せかけて制約に基づいた数種類の選択肢をその都度選ぶという風に人生は生きていくものじゃないのか。


SNSとかを見ているとこういう風に自分も生きてみたいという衝動に駆られるが、その人の人生の選択肢と自分の人生の選択肢は違うからこういう風には生きられないんだろうなと少し卑屈な目で見てしまう。


結局のところ自分の選択肢でどれだけ満足できて幸福度を高められるかが人生の勝負どころなのだと思う。


弱者の遠吠えに聞こえるかもしれないが、やりたいことなんてなくても夢なんてなくても自分が満足出来ればそれでいいと思う。


就職もこの程度でいいやと自分を納得させることが出来るならそれでいいと思う。


だから、「夢を持て」とか「やりたいこと見つけろ」とかこういう言葉が自分は大嫌いだ。


蟻とかゴキブリは明日を生きることで精いっぱいだと思う。



人間だけがこの理を外れることは出来ないのだ。

読んで下さりありがとうございます!!

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