異世界人登場
一真としのは、同好会で初めての活動をしようとしていたーーーー。
2人は図書室に向かった。
「城阪先輩、実はこの前、図書室で見つけた本に転移させる方法が記載されていたのですが…私、とてつもなく興味があります!」
しのは、いつもは見せないキラキラした眼差しで一真を見つめる。
「転移か……いいね!それ!!」
「てか、俺のことは一真でいいよ、堅っ苦しいのは苦手だからさ!」
「フレンドリーにいこうよ!」
「わかりました。では、一真くん…て呼び…ます…」
しのはちょっと顔を赤らめてそう言う。
「え…、何そのご褒美的な呼び方!?」
「じゃあ、これからはそれでいこうか!」
一真はいつも以上な、アホっつらになっている。
「おっと、それじゃあ話を戻そうか、とりあえずその本見せて。」
「一真くん、ここにある本です。」
一真はしのの後ろから手を伸ばし本を手に取る。
しのはなぜか耳が真っ赤になっている。
「わぁ…こりゃ凄いぞ!」
「転移の方法がこんなに細かく記載されているじゃないか!」
「この、魔法陣的なやつを描いて、丑三つ時にこの呪文を唱えるんだって…」
「しのちゃん!早速今夜、転移させてみよう!」
「うまくいくかはわからないけど、異世界研究同好会として、やってみる価値はあると思うんだ。」
一真は興奮している。
「わかりました。」
「よしっ、じゃあ今日、丑三つ時に桜の木の立つ、あそこの公園で待ち合わせね!」
そういうと一真はルンルンで帰っていった。
_____待ち合わせの時間_____
(一真くん、ごめんなさい!)
(母に気づかれてしまったので今日はいけないです。)
(本当にごめんなさい……。)
(すごく行きたかったです。)
と、スマホにしのから連絡が来ていた。
「そうかぁ、しのちゃんが来れないのは残念だけど、1人でも俺はやるぞ…。」
そう言って、一真は地面に白いチョークで魔法陣を描き始めた。
_____10分後_____
「よし…っっと…」
「これで、この呪文を唱えるんだな。」
一真は真剣に本を見ている。
「虫とか小型生物とか色々なのがあるなぁ、とりあえず虫でも転移させてみっかなぁ〜。」
「意外と長いな、この呪文…」
そう言うと、大きく息を吸い込むと、呪文を唱え始めた。
『イフ ヒャンドゥルフト マインドカインド セカンドライファン ルルンジュカイン ヒューナノダクト イノテンセウルスト ガル ヒュント シュント ヒュー…… 』
『『『マ………びゃっっっっクショイ!!!!!!!』』』
一真は最後の最後で、盛大にやらかしてしまった…
「くっそ〜〜、あと少しだったのにい〜。」
その時、突如、魔法陣が青く光り出したのだ。
「…………!?」
一真はあまりの眩しさに、目を瞑る
光がおさまり、一真が目を開けると、そこには……
ーーー長く揺れるツインテール、ふわりと揺れるスカートーーー
ーーー白くて、綺麗なムチッとした手足ーーー
ーーー左目には見慣れないスコープ?ーーー
『女…の子……!?』
一真は、驚きを隠せず、唖然としている。
「ここ…どこ…?」
「うち、さっきまでお空、飛んでたのに……」
少女は、見慣れない景色に唖然とし、自分の下に魔法陣が描かれていることに気づく
「おい…そこの少年。」
「もしかして、うちのこと呼び出しちゃった的な…?」
少女は多量の汗をかきながら問う。
「Oh…ソーナノデス」
一真は驚きのあまりカタコトになっている。
『『ヴェえええええええええ!!!???』』
「うち…別世界に…来ちゃったの……」
少女の目は少しだけ輝いて見えた。
一真はほぼ、平常心に戻り、口を開く
「ここは、地球。」
「ホントは、小さな虫を転移させようとしたんだけど、思わぬアクシデントが起こって、呪文を間違えてしっまたんだ……。」
「きっとどこかに、君を元の世界に戻す方法が書いてあるはず…」
一真は、本を開く
「いや、待て少年よ。」
「せっかく見知らぬ世界に来たんだ、うちはもっと観光してみたいの…」
「少年…うちのこと、泊めてくれないか?」
そう言うと、少女は一真の袖を掴み、赤い瞳を輝かせる。
(え。何この少女、ウルトラ級に可愛いんですけどぉおおお!!)
一真は、心の中で興奮している。
「でも、君のご両親とか心配しないのか?」
「俺の両親も仕事でなかなか帰ってこないから、俺は構わないのだが。」
「問題ないの…」
「マミーとパピーは、お仕事が忙しくてなかなか帰ってこないの…」
少女は少しだけ、寂しそうな表情を浮かべたように見えた
「そうか……俺と一緒だな!」
「君が大丈夫なら、俺は構わないのだが…」
「とりあえず、今日はもうこんな時間で暗いから、うちにいこうか」
2人は、歩き出す。
「ところで、まだ名前を聞いてなかったね。 俺の名前は、城阪 一真」
「俺のことは、一真って読んでくれて構わない!」
「うちの名は、ノア=ウォーリア」
「ワーミィ共和国に住んでるの。」
「ノアでいいの。」
ノアは、そう言うと、見慣れない景色に目を輝かせながら
心なしか、楽しそうに一真と共に、一真の住むマンションに向かった。
_____一真はこの時、あんな生活になるなんて想像もしていなかったのである_____




