表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/5

第四話 ピンチなようです

「こおおおおおんっ!」

ほら来た。メロンパン投げ出して来やがったよ。

千尋は投げ出されたメロンパンを上手くキャッチして、目をこれでもかというほどに輝かせている。

「言ったね?言ったね?よし、ヤろう!今すぐヤろう!!保健室行こ!!うん、そうだ、行こう行こう!いっやああ、久しぶりのS●Xかー、興奮するぅっ!」

鯨は、今にも鼻血を出しそうな勢いで、俺の肩を掴む。

あー、もうダメだわこれ。

スイッチ入ってるわこれ。

てか、何故に誰も助けてくんないんだよ。

あたりを見回してみると、周りは女子が多くなってきていて、しかもその手には携帯やカメラ。

ま、まさかだとは思うけど・・・。

「うふふっ、鯨様の攻めが見られるなんて!しかも、ホモ!!」

「こん先輩が受けとか、超美味しいじゃん!!やばー、喘ぎ声すっごい聞きたい!」

「鯨様には劣るけど、こん先輩もちょっと美形・・・だよね!」

「あたし的には鯨様と薫さんの組み合わせが良かったけど、まあ、いいか。」

がやがやと廊下が騒がしくなる。

うん、やっぱりこの人たちアレだわ。

ホモが大好きな腐女子の方々だわ。

千尋とは少し違うタイプみたいだけどね。

こいつら、ついてくる気だろうな。

だけど、悪いが俺はヤらない。絶対。

俺は鯨に笑いかける。

「あっはは、鯨ったら誤解だよ!」

「誤解?」

鯨はきょとんと首をかしげている。

俺は笑いながら、続ける。

「それ言ってたのは薫だよー!お、俺がそんなこと言うとでも思う??」

「うん、思う。」

おい、真顔で言うんじゃねぇ。

俺もお前と同じみたいに思われるだろうが。

だけど、薫のせいに上手くしとけばなんとかここから逃げられる。

よし、あともう少し──

「あれぇ?どうしたの、こん、鯨。」

突如現れる幼気な声。聞き覚えのある、出来る事なら今聞きたくない声。

「あ、薫じゃん。」

さ、最悪だ・・・!

どうしようどうしようどうしよう!!!

嘘がばれたら鯨の好きなようにされ、腐女子の皆様からの熱い視線と、蔑む目がもれなくプレゼント。

それに加え、周りの人からの信頼も失われかねない。

あー、くそ。

「こんー、がんばれよー。」

「うるせええっ!もとはといえば、お前が元凶だろうが!佳蓮!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ