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異世界転生:ヤンデレに愛された転生記  作者: 彼岸花
3部[タイトル未定]
77/105

蛇君の名前と翡翠の進化

「お帰り」

「おや、琥珀かね。ふむ、眠らなかった時からどうにも記憶が曖昧だから、実に久しぶりだねえ、君」

 目を覚ますと、どうやらベッド(の様な物、枯れ木を敷き詰めた上に布を敷いて、その上に軟らかいクッションを置いた物)に寝かされており、目の前に琥珀が居た。


「とても妹に殺されかけた台詞とは思えない」


「ほほう、やはりエリスは本気だったのかね? 実に結構だ。実に甘美な一時だったよ」

「私が殺してもいいのよ?」

 琥珀は怒っている様だ。恐らくはエリスではなく、俺にだろうが。

「それも良い、甘く頼むよ」


 琥珀は小さくため息をつくと俺の首に手を回した。

「このまま抱きしめて殺したら、甘い?」

「良いね、実に良い。殺す理由が嫉妬ならなお良い」

「やらない。アリスの馬鹿」

 拗ねた様に琥珀が言う。まあそうだろう。


「時に、いまは何時いつかね?」

「エリスが拉致してから、約3日。蛇も起きてる」

「ほほう、中々精神に影響を与えていたようだねえ。流石はエリスと言ったところか」

 エリスは一足先に目覚め、抜け駆けの罰と言う名目で狩りに行ったそうだ。森の中で2週間弱、食料もそろそろ心もとない。


「ちゃんとアリスの索敵範囲から出ないように行っておいた」

「それは有難う琥珀。如何にエリスが強力でも、心配だからね。兄としては」

 さて、蛇君に会いに行こう。



「久しいのう、アリス。いや、ご主人様、とでも言うべきか?」

 前回の台詞だ。判ってるなあ蛇君。

「ふむ、君が呼びたいのなら止めはしないが、俺はあまり嬉しくない。気分は? 蛇君」

「特に不調は無い、すまんのうアリス、実に手間を掛けた。助けてくれて、有難う」

「いやいや、これは俺の趣味の問題だ。君の命も、俺の好みの問題だ」

 蛇君と一通り挨拶を済ませる。そして、1つ、とても重大な問題について聞こうと思う。


「君、実に大きくなったねえ」



 蛇君は大きくなっていた。緑色の髪が美しい幼女だったが、今は少女と美女の中間位だ。

 翡翠のお株を奪うような鮮やかな翠の髪と、赤い眼、そして白くてスラリとした手足、大きな胸。あまり周りには居なかったタイプだ。

 この間までは10代前半だったのに、今は後半に成長していた。


「我も驚いた、恐らくは注がれる魔力の量や質に影響され、体が最適化したのだろうがの。全く呆れるほどの非常識よ、我の体もぬしの魔力も、の」

「断然同意見だ、君。まあ、君の姿より生き残れて何よりだった」

「うむ、もう一度感謝をアリス。そして、これから我は主無しでは生きられぬ、末永く頼むぞ」

「んくくく、君がそういってくれて嬉しい限りだ。此方こそよろしく頼むよ、蛇君。いや、そうだ、君の名前……」

 蛇君の名前を聞いた事があっただろうか? 無かった気がする。

 昔、水蛇みずへびと名乗っていたけど、それは種族名らしいし。


「ああ、付けておくれ。我には固有の名がないのでな、これまでは必要なかったが、これからは蛇では問題があろ?」

「然り。俺は蛇が名前でも問題はないがね、世間ではそれは種類と呼ばれるだろう。さて、君から何か希望はあるかね」

 正直名付け、なんてものは苦手だ。何となくで今までやってきたが、ノワールの例をとってみれば一目瞭然である。せめて本人の希望を聞いておきたい。



「うむ、主が起きるまでみなで話しておったのじゃよ。琥珀や翡翠と似たような名にして欲しい。正妻であるエリスと差別化を図る必要は、あろ?」

「う、む。そう決まったのかね?」

「ふん。最初からそうじゃよ、恐らくはの。それは良い、我らの問題よ」

 俺の正妻に関しては、俺の問題でもあると思うのだが、まあ良いか。エリスはその権利がある。


 

 さて、問題は蛇君の名前か。今までは何となくで付けて来た。琥珀は元々がジュエルシリーズのアンバーと名乗ったからだし、翡翠はその体色からだ。


 蛇君はどうだろう。髪の色から緑柱石エメラルド? いや、名前として変だし翡翠の上位互換のようなイメージがあってよろしくない。

 瞳の色から紅玉ルビー? 瞳からだと少し弱いかも。


 いっそ蛇君だからな、蛇紋石サーペンティアで、どうだろう。でも差別化を図るなら漢字で統一したい。


「ふーむ。君、厳密に言うと宝石から離れてしまうが、良いかね?」

「ん? 元々我等の言葉に無い物だしのお、エリスと明瞭に違えば、大丈夫であろ」


「了解、では。君は今日から輝夜かぐや、と名乗りたまえ」


「承知。輝夜、か。良いの」


 蛇君改め輝夜は相好を崩した。全く、俺の身内にしては実に綺麗な笑顔だ。 


 さて、輝夜の由来であるが、天河石アマゾナイトからだ。美しく柔らかい色調の緑色で、蛇君の色よりやや明るいが、美しい。天河でも良かったのだが、天河あまのがわからの連想で、少し名前っぽく、輝夜とした。天の川、天体、月、輝夜。なんだが少々苦しいのは仕方ない、織姫は駄目だ、他に男居るし。

 輝夜=ルナ=ティクス。になるのだろうか。割と綺麗にまとまったんじゃないだろうか。

 因みに『眼鏡』で鑑定をしてみたが。


 輝夜:水蛇みずへび

 主に水の属性に特化した蛇。性格は極めて荒く、攻撃的であり徹底的である。また大変執念深く、敵に対してはどこまでも付いて行き、隙を窺う事をする。そのため決まった縄張りは持たず放浪する事も多い。

 基本的には水辺に居るが、この種に特異的な強靭な生命力を誇り砂漠であっても生存が可能。

 強靭な生命力をもち、極めて荒い性格であり、また執念深いため危険である。隊商をずっと付けねらい旅の終わりまでに食い尽くしてしまったと言う記録もある。この事から大変に頭が良いと推察される。

 時折人間の形態をとることもある。腕や足を切り落としても再生する、と言う記録もあり通常の人型と思うと危険である。


 

 ……実に危険である。極めて荒い性格って、今まで見た事はないが恐ろしい事だ。そういえば昔、蛇……輝夜とエリスが初めて会った時、エリスが食い殺されなくて良かった、的なことを言っていたが、なるほど実に然り。




 名前を付け、輝夜と話しているとエリスが帰ってきたようだ。とりあえず現状を確認と今後の方針決定のため、全員で話し合いをもつ事にする。



「まず、これまでの協力に感謝を。森の中で暮らし、実に不便を掛けたねえ、申し訳ない」

「いえ、我等は元々森の民何の苦もございません」

「森で、生活する、のは、好きです」

「貴重な研究に参加出来ましたゆえ、森での暮らしなど何ら苦では無かったですな」

 最後に骨君がカラカラと笑う。


「それでもまあ、俺の我侭を通したからね、有難う」

「アリス様。我等はみな眷属にございます、お気を煩わす必要はありません」

「ま、これも気分だよ君。我侭の類だ」

 グランを適当に宥めて話し合いを始める。



「まず今後の方針だけど……」

 切り出そうとすると、琥珀に遮られた。

「アリス、まず此方から説明したい」

「ほう、どうぞ。そういえば寝ている間の変事とか、聞いて置くべきだったね、失礼した」



「まず、翡翠」

 車座になって座っている中で、俺の胡坐の中で丸くなっていた翡翠が起きる。個人的にはそこは猫のポジションなんだがね。

 俺の個人的見解など知らず、翡翠はヒタヒタと車座の中心に歩いていきこちらを見た。

 そして例の堂々と胸をそらし、哀しげな瞳で空を見上げる、俺のお気に入りのイグアナポーズをとった。


「主様、翡翠は。翡翠は、大きくなりました!」

 実に嬉しそうに、誇らしげにそう宣言した。



「ほほう、大きくなったのかね? それは実におめでとう。ええっと……とりあえず、見せてもらえるかね?」

 翡翠の大きさは覚えている物と変わらない。堂々と大きくなったと言うのだから、もっと目に見える形だと思うが。


「見せる」

 翡翠は一言呟くと、大きくなった。変身シーンのような物は無く、CGでも見ている気分だった。



 今の、翡翠を端的に表せばなんだろうか? 

 自分で言うだけあってすごく大きい。生前に見たライガーに匹敵するのではあるまいか。

 四足歩行らしいが、体高が座っている俺より大きい。

 体色は綺麗な翡翠色、鼻先から背中、尻尾の先まで赤いラインが入っている。背中にはカラスの翼、より流線的になって刺々しい翼だ。

 首の周りの棘は健在だが、体に相応しい大きさになっており、刺さったら人間なら死にそう。

 足は哺乳動物の形に近いが、後ろ足のほうが比較的太い。鋭い爪が並んでおり、触ったら切れそうだ。


 なんというか、猫科の大型猛獣と蜥蜴を混ぜたような、それで居て不自然ではない。すんなりと受け入れられる容姿。

 恐らくあの少年を食った事で、従魔の位階が上がったのだと思う。アナウンスは聞こえなかったが、必死だったから聞き逃したのかもしれない。


 

 翡翠:地を行くランドドラゴン:従魔(中位)

 異界からの尖兵を吸収した事で、竜種へと進化した。ランドドラゴンは下位とはいえ竜であり、強力な魔力と膂力を持つ。進化前から持っていた、高速飛行と立体起動の能力は引き継がれており、地竜の枠からはみ出ている。

 今回会得した、魔獣支配を持って魔獣を支配し、更なる高みへ。魔獣のみならず様々な種を隷属し、主様のために!


 また決意表明になってる。正直よく判らん。少し魔力を強めに鑑定して見る。


保有能力(スキル)

 魔獣支配:自らが倒した魔獣種を支配下に置ける。代償として、魔力か食料を必要とする。支配下に置いた魔獣は、翡翠の意思かその死亡以外では解除されない。

 類似の能力に、魔蟲・魔鳥・霊族・不死族・魔生物・悪魔・竜族支配等がある。類似であるため、進化に伴い取得できる可能性が高い。


 ※鑑定者(眼鏡)注

 支配能力の分類は、支配能力を有していた種族が使っていた分類である。今後は支配の有無を明確にするため、当分類方法、呼称:支配分類における表示を初期設定デフォルトとする。


 保有称号

 尖兵を食らいし者:尖兵を食った者の証、魔力他基礎ステータスに補正。魔力回復量に大幅な補正。




地を行くランドドラゴン:竜族(下位)

 大量の魔力と、強大な膂力を誇る下位の竜。一般的なイメージと異なり非常に俊敏であり、鋭い爪は並みの金属などたやすく両断する。全身を覆う皮膚は竜皮と呼ばれる物で、高硬度に柔軟性を併せ持ち、魔法への耐性も強化されている。

 この種は下位とされているが、それは他の竜族が更に強力な事と、翼とブレス攻撃の類を持たない為である。


 



 また、随分と、色々と、盛大になったものだねえ。

 不可解な単語が幾つかある。特に尖兵というのが気になる。普通に考えれば、少年を送り込んだ神の尖兵という事なんだろうが、何と戦っているんだ?

 魔獣支配については、少年の能力をそのまま継いだ形だろう。剣線破棄とやらも欲しかったが、贅沢は言うまい。支配能力だけでも望外だし、能力を継いでいるのなら少年の復活も可能性は低い。そして支配能力には発展性がある、実に喜ばしい事だ。


 それにしてもこの『眼鏡』、かなり汎用性があるな。込める魔力によるんだろうけど、一度データベース作った文明に触れてみたい。

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