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異世界転生:ヤンデレに愛された転生記  作者: 彼岸花
平凡な冒険者気取り
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翡翠君と説明会……

 翡翠君と最強を目指すという、決意も新たに獲物を探す。広い縄張りというだけあって、半径1キロの網で1頭しか掛からない。

 まあその1頭は強い縄張り意識そのままに此方にかけてくる。

「来るよ。俺が弱らせるから、留めは君が刺す、良いかね?」

(ん、了解)

 頭の上で遠くを見ながら、あいも変わらず翡翠君は自信ありげだ。まあその自信が信用ならない事は知っている訳だが。


 

 さて一直線に此方に突っ込んでくる雑魚モンスターだが、どう痛めつけるか。この機会に俺も色々と新しい空想(もの)を考えないとな。

 とりあえず、四肢を削げばいいかな。


 あまり使われない不遇の魔力剣(自称フラン)で四足歩行の足を薙ぐ。

 流石に下級の雑魚モンスターに防ぐ術はなかったようで、俺の予想通りに四足と胴体を切り離した。当然足が無くなったので、慣性に従って少し空を進んだ後、地面に落ちた。


「ハイ、翡翠君。どうぞ」

(おおー、主人様容赦ない)

 する必要を感じない。まあ敵から見れば縄張りを侵した俺たちが悪なんだろうが、運がなかったと思って諦めてもらおう。

 とりあえず翡翠君を促すと、俺の頭の上で魔法を放ち攻撃を始めた。

 半ば予想していたことであるが、翡翠の魔法では瀕死のグルーに対しても効果が無かった。瀕死云々関係無しに、全く影響が無い。


 魔力の質が悪い性だろう。俺も魔術を使い始めたころは熱量が上がらずに苦労した。

 今の翡翠君の質では、ずっと触ってると霜焼けになる程度の物だ。さすがにダメージは無いだろう。

 どうしようかな、と思っていると翡翠君が髪を引っ張った。


「何事かね、君」

(アレの上に乗っけて)

 アレと言うのは瀕死の獲物の事だろうが、いくら瀕死でも危険な気がする。

「なんで? 乗ってどうにかなるの?」

(勿論、主人様)

 翡翠君の自信が信用出来ないのは判ってるが、まあ目を離さなければいいだろう。


 言われた通りに上に乗っける。魔力の反応があり、どうも魔法を使っているようだが周囲に氷は現れていない。 

 少しするとグルーがついに死亡した。失血死だろうと思ったが、どうも違うらしいね。

(翡翠の魔法は氷の魔法。心臓を凍らせた)

 なんとも恐ろしい話だった。



 翡翠君の使った魔法は、人間の使う魔法陣を使った魔術や、俺の使う空想魔術とは様相を異にする。整理する意味での復習をしておこう。

 

 まず、人間の使用する魔法陣を使った魔術。通称魔法陣だ(これは俺の勝手な命名である)。

 その名の通りに魔法陣に魔力を流し決まった魔術を発動する。威力は流し込む魔力の量に左右され、質には影響されない。つまり魔力量の大きさ=威力の強さになる。

 利点は魔法陣さえあれば誰でも使えること。まあこれは魔法陣があっても、魔力量がなければ意味がないのであまり利点足り得ないかもしれない。

 欠点は魔法陣がなければ使えない、また魔法陣があっても決まった事しか起こせないという点かね。まあ応用が効かないとは言え魔力が多ければ、戦闘では脅威だから気にならないかもしれない。

 どちらにせよ、重要なのは魔力量。それが魔法陣の結論であろう。



 次に俺の空想魔術。この世界で生き残っていくための生命線であり、恐ろしく希少な能力、だそうだ。

 最も特筆すべきは好きな様に魔術を使えるという点であろう。空想をそのまま扱える、空想魔術というわけだ。

 勿論好き勝手に乱発できるわけではない。梟の人が言っていたように属性などの条件もあるが、なによりも空想(・・)は骨が折れるのだ。うまく説明できないが、脳を焼かれている感覚、が近いか。

 たぶんかなりの負荷がかかっているのだろう。脳内にPCを搭載した俺だからこその技なのかもしれない。他の空想魔術師はどうしているのかは知らない。


 所で、俺は最近空想の負荷を取り除く方法を獲得した。魔法陣構築の能力である。

 空想魔術を魔法陣として固定すれば、それはもう魔法陣と変わらない。多くの魔力量を持つ俺にはうってつけである。

 欠点としては負荷を感じなくなる位まで習熟しなければ、魔法陣として固定できない、ということだろう。

 俺の属性は火と闇。火はともかく、闇をどう使うのか。今のところ便利な収納としての影しかない。


 俺は人間から見たら強い、間違いなくそこらの人間には負けないだろう。重機関銃を自在に持ち運べて、同時に発砲で切るってだけでも脅威だ。

 だが、この世界は謎に満ち満ちており、ひどく人間に厳しい。全く持って油断なんて出来ない。

 そもそもあのいかれた女神様が俺を転生させたのだって、何か理由があるはずなんだ。あるいは俺が知らないだけで、人は死んだら転生するのが普通なのか?



 実に話がそれた。

 最後に人以外が使う魔法(・・)である。人が使う魔術が、『魔力を扱うすべ』であるのに対し、魔法は『魔力を使う方法』である。

 旨い言い回しが判らないが、本で読んだことを総合すると、魔術は魔力を無理矢理使うために魔法陣を媒介として用いており、魔法は適正な魔力使用の方法であるために媒介を必要としない、ということだと思う。

 利点としては魔力の適正使用であるため、使用する魔力量や身体への負担が極端に少ない、ということだ。

 俺が使うのが空想魔術ではなく空想魔法だったら、今の魔力量で十分過ぎるほどの量だ。妹君たちはあまり意識していないが、恐らくは1/10程度の消費量で、2倍程度の出力を出せるだろう。


 はっきり言って脅威に過ぎる。同じ魔力量で10倍の価値があり、さらに威力すら上回る。実に脅威だ。

 欠点といえなくもないのは魔力の質についてだ。魔力を自然な形で使っているので、魔力の質に優劣が出る。炎で例えるなら、質が悪い魔力では炎の温度が上がらないのだ。

 そして属性の問題もある。魔法陣の利点として、属性無視があるかもしれない。

 翡翠君は氷の属性のようだ。氷は水の亜種であるらしい、まあ容易に想像できる。つまり翡翠君は氷を最も効率的に運用できる、逆に他の属性は使えない、もしくは効率が悪い。

 まあこの欠点にあまり意味はない。魔力の質は俺のように努力でどうにでもできるし、属性の縛りは少し厄介だが普通に戦う分には1つの得意属性があれば十分に過ぎる。

大変お待たせいたしております。

今回は説明会ですが、説明の矛盾や疑問等ありましたら、お答え・修正いたしますので、感想欄に願います。

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