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異世界転生:ヤンデレに愛された転生記  作者: 彼岸花
平凡な冒険者気取り
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成長方法

短いです、申し訳ありません。

 くるくると縦回転しながら翡翠君が飛んでいく。緑色が実に綺麗であるなあ。

「やば、即席治療ヒーリング! エリス! 仕留めてきて」

 もちろん俺の心中は穏やかでない。回復しつつ、魔力の腕を伸ばして翡翠君をキャッチする。

「うん」

 ちなみにヒーリングは適当な回復魔術だ。妄想重視の空想魔術だけあって回復だけは一級品を自負できる。

 爬虫類を治療したことはないが、まあなんにでも一定以上の効果はある。さすがに死者蘇生は出来るか判らんので、というか恐らくは出来ないので、間に合って良かった。蜥蜴、といえども死なれると寝覚めが悪い。

 何しろ、俺に懐いているんだから。



「翡翠君。君、大丈夫かね?」

 蜥蜴の気付なんてしたことないよ、適当にゆさゆさと振ってみると、目を開いたので俺の頭に乗せた。回復魔術の手応えから、外傷は治っていると思うが、まあそのうち元気になるだろう。

 翡翠君の治療を終えてみてみると、それなりに大きかった魔獣は影も形も無かった。

「あれ、獣は?」

「私の影が食べちゃった」

 テヘっと可愛く首を傾げる。

「可愛く言っても怖いね、影で食べるってのは闇精霊の特技か何か?」

「うん、魔獣とかは魔力を含んでいるんだって。だからそれを吸収すると強くなれるって琥珀が言ってた」

「そうなの?」

 隣に無表情で立っている琥珀に尋ねる。

「経験値のような物、あんな雑魚吸収しても雀の涙だけど」

「なるほど」

 経験値と言われれば納得だ。でも。

「妹君は、パワースポット的な何かでないと強くなれないんじゃなかったかね?」

「それは上限。エリスはまだ上限に達していない」

 よく判らんが、そんなものか。



「それにしても弱かったね」

 妹君が頭の上の蜥蜴を突っつく。

「生まれたばかりの従魔、しかも最低種ではこの程度で普通。むしろ一撃で死ななかったのは僥倖」

「でもここまで弱いと成長させるのも一苦労だよね、どうするの?」

 2人に酷い事を言われて傷ついたのか、頭の上の翡翠君がコートのフードへ潜ってしまった。尻尾がはみ出しているのが微笑ましい。

 それにしても、成長か。確かにこの蜥蜴君はこのままだとふとした弾みに死にかねない。

 だがここで基本的な疑問を感じる。

 成長って、どうしたら良いのか。という点である。


 

 妹君や琥珀はもともとある程度の能力を有しており、現時点で何か成長というべき物はない。加えて、二人は成長の方法がわかっている。

 確か妹君はパワースポットなどから魔力を吸収する。琥珀はパーツやデータを取り込むこと、らしい。まあ妹君はまだ成長限界に達していないらしく、魔獣を吸収することで成長できるらしい。

 どうにも伝聞調だが、そういわれればそうなのかと納得するしかない。


 2人はそれで良いとする。では自分自身はどうかと言うと、これも成長の方向がハッキリとしていた。

 魔力量と魔力の質を上げる。自分ができることは空想魔術だけ、ならばその手札を伸ばしていくしかない、という訳だ。

 だからこの世界に来てやったことは、魔力の訓練と、空想とか妄想とかだけだ。


 だがしかし、翻って翡翠君はどうだろう。いや翡翠君に限らず、ほかの従魔(本で読んだだけだが、翡翠君のような物でなくとも、使役獣として魔獣を飼っている物はいるらしい)や一般の戦士などはどうやって成長するのだろうか。

 体を鍛えて強くなる、で対応できるレベルは超えているように思う。



「琥珀、具体的に強くするってのは、どうしたら良い? ただトレーニングしててもこの世界では意味がないだろう?」

 俺の問いかけに琥珀は頷く。

「そもそもが人間の成長限界程度では魔物には抗えない。だから魔術や武器を使う。そして魔物やその他の魔力を持つ生き物を殺すことで、その力を一部吸収し強化することができる」

「それは自分で魔力量を上げるのと何か違うの?」

 魔力の量で身体的に強化されるならば、俺はもうかなりの超人になっていると思う。人間のうちでは相当の魔力量らしいから。

「魔力量ではなく、身体的に強化される。基本的に魔力量は増やせない」

 俺は例外だ、と言外に言われているようだ。それにしても解せん。

「魔力を吸収しているのに何故魔力量が上がらないのかね? しかも身体能力が上昇するのも判らん」

 身体能力の上昇って事は、俺の常識に当てはめるなら筋力や瞬発力等の上昇ということになる。もちろん脳の処理能力の向上ということも考えられるが……魔力がそれらに関与しているのだろうか。

 魔力枯渇の症状が身体症状である以上、何か関係があるのだろうか。

「原理は一切不明、魔力のある強者を殺すと何か(・・)を吸収し身体能力の上昇を図る事ができる。」

 吸収している物は十中八九魔力だと思う。吸収した魔力は自分の魔力量としてはつかえないので、余った分を身体の維持向上に回す。という所だろうか。

 魔力が身体機能に与える影響は不明だが、それで不具合がないのなら、とりあえず運用してみよう。



「あれ、それなら大量のゴブリンを殺しまくった俺は、結構強くなってる?」

「恐らくは強くなっていると思うけど、その強さに馴染んでしまうので戦ってみないと判りづらいと思う」

 よく考えたら、身体能力を駆使して戦う事なんてなさげだ。俺は大人しく魔力量・質の上昇と、妄想・空想にふけるとしますか。


 長々としてしまったが、結論としては翡翠君が敵を殺せばいいのだ。

「とりあえず、止めを刺せば良いのかね。だったら俺等で弱らせて、止めを刺させるという所かね。それとあまり翡翠君を苛めてくれるなよ」

 フードの中にもぐりこんだ翡翠君をツンツンしている。たまに尻尾が大儀そうに動く。猫のようなしぐさだ。

「レベルアップについてはむしろ俺には理解しやすい、RPGそのまんまだ、どんどん殺させよう」

「判りやすい。主様が昔からやっていた、地獄の原野を這い回る(マゾゲー)育成と同じ要領」

 なんという罵詈雑言か。

「と言うか、まさか兄さん……人型ですらない蜥蜴に懸想しているの?」

「な、何を馬鹿なことを。翡翠君はアレだ、確かに蜥蜴だが、懐いているし、カ、会話もできるから……」

「懸想している事でなく、『人型ですらない蜥蜴』の方を否定しようとしている時点で、駄目」

「つくづく、節操がないね、兄さんは」

 無意識と言う物は実に恐ろしい。


あいも変わらず進みが遅いです。どうか長い目でのんびりとお付き合い頂けます様お願い申し上げます。

絶対に完結まではもって行きますので、どうか。

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