第七話
「ごちそうさま」
いつもと違う晩御飯をしめくくる言葉をいう。
「ごちそうさま?」
それをギルが疑問系で復唱した。
どうやら言葉の意味がわからないみたいだ。
「ご飯が食べ終わったら言う言葉だよ。あと食べる前はいただきますって言うんだろ。」
「へぇ〜。じゃあ、ごちそうさま!」
どうやら理解力はあるみたいだ。
ただ、いろんな事を知らないだけか。
それからちょっと暇があったので、ついでだからギルにいろんな事を教えてやった。
ギルはさぞかし興味があるのだろう。
俺が一つ一つ教えてやるのを嬉しそうにそして楽しそうに聞いていた。
「ん〜。」
しかし、その時間は長くは続かなかった。
眠くなってきたのだろう。目をこすり、頭がフラフラと揺れ始めた。
多分、疲れてるんだろう…。
ギルが本当に実験体なら逃げてる時に精神がズタズタになっているはずだから…。
「眠いか?」
「う〜…。」
本当に子供だな…。
「ほら、寝るなら布団で寝る。風邪ひくぞ。」
「ん〜」
ギルはフラフラっと布団の方に向かっていき。
到達するなりバタッと倒れた。
「布団をかぶらなきゃ意味ないだろ…。」
もう穏やかな寝息をたてているギルに苦笑しつつも掛け布団をかけてやった。
……なんでこんなにギルにかまうのだろうか?
まだ会って一日もたっていないし…
ましてや勝手に家で寝てただけなのこうやって夜になっても世話をしている。
自分でも変なやつだなって思う。
……でも、悪い気はしない。
むしろ、楽しいって思っている自分がいた…。
〜つづく〜