第一話
退屈な日々だった…
もうそう思って何年がたつだろうか…
少なからず1、2年間ではないだろう。
俺は日々の生活に刺激が欲しいとは思わなかった。だけど、日々の生活に退屈さを覚えていた…。
一応学校には行ってるが…真剣に授業を受けるわけでもなく…だからと言って不良生徒というわけでもない。
友人関係は皆無で、作ろうとは思わない。
そんなある日…
何か妙に目覚めが良く、二度寝することさえも許されないぐらい頭がスッキリしていた。
……仕方ない、起きよう。
台所にむかい朝食の準備を始めた。
この家に俺以外は誰もいない。
まぁ…一人暮らしだから当たり前なんだが…。
「……。」
朝食をとりつつ新聞を読んでいると、ちょっと目についた見出しがあった。
『研究所から実験体逃亡』
実験体か…。
何故かその見出しに興味がわき時間もあったので軽く内容に目を通した。
「昨日、23時04分。龍宮研究所より二匹の実験体が逃亡した。逃亡した実験体の内一匹は、川に逃げ込み消息を完全に絶った。もう一匹は市街地に逃げ込み今だ発見されず。警察も本格的に捜索を開始するもよう。」
龍宮研究所…?
聞き覚えがない場所だな。それに住所らしきことも書かれてない。
世間に知られたくないのか…?
それにしても実験体か…
二匹って事は獣なんだろうな。
今さらキメラを作ってどうするんだか…。
そんな事を考えていたらちょうど家を出る時間だった。
「行ってきます」
誰もいない家に俺の声が響きわたった……。
〜つづく〜