序章 第一話 赤い月
この小説は神聖龍さんから元ネタを頂きました。
その日の満月は、何故か赤く輝いていた。
暗い路地裏に一人の少女。歳は十五、六程。髪は黒く肩まである。端整な顔つきで瞳は紅い。白い着物を羽織った彼女の腰には、一振りの業物と諸刃の剣が差されていた。
その少女の後ろには、得体の知れない魔物が数頭。
彼女は前傾姿勢で二本の刀剣を押さえながら走り、魔物達は四足歩行で彼女を追い駆ける。
「ギャース!」
魔物達は奇声を放ちながら彼女を追いつめてゆく。
彼女は必死に逃げるが、着物と草履なので走るのにすら難儀する。追いつかれるのは時間の問題だった。
「あっ!」
突如、彼女は空き缶を踏み、滑って転んだ。
彼女が地面にひれ伏す間に、魔物達は彼女との距離を詰めていく。
「くっ!」
彼女が身を起こしたとき、彼女は魔物達に囲まれていた。
『ガルルルルル……』
魔物達は鋭い爪牙を剥き、今にも彼女に飛びかかりそうだった。
彼女は紅い瞳で、魔物達をぐるりと睥睨する。まるで、品定めをするような眼だった。
そして、一言。
「来なさい」
端整な顔つきに似合わず、かなり肝が据わっている様だった。
彼女の言葉を理解したかどうかは定かではないが、一頭の魔物が彼女に飛びかかった。
彼女は腰の業物に手をかけ、そして、一閃。
その直後、飛びかかった魔物は頭と胴体を切断され、大量の血飛沫を撒き散らした。魔物の首は宙を舞い、胴体とは別々に落ちる。
魔物は頭部を落とされながらも、残った胴体で醜くあがく。彼女はそんな魔物の胴体の左側に、業物を突き立てた。
刀は魔物の胴体を貫いた。限界まで張りつめた革袋を破いたかの様に、大量の血飛沫が踊る。
彼女は魔物の返り血に染まりながら、残りの魔物を見る。直後、彼女の紅い瞳が光った。
一瞬の戦慄のあと、残りの全ての魔物の体から大量の血が噴き出し、各々バラバラの肉塊になった。
彼女は赤い満月を見上げる。
「厄介な事になったわ……」
赤い満月は、その輝きを増していた。
いやー、なんだか恥ずかしいです。表現が稚拙ですね。なんだか、暴力的な単語を並べてるだけな気がします。本当にすみません。