キミの瞳。 - みあside -
私、須藤みあはすんごく普通の女子高生。
ん~どれ位かって言うと...
え?こんなに普通な人居たんだ。
って感じかな(笑)
「ふぁあ~......ん..え?!」
うん。もうお分かりだろう。
私はたった今遅刻をした。
え?なんでたった今かって?
それはただ今、8:40。
学校ではちょうど担任が「席につきなさ~い」なんて
誰も聞いてないこと言ってる頃だな。..うん。
遅刻してしまったらもう慌てたりしない。
だって無駄ぢゃん!!(笑)
「悠おはよ~..。」
「おはよ...ってお前まだ行ってなかったの?!」
「寝坊したのさ(笑)」
「したのさ、ぢゃねーし!送ってってやるから早く準備しろよ。」
悠は5歳年上のお兄ちゃん。
いまは21歳..かな?
「はぁ~い。」
ちょっと年が離れてるからかな?
悠は私に甘い。
見た目いかついのに、なんか面白い。
「悠~準備万端です!!」
「お前さ、髪どんだけ頑張っても無駄だって。」
「あ..悠、今から車の免許もらって来て。」
「イヤ、無茶言うな。」「はい。」
悠はバイクの免許しか持ってない。
ヘルメットかぶるし、風で巻きもとれるし、
うん、私の30分はなんだったんだろう。
「お前落ちんなよ?」「もう慣れたで大丈夫。」
絶対近所迷惑だろうな、って音を出して走り出した。
着いた。..でも授業中に教室に入るのだけは避けたい。
でも悠の瞳は、今すぐ教室行け。って言ってる。
「ありがとね。い、行ってきま~す..。」
悠はまたすごい音を出して去っていった。
うわぁ...いろんな教室からバイク音を聞いた生徒が
物珍しそうにこっちを見ている。
...さあ、どこで時間を潰そう..。(泣)
かと言って、そんなに時間があるわけではない。
「はぁ、なんで送ってくれるのに起こしてくれないんだろう..。」
悠への不満をつぶやきながら近くの公園まで歩いた。
公園の自動販売機でお茶を買った。
ベンチに座ってお茶を一口飲んだ。
「暑いなぁ~」
もう7月だ~。
部活もやってないし、特に趣味とかないから土日はほとんど時間の感覚がない。
そのせいか、高校に入学してから時間の経過がとても早く感じる。
夏休みもあと少しのとこまで来ている。
そろそろ彼氏も欲しい季節だな..
夏祭りも花火も海も、友達とだって楽しいよ?
でも、やっぱ彼氏と見たい年頃なのさ(笑)
「そろそろ行くかな。」
遅刻した時って教室に向かう足がすっごい重い。
教室に入ったときのみんなの視線を考えると、
こころなしか頭が痛くなってきた...
なにを思ってても進み続けた足は教室までつれてってくれた。
「ふう~!」
放課でざわめいているはずの教室はこんな日に限って
わりと静かだった。
ガラガラッ
思い切って勢いよくドアを開けた。
「みあ~遅いよ~」
「ごめん~寝坊した(笑)」
杉山桃花は高校で一番最初にできた友達で、
すんごくかわいい。
容姿もだけど、とにかく天然なとことか仕草とかthe女の子って感じだね。
「みあ偉いねぇ~千晴なら絶対休んでる!」
イヤイヤ、自慢することじゃない。
峰千晴は中学校からの友達。
口下手で、のわりに思ったことは誰にでもぽんぽん言う。
顔立ちはきれいなんだけど、その性格のせいで千晴をよく思う人は少ないけど、
友達を絶対に裏切らない。そんな千晴が大好き。
「みあ~今日悠くんに送ってもらったんだね~いいな~。」
桃花は悠のことが好きらしい。
私的には気まずいからやめて欲しいんだけどね。
「あんまよくないよ~髪かなりひさん(泣)」
「ホントだ!みあの髪おもしろい!」
なんて話してたら授業開始のチャイムが鳴った。
私の席は窓側の後ろから2番目。
お気に入りの席。なんでって、退屈しないから。
外を見れば空もあるし、グランドも見える。
人間観察が好きな私には、特等席。
「..いいか~?テストの範囲今のうちに言っとくからな~?」
やる気のない先生の声はもう聞き飽きた。
「はぁ~.......。」
あ、誰か登校してきた。
誰だろう..?先輩かな?
制服を着崩しているはずなのに、みっともないと言うよりかっこいい。
髪..きれいな金色..。
...って、あれ?校則で髪って染めちゃだめって..
あ、ヤンキーなんだ。
そう思ったとき、目が合ってしまった。
こう言うときの人間の反射神経ってすごいよね。
気づかれたか気づかれなかったか分かんないけど、
目が合ったのは一瞬だった。
でも私の脳裏には強くて鋭くて、どこか寂しそうな目が残っていた。
私は初めて男の人に興味がわいた。