魔界
「ねぇ……リク君。リク君って、なんで魔族なのに固有魔法があるの? 噂だと使えないらしいけど」
「魔法自体は使える。生贄ありきだがな。弱い魔族をリンチして捧げるか、魔力で出来た自分の体から支払うかだ。後者は文字通り身を削る」
「使わなくても強いから、使う奴がいないだけだ。俺の魔法はコスパが良い。無理難題を押し付けない限りはな」
「それと……突然変異した個体だから固有魔法がある。そういうレイは?」
「私は魔法があんまりねぇ……結界術と回復魔法くらいかな。使えるとしても」
「ふーん……その割には莫大な魔力量だが」
「そのせいで制御が効かないんだよねぇ。暴発するから、自傷しちゃう」
「なるほど……生贄に選ばれる訳だ」
「そうだよー。だから魔界では、リク君がした事って大罪なんじゃないの?」
「まぁ、それだけの価値はあった」
「リク君は、私を食べたいと思わないの? 莫大な力が得られるんでしょ?」
「バケツに水を注いでも、容量が増える訳じゃない。一時的な回復だ」
「そかそか。じゃあ、ケガした時はキスしてあげよっか?」
「それなら、少量でいいから血を貰いたいんだが」
「可愛いなぁ」
「結界術か……使えるのは」
「リク君の方が、使うの上手いけどね」
「レイが教えるのが上手いからだ」
「魔術学校で結界術を教えてたからね。それにしても頭良いんだよねぇ……教科書なしで、口頭だけで理解出来るんだし」
「知能から違うからな」
「あー、嫌味」




