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大罪
悪魔の価値は何で決まる?
環境? 努力? 馬鹿馬鹿しい。
生まれた瞬間に決まる。
種族格差だ。努力や環境など意味が無い。
それほどの差が、我々にはある。
母は、魅了が多少使えるだけの、最弱と言っていい悪魔だった。
父は何を思ったのか――魔王と呼ばれた身で、母と子を作った。理由は分からない。
どちらの血を引き継いだか?
……そうだな。
どちらの能力も引き継がない、突然変異体が生まれた。
代わりに、知能が異常なほど高すぎた。
ある時、私は大罪を犯した。
召喚され、生贄となる「人間」と呼ばれる種族を――奪ったのだ。
──数年後
「はい……今日はここまで」
「ありがとう。人間……勉強を教えてくれて」
「レイだって。
……貴方、名前が無いの不便だよねぇって思ったんだけど」
「名前を付ける文化なんて無い」
「ふーん。じゃあ、私が付けてあげるよ。
そうだなぁ……リク君ね」
(飼い犬の名前なのは、黙っておこう)
「……分かった」




