イライザ、登場
意外な人物の襲来にオルトに目をやると、渋い顔をして頷いた。
急襲はいつものことのようだ。
「皆様、ご機嫌いかが。オブシディアン伯爵家のイライザがまかりこしました。」
ありがちな金髪縦ロールにブルーのつり上がった目元。真っ赤でフリルなドレス。THE悪役令嬢ぽい。
イライザという名前だから、きっとすさまじい子なんだろう。
「あなたがソニア様ね?」
まだ名乗ってないのに当たってる、すごい。
「ご機嫌よう、イライザ様。ラズーライト伯爵家のソニアでございます。」
何しに来た?とは聞きにくい。
イライザは真面目な顔をして言った。
「ジル様、行方不明なの?」
イライザ、直球だな。
「そうですね。」
「お願いしていた薬が頂けないとキースから伺いました。その理由も。ジル様を見つけるためならばどんな助力も惜しみません。なんでも仰って。」
ありがたい申し出なのだけれど、オルトを再び見ると首を横に振っている。なんかだめっぽい。
「今、領地の皆で捜索しています。イライザ様のお気持ちだけで十分です、ありがとうございます。」
「遠慮しないでいいのに。」
一瞬チッて顔した!
「そうなの、残念。ところで、このお荷物はどうされたの?お引越し?」
業者にみてもらうあれやこれやが部屋に入り切らず、外に出せるものは出しているので、雑然とした感じがすごいのだ。
「大掃除をいたしまして。」
嘘じゃないよ。




