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ご令嬢の急襲

 屋敷で働く者全員に大掃除兼質草探しの件は通達され、あくる日から一斉に取り掛かった。雰囲気的に年末大掃除だ。


 持ち物をバッサリ手放そうとソニアは意気込んでいた。自分の所有している衣服や装飾品も殆ど整理しようと目印の札を貼りまくっている。


 オルトは、いざとなった時に換金するための貴金属の目録に目を通しながら、リストアップしていた。


 リズは他の侍女とともに屋敷の中の調度品の品定めをしていた。残すものと手放すものに分ける作業をしている。あまり部屋の中がみすぼらしくなってしまうのは嫌なのだが、なるべく沢山金貨を集めたいとソニアが願うので、こざっぱりした品の良さげな部屋づくりを目指している。

 和気あいあいとおしゃべりしながら作業を進めるのだが、出てくる話題は最近のお嬢様がやばい件一択で、ジルの失踪からこちら、思いついたら即実行のスタンスであれこれ動いているのは物珍しそうに皆、注視していたようだ。リズの見立てでは、お嬢様がやばくなったのは、机の角で頭を打ってからなのだが、それはそっと心にしまっておく。


 大っぴらには皆言わないが、領地のための資金繰りということは認識しているようで、ソニアの行動は自分たちの雇用を維持するためでもあると分かっているようだった。


 調理場では新品のままししまい込まれていた鍋やお玉、庭師からは使わないスコップ、果ては牧場からそのうち刈り取ろうと思っていた羊の毛が届いた。


 何日かかけて、それなりのものが用意できたので、買い取りに業者を頼み、査定してもらう日がやってきた。


 その日は良い天気で、ソニアも業者を迎えようと準備万端で待っていた。


 そして、門番が来客を告げに来たのだが、その相手は業者ではなく、件のオブシディアン家のご令嬢だった。

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