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リズの観察記録

 ジル様の不在を埋めるように、お嬢様はあれこれ始められた。


 領地管理の勉強をすると仰られ、はじめはお一人で書類と格闘されていたけれど、さっぱり分からなかったそうで、オルトに時間を作ってもらって一から学び始められた。

 ある程度、理解が進むと楽しくなってくるそうで、嬉しそうな表情をされるのがこちらも嬉しい。

 

 先日、倒れた拍子に頭を机にぶつけ、流血されたときには生きた心地がしなかった。

 身近にいながらお守りすることが出来なかった自分を許せない。

 不思議なことに、この一件からお嬢様の情緒面に変化があらわれた。10歳の子供らしく、時に激しい喜怒哀楽を全身で伝えていたのが、良く言えばおおらか、達観したような表情を見せるようになった。

 お体の具合を心配したが、食欲はあり、睡眠、日常生活に支障はなさそうだ。


 キース様が、念の為と体調を整える効果のあるハーブティーを届けてくださった。お茶の時間にお嬢様にお入れすると、一口飲んではほっと息を吐いている。どうか癒やされて欲しい。


 そんなお嬢様が私に質問をされた。


 「リズが金貨を手に入れて増やしていこうと思ったら、何をしますか?」


 今働いているお給金をしこたま貯めます、と答えると次は、


 「金貨が足りないときはどうしますか?」


 と訊かれた。


 足りないときは稼ぐ他ないと考え、ふと、


 「質屋に持ち物をいれるとその持ち物の価値によっては金貨になりますね。」


 と答えた。


 「そう、ありがとうございます。」


 嬉しそうににこにことしていたのが印象的だった。


 その翌日から屋敷で働く皆を巻き込んで、大掃除兼質草探し週間が始まったのである。


 



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