やることいろいろ
「税の徴収額を上げれば良いと言うことではないのよね。」
「と申されますと?」
うっかり考え事を口走ってしまっていた。
オルトがじっと私を見る。
「冷害って、過去に何度も起きていてその都度、今回のような対応をしているわね。冷害が起こったら税金免除、回復すると段階的に徴収。出来れば、安定的に税金を納めてもらえる方法を増やしたいの。」
「具体的にはどのように?」
「うーん、それよね。農作物だけじゃなくて、他にも特産品をつくるとか?」
思いつかなかったので、曖昧で適当なことを言ったが、オルトが意外そうな目でみてくる。
「ジル様も同じことを仰っていました。そのために冷害に耐えられる薬草畑をつくられ、ご自分では、薬の調合をされていたのです。将来的に調合師として領民が働ける場所もつくりたいと。」
「キースさんの薬局もそうなの?」
「いえ、キース様の薬局は代々の家業です。薬の話で意気投合されたお二人は、一緒に仕事をされるようになりました。」
傷を治したり、病の症状を緩和したり、薬の需要はあり続けるだろう。
「領地をあげて盛り上げましょう。」
やりたいことの一つが見つかった。農作物だけより、金貨を集めるのに適したものがあるのなら色々試す方が良い。
叔父が作る薬は人気で、その収入は大きく、そのまま領地に寄付してくれていたのだが、それがなくなると領地をまわすための金貨が足りないのだ。昔から積み立ててきた余剰資金もそんなに長くは持たない。
すぐに金貨に変わるものを見つけなければ。
「オルト、屋敷の中にあるもの、売りましょう。」
そして、売った金貨で薬の製造にトライしましょう。




