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植木鉢からこんにちは

 「今日は皆で、種を植えました。早く、元気な芽がでてくれますように。」


 ついでに植木鉢とジョウロの絵を描いておく。モーリュの観察日記の第1日目だ。

 

 部屋の窓辺に置かれた植木鉢には、マンドラゴラが付き添っている。気になるようだ。


 どんな芽が出てくれるのか。待ってるよ。


  

◇◇◇


 種を植えてから1週間が経つ。


 日課の観察日記を書きながら、植木鉢に向かって色々話しかけている。


 早く出ておいでーとか、待ってるよーとか。


 マンドラゴラは時間があれば、様子を見に来ている。他の皆も様子を気にしてくれているが、まだ、芽は出そうにない。


 観察日記にマンドラゴラが興味を示したので、試しにペンを渡すと、物凄く劇画タッチな私を描いてくれた。似てるけど、怖い。


 夜になり、お休みの挨拶を植木鉢にして眠りにつく。今日はマンドラゴラもここで眠るようだ。


 ハーブティーの作業を手伝ってもらううち、私の部屋で夜を明かすことがあったので、簡易ベッドのつもりで机の上に、手頃なクッションを用意したらそこで休むようになった。本当は、畑に埋まるほうが休まるのではないかと思うので、聞いてみたら、お気遣いなくとのことだった。


 そうして、夜の帳が下り、満月の中静寂が訪れる。


 ゆっくりと植木鉢の土が僅盛り上がり、芽が顔を出す。


 そしてそのまま成長を続け、芽は双葉を出し、ぐんぐん上に伸びていく。


 勢いは止まらず、どんどん葉が増え、茎も太くなる。そしてあるものがニョッキリ姿を現した。


 


 ◇◇◇




 早朝、マンドラゴラに起こされる。早朝と言っても、まだ日が昇っていない。早すぎじゃない?


 寝ぼけ眼をこすりながら体を起こすと、何やら見慣れないものが。


 マンドラゴラの横に似た感じの植物がちょこんと座っている。


 「お友達?」


 寝ぼけて良くわからないことを口走ってしまった。


 マンドラゴラが一生懸命説明してくれるが、分からない。


 首をかしげて、しばらく悩む。


 何となく見た植木鉢はひっくり返り土がこぼれている。


 土の汚れは一本の跡となってマンドラゴラの隣の植物に繋がっている。


 「もしや、モーリュ?」


 そう言うと、マンドラゴラは頷き、隣の植物はエッヘンと胸?を反らせた。


 


 

  


 

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