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伝説の種

 夕方になって、叔父とパックが帰ってきた。


 パックはキース様とも仲良くなり、薬草話で打ち解け、お互いの情報交換もしたらしい。共通の話題って強いよね。


 ハーブティーをキース様の薬局へ置かせてもらえることになったのは、とても嬉しい。

 

 試飲したキース様は、ご多分に漏れず、あの風味の洗礼を受けたようだが、それをものともせず、美味いと言ってのけたそうだ。猛者がここにもいた。


 まだまだ、金貨1枚にも届かないのだが、ハーブティーでの利益に期待できそうでワクワクしている。


 利益の中から、リグさんを始めとしたハーブティーに関わる人達の給金を上げたいし、薬草畑への投資もしたい。最終的に領地経営がうまく回るよう、焦らずに、小さなことからコツコツやっていこう。


 リグさんとマンドラゴラに今日のちびっこにもらった種を見てもらった。

 二人、同じ予想を立てたのだが、叔父とパックの意見も聞こうと帰りを屋敷で待っていた。


 丁度、晩御飯の時間になるから、ご一緒することに。今日の献立は、鴨のコンフィ、オニオングラタンスープ、パンだ。低温の鴨の油で煮込まれたモモ肉が本当に美味しい。


 食べ終わり、例の種を見てもらう。(ぬし)さんの話も一緒にリグさんが説明してくれる。


 「この種は、ひょっとして、モーリュかな。」


 叔父がじっと種を見ながら言う。リグさんとマンドラゴラも頷く。パックは、手渡されてからいつになく真剣な顔をしている。


 「そうだね、僕もそう思うよ。」


 パックも答える。


 満場一致で出た、モーリュとは。薬草の本にはなかったような。

 「モーリュって、どんな植物なんでしょう。」


 「毒と魔法を消す効果があるらしいんだ。大昔に滅んだといわれていてね、文献では見たけれど、実際の種は初めてだね。本物ならばね。」


 植えてみるしかないかな、叔父は言う。


 もらった経緯を考えると、(ぬし)さんのように、並じゃない霊獣ならば、モーリュの種を持っていてもおかしくなさそうな気もするが、分からない。


 皆、とりあえず植えようと言う話でまとまった。


 育て方も良く分からないから、慎重にいきたい。


 今日は、そんな感じでお開きに。


 あのちびっこにまた会えると良いな。

 (ぬし)さんの体調が良くなることを祈りつつ、眠りについたのだった。


 


 


 




 

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