雨の日のミルクティー
今日は久々の雨降り。最近、薬草畑に時間をとっていたのだが、雨の日はお休み。
新しく植えた薬草の種も無事に芽が出て特にマンドラゴラが張り切っている。すくすく育ってくれますように。
叔父が持っていた薬草に関する本を何冊か借り、読んでいる。これが結構面白い。育て方や産地、効能等、薬草の個性を知ることが出来、楽しい。うちの薬草畑に植えているものも掲載されている。
雨のせいか、少し肌寒い。リズがブランケットを掛けてくれ、ミルクティーとクロテッドクリーム付きのスコーンを用意してくれた。雨音を聞きながら、ゆっくりするのも良い。二人がけソファへ叔父が一緒に座っているから尚更幸せだ。
「聞きたいことがあるのですが。」
「何だい?」
「イライザ様の薬って、どういったものなのでしょう?守秘義務があるなら、無理にお答えいただかなくとも大丈夫ですが。」
「うーん、そうだね、守秘義務は大丈夫だと思うよ、本人が公にしているから。」
「どこか具合が悪いのですか。」
「いや、彼女は健康だよ。あの薬はなんていうか、老化を遅らせたり、健康寿命を延ばせると言われている成分を配合したものなんだ。」
アンチエイジングというやつだろうか。
「実際の効果について、ある程度は立証されていて、健康を害するものではないのだけれど、彼女の年齢で、それが今必要かと言われると、必ずしも必要ではなくて。それを本人に伝えても、納得済みで調剤を依頼されるから作ってるんだけれど、薬の材料が軒並み高級なんだよね。」
「イライザ様、毎回お支払出来るのすごいですね。」
「彼女は事業を起こしていて、自分の収入源を持っているからね。」
そうなんだ、自分で稼ぐってすごいな。どんな事業なのだろう。イライザに対する好感度が増す。
私がキラキラした目で妄想していると叔父が笑った。
「ソニアも今、事業起こしてるでしょ。」
「そうでした!」
薬を増産して、金貨を増やす目標が私にはある。イライザへの親近感も湧く。
以前、キース様から、イライザ様の薬の代金がないと領地経営が回らないと聞いて、結構ショックだった。何か一つ欠けただけで駄目になるのって怖いと感じた。
それから今まで領地経営について学んで、少しずつ知識を身に着けている。怖がっているだけじゃ現状を変えられない。
周りの皆、私のしたいことを否定せずに許してくれているのは、本当にありがたい。
しみじみ、自分の境遇に感謝だ。
横で静かに本を読む叔父が尊い。ミルクティーを飲みながら、ほっこりする。窓から見える景色は雨に濡れ、ゆったりとした時間が流れていた。




