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素敵な昼食

 「ソニア、大丈夫!?」


 パックの声が聞こえてくる。心配してくれてありがとう。

 ここは薬草畑。眼の前は見渡す限り、土。そう、転んじゃったから、土だらけ。立ち上がろうと体を動かしていると、ひょいと叔父に持ち上げられ、立たせてもらう。服についた土をはたいてもらい、ついでに顔についた土も拭ってもらう。至れり尽くせりだ。ここは天国か。


 「ケガはないかい?ソニア。」


 あちこち痛いから沢山頭なでてくださいとか言いそうになったが、ウソは良くない。


 「ケガはありません。大丈夫です。ありがとうございます。畑って、歩きにくいのですね、気をつけます。」


 作業用のつなぎのような服を着ていて良かった。とてもじゃないが、ドレスで畑は歩けない。


 薬草畑は、見た目でいうと、きちんと畝が作られ管理されているのではなく、自然農法のような雑草と薬草が同居しているような姿だった。薬草といわれる植物は色々強いから、少々のことは気にせんでええ、ただ、ここの風土に合う合わんは、薬草の種類によって出てくるから、そこは考えてやらにゃいけん、とはリグさんの言葉だ。

 なるべく育てやすく、薬として有用なものを選んでいるそうだ。


 今日は、新しい種類の薬草の種を植えている。少し前にリグさんと叔父で見繕ってもらったものと、パックの手持ちの種の中でオススメのものを譲ってもらい、数種類用意した。


 一週間前にリズにシメられたマンドラゴラは、割とつつがなく暮らしている。

 マンドラゴラのライフスタイルが謎だったので、パックに通訳してもらった。パックによると、日中は、薬草の面倒を見て、夜は薬草畑に埋まって自分メンテナンスをし、三度の食事及びおやつタイムに屋敷にお邪魔したいとのことだった。

 マンドラゴラ用の部屋が必要かと考えていたが、それはいらないそうだ。食堂にマンドラゴラ用の椅子を用意すると、大変に喜ばれた。


 意外だったのが、マンドラゴラが太ってきた?ことだ。干からびて、しなしなだったのだが、ここ一週間で段々と根っこにハリが出てきて、気持ち葉っぱもシャキッとしてきた。パックが言うに、マンドラゴラに出会った時すでにしなしなだったそうなので、今の回復ぶりを喜んでいた。土が合うのか、食事が合うのか、良く分からないが、元気になるのは良いことだ。


 薬草の面倒を見るのが得意と自分で言っていたが、リグさんも太鼓判を押すほどの腕前で、今も畑をチョロチョロしている。何でも、植物全般とある程度、意思疎通出来るそうで、各々必要としているものや、やってほしい事が分かるらしい。すごい能力だ。薬草の品質も上がると嬉しい。


 日が高くなり、良い時間になった。先程、届けてもらったサンドウィッチを皆で頂く。

 チーズとハムの相性は鉄板、マスタードバターが最高に良い味わいだ。

 

 外で食べるご飯も良いものだ。マンドラゴラも美味しそうに食べている。最近、見慣れてきたからか、ちょっと可愛らしいとか思うようになった自分にびっくりだ。

 

 

 

 

 


 


 

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