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朝食前のひと仕事

 叔父と別れて部屋に入る。

 リズに何やら声を掛けてもらっているが、全く耳に入らないくらい別れ際の余韻に浸ってしまって心此処にあらずの状態をキープしていた。

 

 しばらくして、色々諦めたリズにまたもや速攻で湯浴み、寝支度してもらい、ベッドへ。

 興奮して眠れないかと思いきや、目を閉じ、一瞬で眠りにつく。そして朝までぐっすり。


 良い夢みたのだと思うのだけれど、憶えてないのよねえ。


 翌朝、外からの物音で早くから目が覚める。人の声もする。起き上がり、窓から見下ろすと、パックが玄関前を走り回っている。朝っぱらから元気いっぱいだ。側には叔父の姿も。


 「あっ!ソニアだ!おはよう、マンドラゴラのところに行こうよ!待ってるね!」


 しまった、見つかった。仕方がない、行くか。

 ささっと身支度し、合流する。朝の涼しい風が心地良い。三人で薬草畑へ向かう。


 「おーい、来たか。大変じゃ、マンドラゴラがおらんようになっとる。」


 ん?リグさんが叫んでいる。パックがダッシュでリグさんのところに行くと、わかりやすく驚いたリアクションをとっている。


 「わあ、大変だ!」


 何が何だ。叔父と駆け足で向かうと、昨日埋めたはずのマンドラゴラは消え、穴だけが空いていた。


 あれかな、大地に還ったのかな。あまり、マンドラゴラと親しくなかったせいで心配にならない。


 穴を四人で見つめる。


 「パックの鞄に戻ったんじゃない?」


 叔父の推理は冴えている。


 「起きた時はいなかったけど、戻ってるかも!見てくる!」


 パックは一足早く、屋敷に戻る。残った三人で、周りに何か手がかりが無いか探す。


 「これと言って、変わったところはなさそうですが。」


 そう言うと、リグさんが髭を伸ばしながら言う。


 「ほんの些細なことじゃが、今朝は薬草達がやけにピンピンしとるかのう。」


 長い間、ほぼ毎日見ている人には分かることがあるのだろう。残念ながら、私には分からない。


 このまま、ここにいても進展なさそうだったので、皆、屋敷に戻ることにした。そういえば、朝ご飯まだだし。リグさんも朝食に誘う。結構嬉しそうにしてくれたので良かった。


 叔父とリグさんは、薬草の話をしながら歩く。私にはまだ分からない話だったが、二人の会話はとても楽しそうで、これから学ぶことが楽しみになった。


 屋敷に戻ると何やら騒がしい。

 とりあえず玄関から中に入ると、すぐそこで、リズが仁王立ちで何かを握りしめている。よく見るとそれは、葉っぱの部分を掴まれ、根である体をブラーンとさせ、非常に情けない顔をしたマンドラゴラだった。

 

 


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