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はじめての…

 全身を雷に打たれたようなショックを受けた。


 なんだあれ。


 「ジルは僕に会えて嬉しい?僕は嬉しいよ!」


 眼の前で再会を喜ぶ構図を受け入れられない。フリーズしたままの自分。


 「ねえ、何して遊ぶ?珍しい植物持ってきたよ!一緒に見ようよ!」


 テンション高く話続ける新参者。ほんと誰。


 小柄な体、愛くるしい顔立ち。天真爛漫な態度。


 何だろう、この感情は。


 だめだ、我慢できない。


 真正面から抱きついた新参者には負けられない。背伸びして、思いっきり叔父の腰に抱きついた。


 「はじめまして、ソニアです!」


 叔父の腰から顔を出し、睨むように新参者の顔を拝む。キョトンとした表情でこちらを見て、予想外にニコニコの笑顔を向けてくる。


 「はじめまして!僕はパック!よろしくね!」



◇◇◇

 

 パックと名乗った新参者は、叔父の後をついてまわり、なんだその子犬みたいな可愛さは!と私の心を逆なでした。


 屋敷へ向かう道中、叔父がパックを構いながら、説明してくれる。

 行方不明になった時、偶然出会い、薬草と鉱物の話で盛り上がったハーフリングがこのパック(こいぬ)だそうで、先日頂いたピクチャーアゲートの入手先なのだそうだ。

 ハーフリングに出会ったのはこれが初めてだ。そういえば、若干耳がとんがっている?程度の違いしか感じられない。

 私より、少し体格が大きいくらい。モスグリーンの髪の毛は頭の後ろに束ねられ、タレ目のくりくりした瞳は灰色。好奇心旺盛そうな眼差しをあちこちに向けている。


 屋敷について、応接室へ。屋敷の皆も突然の来訪者に興味があるようで、チラチラ見ている。


 ソファに座ったパックは足をぷらぷらさせ、部屋の中を見回している。

 

 「お茶をどうぞ。」


 リズは変わらず平常運転だ。

 

 お茶を飲みながら、出されたお茶菓子を摘むパック。


 「うっわー、美味しいね、このお菓子。僕こんなに美味しいの、初めて食べたよ!お茶もとても香り良くて、こんなの飲んだことない!ここは最高だね!」


 お菓子は私も大好きなサブレ。しかも今日のは生地の上にジャムを乗せて焼かれたもの。あのジャムの部分がたまらない。お茶は、紅茶にドライフルーツを入れてフルーツの香りと甘みを楽しめるもの。


 「ソニアも食べようよ、とっても美味しいよ!」


 何この子、ほんと可愛い。しかも、我が家のお茶とクッキーを褒めてくれて。なんていい子。

 さっきまで、この子にヤキモキさせられていたのが嘘のよう。


 いろいろ話をしながら、一緒になってお茶とお菓子を楽しむ。いや、至福。なんかいつの間にか仲良くなっちゃった。

 人の懐に潜り込むのがうまい。あちこち旅して鍛えられているのか、それとも天然か。


 「そうそう、これを見せたくて遊びに来たんだった!」


 急に思い出したようで、ゴソゴソと鞄を漁る。あったあったと言いながら引っ張り出したそれは、悲鳴を上げたような表情の干からびた大根?だった。



 

 


  







 




 

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