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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

テーマ詩集:猫

厚いチタン屋根の猫

作者: 歌川 詩季

 危ないよ!

 マンモスが踏んでも壊れないどころか

 銃弾の雨が降ったとしても

 メテオがストライク三連発のターキーしても

 びくともしない

 厚いチタン合金製の屋根のうえに寝そべって

 猫がひなたぼっこしてる


 あんな高いところで居眠りするなんて

 落ちたら危ないし 怖くないのかって尋ねたら

 肉球がならぶ前(あし)

 厚いチタン合金製の屋根をふにふに やって

 こいつは頑丈だから平気だなんて

 的外れなこたえを返されてきたけど


 おいおい 猫よ その屋根は

 天才科学者の祖父が孫のために開発した

 巨大ロボットの装甲ほどに頑丈かもしれないが


 まさに いま マンモスが踏みつけてきたら

 屋根は無事でも そのうえのおまえはぺちゃんこだし

 降るのが銃弾の雨どころか ただの雨だって

 おまえはぐっしょり濡れて

 風邪のひとつでもひいちまうことだろう


 考えてもみたまえ!


 巨大ロボットをあやつって戦うとき

 いくら装甲が頑丈だからといって

 胸にコックピットがあるのに

 見晴らしのいい肩に腰かけて操縦するやつは

 どうかしてるって思わないか?


 だから 猫よ おまえの足もとに

 たしかな安全が横たわっているっていうんなら

 そのうえであぐらをかいて——もとい

 寝そべっていたりしないで

 そのなかにおとなしく身を潜めているんだな

 屋根のしたの部屋にだって 日当たりのいい窓や

 寝心地のいいソファのひとつくらいはずだ


 たしかな安全が横たわっているにもかかわらず

 その庇護にありつくことができないとしたなら

 そいつはおまえの迂闊(うかつ)さの成せる(わざ)だぜ

 足もとの屋根を恨めしく思うなんて

 まるっきり おかどちがいなんだよ


 わかったら さっさとそこからおりて

 屋根のしたのどこかの部屋に

 おまえのお気に召す寝床(ねどこ)をさがしてきな


 まあ もっとも

 メテオがストライク三連発のターキーでもしたら

 厚いチタン合金製の屋根じたいは無事でも

 そのしたの部屋や おまえなんかは

 やっぱり ぺちゃんこになっちまうだろうけどな

 昔ながらの縁側で、猫とひなたぼっこしたいです。

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