表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/96

第1話 雑誌の打ち合わせ

お待たせ致しましたー



「大変お待たせしました!」



 そろそろ、今年の暮れ間近……あと少しで、クリスマスと言う時期に、雑誌編集者の笹木さんが来店してくださったんです。


 もちろん、我が双樹(そうじゅ)の雑誌特集のついてです。どうやら、ほぼほぼ掲載のページが完成したようですが。



「「……おお」」



 ちょうど賢也(けんや)君もいましたので、一緒に中身を拝見しましたが……想像以上の出来栄えでした。


 顔出しをNGにしましたのに、さすがはプロというクオリティーだったんです!!



「上とも色々掛け合って、概ねこのような具合にしようとは思っているのですが……いかがでしょう?」


「僕はいいと思います」



 コーヒーを淹れている自分の手が写った写真だけ見ても、『カッコいい!』と安直に言葉で出してしまいそうになりました。


 しかし、店長は僕でもオーナーは賢也君ですからね?



「んー……こことここの色味が、少し気になりますね」



 と、標準語で、笹木さんに指摘を出すのは……やはり、経営者というプロ視点をお持ちだからでしょう。


 笹木さんも、メモを取りながら賢也君の隣に立ちました。



「枠外は、濃いめがいいでしょうか?」


「んー、中間がいいですね。写真が少し暗めなので」


「あー……そうですね。セピアをイメージしたんですが」


「せっかくの特集ですし、明るめで」


「上長と掛け合いますね」



 などなど、僕は話についていけないので二人分のカフェラテを淹れながら、耳だけ傾けていました。


 沙羅(さら)ちゃんも同じですから、バギーの中でうとうとしています。



「お待たせ致しました、カフェラテです」


「あ。ありがとうございます!」



 話がまとまりそうなところでお出しすると、笹木さんが弾んだ声を上げられました。外は雪などはまだですが、かなり寒いですからね?


 カップを持つ手が、暖を取るようで可愛いらしかったです。


 賢也君は逆にすぐに持ち手を掴み、くいーっと飲み始めました。猫舌じゃないから出来る飲み方ですね?



「今日も美味いで、柊司(しゅうじ)


「お粗末様です」


「あれ? 我孫子(あびこ)さん、普段は関西弁なんですか?」


「あー……出身は愛知ですけど。両親が関西なもんで」


「じゃ、無理に標準語じゃなくていいですよ?」


「……じゃ、お言葉に甘えて」



 メールでも標準語でやり取りするのが普通ですし、色々気を張っていたのでしょう。


 笹木さんが大丈夫と言ったおかげで、賢也君の肩の力が抜けたようです。


 それから、カフェラテをお供に……二人は何度も何度も打ち合わせをして。笹木さんが納得されてから、彼女は帰って行かれました。



「クリスマスまでには、もう一度精査してきますね!!」



 クリスマスもお仕事なのは、お疲れ様です。


 もちろん、僕らも仕事に変わりないですが。



「……やっぱ、可愛ええな」


「え」



 ぼそっと呟いた言葉を、僕は聞き逃しませんでしたよ!?


 季節は冬ですが……どうやら、賢也君に春が来てしまったかもしれません!!

次回は45分〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ