第2話 笹木乃絵
お待たせ致しましたー
「はい! 改めまして、雑誌『NOA』の編集担当をしています、笹木乃絵と申します! 本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます」
僕は移住してきてまだ半年程度ですが……雑誌『NOA』は長野県域だとそこそこ知られている地域系雑誌のようです。
賢也君はあとで来られますが、笹木さんから名刺をいただいた時に……驚き半分、困った表情になりましたね。僕のこともですが、沙羅ちゃんの事を考慮しての事です。沙羅ちゃんは、やはり妖怪さんですので……何がきっかけで広まってしまい、最悪の場合座敷童子の颯太君のところに帰ってしまうことになるでしょう。
もう、僕の養女ちゃんなんですから、お義父さんとしては……どこにも行ってほしくないんです!!
「僕も改めまして、店長の三ツ矢柊司と申します。そちらの赤ちゃんは、親戚から預かっている子でして……三ツ矢沙羅ちゃんと言います」
「あう!」
戸籍の方は、颯太君が色々いじってくださっているので……実質は僕の養女ちゃんです。戸籍には、従姉妹の娘と記載してありますが。
「わ! そうなんですね! 可愛い赤ちゃん!」
「あーう?」
沙羅ちゃんはまだ言葉を話せませんので、相槌のように声を出して首を傾げるだけです。可愛くて仕方がありませんので、笹木さんと思わず悶えてしまいました。
「か……可愛い!! 写真撮りたいですけど、今日はそういう取材はありませんでしたね!」
「……ええ」
今回は顔出しNGと賢也君が強くお願いしましたので、写真は写しても宣材として使用しないようにしていただいています。
先に、簡単な段取りを説明していただくのに……笹木さんには、カウンターの椅子に座っていただきます。僕は作業がしやすいようにいつもの厨房側に立ちますが。
「本日、三ツ矢さんにお願いしたいことですが……記事用に店内の写真をいくつか撮らせていただくことと、コーヒーを淹れているお手元の写真もいくつか。後者は、雑誌に掲載させていただきたいのです」
「なるほど……オーナーには、メールなどで確認を?」
「はい。顔無しは初めてですが……オーナーの我孫子さんには強く希望されましたので」
ナイスです、賢也君。
僕はともかく、賢也君はかっこいいですし……沙羅ちゃんはプリチー過ぎますからね?
「基本的に、僕ひとりで切り盛りしてますので……下手な混雑は避けたいですから」
「承知しました。お店の雰囲気を壊す行為は、私達も本望ではないです」
「ありがとうございます。せっかくですから、コーヒーを淹れる写真……先に撮りますか? 笹木さんにも一杯飲んでいただきたいですし」
「わあ! いいんですか?」
「もちろんです。ブラック以外にもカフェラテなど色々ご用意出来ますが……何かご希望は?」
「……迷いますね。写真を考えると、カフェラテとかも……あ、調べたんですけど。泡立てたミルクも……その機械で作れるんですよね?」
「ええ、もちろん」
という感じで話し合い……笹木さんには、甘いカフェモカを淹れることに決まりました。
次回はまた明日〜




