第2話『ワンコイン駅そば』①
お待たせ致しましたー
「はいよ! 山賊焼のお客様〜!!」
店員のおばちゃんに、券を渡してから約五分程度でしょうか?
颯太君には『もう!?』と驚かせるくらいのスピードですね。僕も、外食の回数は病気を理由に減りましたが……長野に来てから、数えられる程度にしか食べていません。
それはお蕎麦も然り。
出来上がった、山賊焼のお蕎麦の器を……賢也君と手分けして、待合室にある椅子の手すりに置きました。
そこそこ幅があるのと、軽い荷物を置くスペースもあってか手すりは少し幅が広いのです。颯太君には、沙羅ちゃんを抱っこするのをお願いしていました。
「おぉ……お肉おっきい!!」
「……せやな」
「ですね……」
写真通りに……唐揚げ、じゃなくて『山賊焼』は大きかったです。
大抵の飲食店では、写真で誇張表現するパターンが多いのですが……これはとても大きいです。器のほとんどを山賊焼が占めているほどに。これで、割引抜きでもワンコインで食べられるのは大変お得ですよ。
「ほい、箸」
「ありがとー」
賢也君がさりげなく、颯太君にお箸を渡すのを見て……最近、さらに打ち解けたようでほっとできました。出会った当初は、颯太君のからかいにイラついていましたが……少しずつ、少しずつ変わっているのが嬉しいです。
僕らの間に、沙羅ちゃんがいるおかげもありますが……妖怪さんとこんな風に接するのが、絵物語のようでまるで夢のようです。
病気が悪化していた頃と比べても……本当に、夢のようです。
(姉さん……お父さん、お母さん……僕は今大丈夫ですよ)
種族や年齢もバラバラなこの団欒が、とても心地よいんです。
悲嘆に暮れていた……あの頃とはもう違います。先生からもお墨付きをいただきましたしね?
とりあえず、僕もお箸を受け取ってから温かいうちにお蕎麦を食べることにしました。
沙羅ちゃんは、本当ならお膝に乗せたいところですが……念のためにと、ブースのところに設置していたベビーチェアを持ってきて、そこに座っていただきました。
「う、あー」
「……すみません。沙羅ちゃんには多分美味しくないと思いますよ?」
「……うー」
興味がおありでしょうが……ここでリバースを見せたら、周囲の方達が困ってしまいますからね?
なので……よーく言い聞かせてから、まずは山賊焼の方を持ち上げて……重いそれにかぶりつきました。
(……おお!?)
思いの外、お肉は柔らかく……おつゆに浸かっていない部分はサクサクザクザクしていて、食感がしっかりしています。
味は、ニンニクは少し強い……竜田揚げにも近い唐揚げの味付けですね? 醤油と生姜もたっぷり使用していて……次にお蕎麦を啜ると、これまた天ぷら蕎麦とは違う組み合わせですが、絶品でした!!
次回はまた明日〜




