第4話 知らない子と
お待たせ致しましたー
「駅そば言うんは、文字通り……鉄道の駅に併設されとる蕎麦屋のことやんな」
「へー? 駅って、あんまり使わないから知らなかったー」
「……お前やと、ピュってどこにも行けるからな?」
「うん!」
キッパリ言い切る颯太君は、清々しいくらい見ていて気持ちいいです。
とりあえず……ガスコンロの片付けと『出かけてます』の立て札を置いて、僕らはフード関連のブース目指して歩くことになりました。
今日は平日であるにも関わらず、お客さん達の波がそこそこ多いです。沙羅ちゃんを落とさないように、抱っこしながらも慎重に颯太君のあとに続いていきます。
「う、あー!」
沙羅ちゃんが、あちこちの人やブースに興味を持ったのか楽しそうです。
そう言えば……沙羅ちゃんはお店などの決まった場所以外から、お出かけすることはほとんどありませんでした。あの妖怪さん達の夏祭り以来でしょうか?
(……いけませんね。もう少し、出歩くことも考えなくては)
お店の営業を理由に、ついつい出不精になりがちでした。先日の先生の受診でも、特に問題はないと言われましたし……日課で、自宅近辺の公園などにお散歩も良いかもしれませんね?
そう考えると、ベビーカーやバギー購入をあとで賢也君と相談でもしましょう。
「この辺だよー」
颯太君が止まると、彼の向こう側にはたくさんのフード関連のブースがありました。
たしかに、肉、魚、あと……蕎麦もありましたね?
ジャンクフードやパンもありましたよ?
しかし……沙羅ちゃんが食べられそうな、小豆やもち米関連のブースは見当たりませんでした。
「おお! 食うか!?」
「賢也君……お財布はご自分のでお願いしますね?」
「……わかっとる」
十代の頃……買い食いなどで、お財布をすっからかんにして僕や姉に頼み込んだのは一度や二度ではありませんから。
さすがに、今はないと思いますけど……あの夏祭りでも散財は抑えられていましたが。
「ねーねー、柊司君」
賢也君が買いに行っている間、颯太君が僕のマントを軽く引っ張りました。
「? どうかしましたか?」
「ここのお蕎麦もいいけど……やっぱり、気になるなあ」
「先程言っていた、駅そばですか?」
「うん! 駅にお店ってコンビニ以外もあるんだなって!」
「颯太君は……ここいらのご出身ではないのですか?」
「間違ってはいないけど……もっと山奥に住んでいたからね? こっちに出てきたのもまだ数年程度だし」
「……そうですか」
そう言えば……沙羅ちゃんは、もとはケサランパサラン。
妖怪さんですから、ご出身と言うのもあるかもしれませんね?
とりあえず……お昼ご飯は、颯太君のリクエスト通り駅そばに行くことにして……帰ってきた賢也君も賛成してくれたので、駅に向かうことになりました。
次回はまた明日〜




