表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/96

第1話 姉の行方不明

お待たせ致しましたー

 俺は、我孫子(あびこ)賢也(けんや)


 まあまあ、珍しい名字と関西弁が通常運転以外は……どこにも居るような男だと思う。


 長野に移住してきて、十年近く経ったくらいか。古馴染みで、引きこもりになりかけてた友人の三ツ矢(みつや)柊司(しゅうじ)に店を開くから来ないかと誘って……なんやかんや、こじんまりとはしてるが、良い雰囲気のコーヒーショップを開店して順調やった。


 あのふわふわな妖怪とかが来るまでは。


 それまでは、俺がオーナーで柊司が店長。実質ふたりで経営していた店に……どう言うわけか、空想でしかなかったケサランパサランが現れた。柊司は可愛いもんに目がないからすぐに気に入ったんや。綿ぼこりのまんまやったら、俺もまあええかと思ったわ。



(けんど……コーヒー豆のカス食っただけで、人間みたいになった)



 赤ん坊やけど……まあ、可愛いらしいちょぉ茶がかった黒髪の赤ん坊に。柊司はすぐにまっぱのそいつをカーディガンでくるんで……あやすくらい気に入ったんや。俺が聞いても、即養子にすると言い切るくらいに。


 素性はともかく、放っておけないと言い切った。古馴染みの俺は危険やとそん時は思ったで??


 妖怪変化みたいな存在に……柊司が関わって危険がないと言い切れんかったんや。その後に出てきた……めっちゃ胡散臭い座敷童子とか名乗って、適当に颯太(ふうた)とか呼べ言ったガキにも……育てていいと言われたんで、柊司はめっちゃ喜んだ。


 この古馴染みの嬉しそうな顔……『あの事件』以降、俺でも見たことがない。



(イツねーちゃんがいなくなってから……見てないわ)



 もう何年経つんや??


 俺らが新卒になった後くらいやから……そろそろ十年。


 俺は直接立ち会っていないが……柊司がイツねーちゃんと、その日は柊司の入社記念で飲みに行こうと約束したんやて。


 シスコン……に近いくらい、姉を尊敬していた柊司はその誘いをずっと楽しみにしていた。俺もあとで合流すると決めていたんに……定時で上がって、煙草吸いながら空いてる時間潰しをしてたら。


 柊司から、連絡があったんや。



『……姉さん、が……消え……て』



 誘拐か、と一瞬疑いかけたがそうじゃないと、柊司は途切れ途切れだが、通話でこう答えた。



『トラックに撥ねられて……そうしたら、光って』



 傷だらけの体のまま、イツねーちゃんが消えたと。


 わけがわからんかったが、その後警察がいくら捜索してもねーちゃんの体は見つからず。


 警察がもう無理だ、と捜索を手放した頃に遺体のない葬式が開かれた。


 喪主だった柊司は……ずっと、声を出さずに泣いていた。

次回はまた明日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ