第3話
「可愛い? お前がか?」
「そっ、そうよ! 私は世界で一番可愛い女の子なんだよ!? それなのにどうして私のことを好きになってくれないの……?」
そして私は、一翔くんがどうして私のことを好きになってくれないのか上目遣いになって聞いてみたの。
「申し訳ないが、俺はお前のことを世界で一番可愛いとは思ったことがない。だから俺はお前のことを好きになれない」
「なっ……!? それってもしかして……?」
「フッ……、そうさ。何たって俺は『アニメ 見習い魔法少女エルミちゃん』に出て来るラキネちゃんが世界で一番可愛い女の子だと思ってるからな!」
「うぅ~……、やっぱり~……」
そして、一翔くんがどうして私のことを好きになってくれないのかその理由を聞いた私は、一応大体の予想をしていたとはいえ、凄くションボリしたの……。
そうなの……。一翔くんが私のことを好きになってくれないのは、一翔くんが二次元の女の子にしか興味を持たず、三次元の女の子には全く興味がないからなの……。(むぅ~……。まあ別に趣味のことについて悪くは言わないんだけどね……。私もアニメとかよく観るし、好きな方だから……。でもねでもね、こ~んなとびっきり可愛い美少女が今目の前にいるのに、それでときめかないなんて、そんなのあんまりじゃない……! 一翔くんのバカ……)
「分かったらさっさと俺から離れることだな。勉強の邪魔になるしな」
「むぅ~……」
「ん? どうしたんだ?」
「ラキネちゃんって……、そんなに私より可愛いの……?」
「フッ、当然だ。ラキネちゃんとお前じゃ、まるで月とスッポンぐらいに可愛さの差があるからな」
「それってひどくない!?」
私はどうにも納得いかず、頬を膨らませながらラキネちゃんがそんなに私より可愛いのか一翔くんに聞いてみたの。すると、一翔くんからさも当然のように私とラキネちゃんにはかなりの可愛さに差があると言われ、それを聞いた私はかなりショックを受け、一翔くんに物凄く怒ったの。
「えっ? ひどくないだろ別に。本当のことを言ったまでなんだから」
「キ~、ムカつくぅ~! それって余計に傷付くんですけど!? いい!? 私こんなに可愛くてスタイルもとても良いんだよ!? おまけに胸もこんなに大きいんだよ!? Gカップだよ!? 巨乳だよ!? それなのに私にときめかないっていうの!?」
「あぁ。全くときめかない」
「だからどうしてそうなるのよ~!?」
私は一翔くんに物凄く怒ると、一翔くんから本当のことを言ったまでだと言われ、それを聞いて更に怒った私は自分の美貌とスタイルを積極的にアピールするも、一翔くんから全くときめかないと即答で言われ、それに対して私はとってもムカつき、心の声を思いっきり大声で叫んでいたの。(好きな人から振り向いてもらえないどころか、ここまでコケにされるなんて……。本当にこんなのマジで物凄くありえないんだけど!? 一翔くんのバカ! もう知らない! ふんっ!)