プロローグ 2
僕はゆっくり2人に優しく話しかける。
「君、助けてってどうしたの? 手から血が出てるよ」
「…おねぇちゃんが首切って消えるってて‥ぼくおいていなくなるって、助けておにいさん」
泣きながら男の子は話す。
先に小さな3つの手にあるカッターナイフを何とかするために
名前を聞くことに
「君達の名前教えてくれる?」
「…みつ……僕はさんた」
女の子に近付き少し小さな声でゆっくりと
「さんた君がカッター握って血が出てるから、顔あげて見てあげて。さんた君の為にカッター僕にくれると嬉しいな」
女の子は慌てた様に顔をあげると驚いてカッターを離す。
僕はカッターを取りお父さんが渡してくれたハンカチをさんた君の手に巻いた。
カッターをお父さんに渡し、女の子に
「みっちゃんでいいかな?」
「呼ばないで……そんな名前いらない…捨てられたから、だから消える………だ、から全部いらないで、も…さんた、だけ助けて…さんた守って」
涙ポロポロ流しながら話す。僕は思わず2人を抱きしめた。
如何してだか、僕が守らないとって、だから
「僕が守る、僕が名前つけたげる、僕は魔法使いだから僕は陸っていうの、女の子が空…さんたが海、うみと書いてカイ、陸、空、海おそろいだよ!繋がってるんだよ。だから、今までの事は全部忘れて……嫌な思いは全部僕が貰うから、今から僕がおにいさんで2人は妹と弟だよ。だから、安心して…目を閉じて…おやすみしよ、僕がそばにいて守ってるから。目が覚めたら………生まれ変わって2人は空と海になってるよ…今日だけ僕は魔法使い、悲しく辛い思いを封印する魔法使いだから……でも内緒だよ、空と海にしか使えない魔法だからね」
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「お父さん、ごめんなさい。勝手に決めて」
「じい様に相談だな。陸が決めたんだ、絶対2人を守るんだよ、父さんたち九條家も全力で守ろう。頑張れ……内緒の魔法使いさん」
僕の頭を優しく撫でながら話してくれる。
看護士さん達が慌ただしく動き、2人一緒の部屋へ移った。
机やソファがある広い部屋で僕も一緒らしい、、、2人が起きたときに
安心させるためだって
半年後、お父さんの転勤で僕達はアメリカへ