ヒャッホーイ!は背後から
前回の投稿か時間が空いてしまい申し訳ありません。
評価して頂いた方々ありがとうございます。これを励みに趣味投稿ですが上げていきますのでよろしくお願いします。
ジェイド自宅前
「それにしても相変わらずでたらめな大きさの家ね」
「うっ・・・否定できない。仕方が無かったんだとしかいえん」
大きな格子の鉄格子の門を開け邸内へ入る。屋敷のドアが開いたかと思うと一斉にメイド服を着た綺麗系や可愛い系の女性や執事服を着た渋めの男性が五人ずつ計十人が列を成して道を作る。
「「「「「「「「「「おかえりなさいませご主人様」」」」」」」」」」
俺は一瞬その光景にその場で一歩後ろへ下がる。決してビビった訳ではない!ちょっと驚いただけだ。
「この光景も変わらずね。でも主が驚いてどうするのよ」
「ここも変わりないんだな・・・ただAI制御だったメイドや執事が与えられた性格で「個人」として生きているんだな・・・」
「何ぶつぶつ言ってんのよ。ほら早く指示出してあげなさいみんなジェイの指示待ってるわよ」
クリエラに言われ、みんなを見ていると全員がこちら「ジッ」と見ていた。正直ちょっと緊張してしまう。
「客を連れてきたから客間へ案内してくれ。それと食事の用意も頼む」
俺の言葉に従者たちは一斉に今まで無表情だった顔に光が入ったかの様に笑顔となり俺の指示に沿って動き出す。
今、何か変わったような・・・これ・・・俺がゲームキャラである様にゲーム内で作成したキャラにもなにか変化が?いや、今はいいか。
クリエラが何やら心配そうに俺の顔を覗き込み声を掛ける。
「大丈夫?」
「ん?あぁ。この世界について考えていただけだ」
「え?なにかわかったの?」
「後で話そう。今は中に入って落ち着きたい」
「そうだね・・・」
メイド長である「京」に先導されながら二人は客間へ向かう。
「食事の用意が出来ましたらお呼びいたしますので、こちらでお寛ぎくださいませクリエラ様」
「ありがとう」
「それじゃあ、俺も私室に一度寄ってから戻って来るよ」
「わかったぁ」
クリエラは手をヒラヒラさせ見送るのを見て俺はクスリと笑いながら私室へ向かう。俺の後ろには京が控え追従している。
後ろの方で「ヒャッホーイ!フッカフカのソファーだぁ!」と言う声が聞こえたが聞かなかったことにしよう。そうしよう。
私室へ入るが京は入ってこなかった。昔設定したものがそのまま残っているのだろう。正直この設定にたいした意味はなかったりする。ただ、以前の私室は今ほど広くなく四畳半程だった。そこへ一番最初に創った京が一緒に入って来るとかなり手狭となり作業の邪魔となる。そこで「廊下で待機」の指示を出したのだ。それが今まで続いている。
某猫型ロボットが出てくるアニメで主人公が学校で悪い事をしたから先生に「廊下に立っとれー!」と言う罰ではない。そこは間違えない様に。
因みに京達従者は皆俺が召喚士として召喚した者達で種族も様々だ。京に関して言えば彼女はヴァンパイアだったりする。
さて、まずは確認からだ。俺は私室にある大きな金属製の金庫の前に立ち手をかざす。すると金庫が開き目の前に中に入っているアイテムが一覧になってウィンドウで出てくる。
「・・・・中身に異常はないようだな」
この金庫、実は「魔法の金庫」というアイテムなのだ。このアイテムは一度さっきの様にアクセスすると、どこにいても中身を取り出す事が出来るのだ。凄い。だが、あの日以降アクセス出来なかった。恐らく一度アクセスが切れてしまったのだろ。そのせいでどれだけ苦労したか・・・。
「さて、装備を整えてっと・・・これでいいかな」
頭部
・真実の眼鏡(スキル:解析・遠視)
体
・ブラックエンペラードラゴンのローブ(スキル:防御の極み・治癒のオーラ・魔力の泉)
脚
・脱兎のブーツ忍(スキル:瞬歩・天歩・隠密)
その他
・意思のイヤリング(スキル:念話)
・ラッキークロウのネックレス(スキル:オールカバー)
・武神の指輪(能力:武器瞬時展開・収納)
・変態さんの証(能力:変身能力瞬時展開・解除)
武器
・堕天の短刀(能力:属性付与向上 作者:厨二野郎)
・ハンター(能力:弾丸射出時瞬時召喚可能。ただしMP消費が通常の1.2倍使用 召喚媒体 作者:ジェイド)
この装備からも分かる通りこのゲームは謂わばスキルゲーな側面もある。と俺は思う。何しろプレイヤー毎に何に比重を置いているか人それぞれだ。クリエラに関して言えばあいつは「技」だったりする。その数1000を超えるらしい。ぶっちゃけ何度か試合をしたが殆ど毎回同じ技を使っている。・・・・正に宝の持ち腐れだろう。
さてそろそろ客間へ向かうか。
クリエラの精神年齢は小2です。