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猫と召喚士  作者: 月丸兎斗
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うさ幼女



 都市の外れにある馬鹿でかい屋敷。これが俺の「わが家」なのだがどう見ても普通の家ではない。お貴族様の屋敷その物と言えるだろう。


 おかしい。購入当初は確かに「普通の一軒家」だった。しかしレベルが上がるにつれてお金が余るようになった。そこで思いついたのが「家の改装」と言う機能を追加する事だった。いってしまえば建材を集め家の横に現れた箱に要求量を入れると勝手に進化する。利点は想像が具現化するところだ。しかし当初は想像が不慣れだった為、欠陥建築ばかりで修正が大変だった。そこで思いついた救済システム。図面(手書きのお絵かきレベル)を箱に入れるとその通りになる様に修正した。おかげで図面もスキル「建築士」のおかげで一級建築士レベルの図面が描けるようになった。ほぼこれ以外で使わないスキルなのが残念ではあるが。



 うん、これは俺が完全に悪いな。都市の外れとは言え人通りはそれなりに多い。何故?と聞かれればこう答える。近くには俺も登録している冒険者ギルドがあるからだ。よくこの都市を訪れる人に聞かれる事は「何故こんな外れにギルドがあるのか」と言う事だ。それはいずれわかるだ・・・・



『ドゴーーーーーーーーーーーーン』


この音で想像できたであろうか?この音は冒険者ギルドのギルドマスターがよそ者の冒険者を吹っ飛ばした音だ。恐らくこの都市をぐるりと一周囲む高さ十メートル程ある外壁の内側・・・都市側にめり込んでいる事だろう。ご愁傷様です。・・・・・ん?このゲームNPCが居ない事は説明したが勿論ギルドマスターも例外では無い。つまりこの現象が起きると言事は・・・・俺の他にも居る?やったーーーー!(歓喜の舞)



 俺は折角わが家の前まで来たのだが確認の為、三つ隣にあるへ急行する。


 目に入ったのは、うさ耳を生やした幼女がギルドの扉前で腕組みしながら仁王立ちして「ふんす」と聞こえてきそうな光景だった。端から見たら可愛らしい幼女が少し大人ぶって背伸びた腕組みしている光景だが俺は知っている。あれは見た目と違って凶悪な幼女だと言う事を。


「よう!クリエラ。今回も派手でめり込んだな」


俺は思わず気さくに話しかけてしまった。まだ本人か確認もしていないのに。


「ん?ジェイか?・・・・ジェイ?」

クリエラはおばけでも見た様に驚き・・・駆け寄って来た。・・・・なんて可愛いもんでもなく飛び蹴りという攻撃手段で。


「お、おい!それは冗談じゃすまない威力だろ!」


と俺は叫びながら咄嗟に盾代わりの「簡易ゴーレムちゃん」を召喚し受け止めさせる。


「この反応・・・本物だな!やっとこれで百人か・・・」

クリエラの意味深な言葉に思わず現状を忘れそうになるが現在簡易ゴーレムちゃんに片足を掴まれ宙吊りにされているクリエラ。


シリアスがセリフが入ってきそうも無いのでその場へ下す。


「今のセリフからしてクリエラもリアルから来たのか?」


「よいしょっと。(ぱたぱたと服を叩き服装を正す)・・・こほん。そうだよ!ジェイ・・・ジェイドで百人目。しかし今までどこにいたの?チャットも繋がらないし・・・ってあれ?(チャット画面を確認している)ジェイドと通信出来るようになってる」


「・・・ホントだ。もしや直接一度会わないと開通しないのか?しかしクリエラ・・・お前さっきおれで百人目って言っていたと思うが・・・・今までわからなかったのか?(疑いの目)」


「・・・知り合いというか・・・ジェイみたいに個人間で連絡取ってたプレイヤーが今まで居なかったんだよね」


「ギルドマスターがそれでいいのか?いや、大半はそんなもんか。いくらギルマスでも全員と連絡先交換しないか・・・それにしても相変わらず可愛い声なのに男みたいな口調だなちょっと安心した」


「・・・・・・なんか自己完結するその癖見ると本人だって私も安心した!で?今までどこ行ってたの?「あの日」から二日は立っているんだけど?」


「なんだその浮気を疑っている彼女のような目は。・・・はぁ・・・クエストで洞窟に潜っていた。ほらあれだ最近発見した難関クエストの「死の淵からの帰還者」ってやつ」



「・・・え?えぇーーーーーー!あれクリアしたの?レベルカンストの二百五十でも無理ゲーって言われてたやつだよね?」


「ん?そんな事言われてたのか?まあ確かにMPすっからかんになってやっと倒せたしな」


「MPすっからかんってあんたねぇ・・・今MP値幾つだっけ?」


「え?確か百万と少しだったはず」


「相変わらずぶっ飛んだ極ぶりだねぇ・・・・しかもそれ近接も強いとか召喚士ってやっぱチートでしょ」


「む?何を言う!初期の召喚士は最弱だぞ!スライムしか召喚出来ないでレベル二十まで上げるのにどれ程苦労したか・・・・ヨヨヨ」


「確かにそれもそうだね・・・これも初期の反動と考えれば・・・だから人気無いんだよね!ぷぷぷ」


「うっ」


「まあ、何はともあれ現状確認といこうか。それじゃあギルド任せてくるから待ってて」


「は?あっおい!」


だだだっと駆けてギルド内へ戻っていくクリエラを見送る事しか出来ず暫しその場で待つ事に。すると周りからひそひそと話声が聞こえる。


「おい、あいつさっきギルマスの攻撃受け止めたよな?」


「あぁしかもの召喚も尋常じゃない速さだった。あれって「セブンズヘッド」のジェイドじゃないか?」


「え?うっそ?ギルドの近くにあるお屋敷の持ち主だよね?キャーお金持ちじゃない!」


「やめとけってジェイドって言えば「無双軍」の呼び名があるくらいの有名人だ近寄ったら危ないぞ!」


「えぇーでもイケメンだし優しそうだよ!」


「うっ・・・やっぱりイケメンは全てが許されるのか・・・」orz




聞き耳スキルで会話を盗み聞ぎしていると思わず「え?俺ってそんな位置づけなの?」って思わずにはいられなかった。ムフフ



「何ニヤニヤしてんのよ?」


「あ、いや何でもない」

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