新たな出会い
学校につくと昇降口にクラス分けの紙が貼ってあった。
でも私の友達は誰もこの高校を受けていないので
友達と離れた。一緒になった。
と一喜一憂なんてしなかったが、新しい自分のクラスへ少しの期待と、不安を持って足を進めた。
教室へ足を踏み入れると静かで少し冷たい空気が
漂っていた。
誰も誰かと話そうとしないのは当たり前だと思う。
なぜなら、ここは食物調理科の教室。
つまり、専門科なのだから友達と一緒に来た
なんて人はほぼいない、、と思う。
黒板を見て自分の席を見つけてから座ると入学時や進学時にはお決まりの担任からのコメントが書いてあるプリントが机の上に置いてあった。
でも、私はそれを読むより馬村先輩が
どの専門科なのかが気になって仕方がなかった。
たぶん食物調理科では無いんだろうな。
そうゆう運には昔から恵まれてないのは15年間の
経験からわかる。
(もうすぐ16だけど!)
電子機械科かな?
それとも、服飾デザイン科?
案外、普通科?
この学校は普通科でも偏差値は高いので
校風に憧れてと言って来る人も少なくはない。
そんな想像を膨らませていたら
前の席に人が座るのがわかった。
椅子に貼ってある名前のシールを見ると
「藤井花蓮」
偶然にも同じ名字で少し親近感が湧いたけど
極度の人見知りの私には
「名字同じだね。私、藤井柊花!よろしく」
なんて言えるわけもない。
じゃあ、なんで馬村先輩と話せたのかと言われるときっと、一目惚れ、、したから。
でも、そんな私の心配をよそに花蓮は、
「しゅうか、でいいのかな?読み方。」
と突然聞いてくるもんだから
「え、え、あーうん」
なんて完全に変な女子生徒になってしまった。
「よし、じゃあ柊花!こらから3年間よろしくね!私、もうわかると思うけど花蓮!名字が同じ者同士仲良くしようね!」
と右手を差し出してきた。
「あ、うん。よろしく」
と右手を差し出すもののだんだんと声は蚊の鳴くような声になっていく。
そういえば、またしても小声の会話だ。
なんて思って少し笑ってると
「どうしたの?1人で笑」
と花蓮も笑いを堪えながら聞いてくる
「んーん。なんでも」
と少し馬村先輩を知られたくない思いを抱いて返答した。
気づけば周りは生徒だらけで
やはり、男子は数人しかいなかった。
「ねぇ、柊花LINE交換しよう」
と花蓮が言ったところでガラガラと前のドアが開く。
入ってきたのはまさかの男性の先生だった。
でも、女子ウケの良さそうな俗にいう塩顔イケメンというような先生だった。
たちまち、周りの女子の目は漫画のようにハートになった。
私もかっこいいと思ったけど馬村先輩の方がかっこいいと思う。
それは、花蓮も同じようで2人で呆れたように顔を見合わせた。
花蓮も好きな人がいるんだろうか?
それとも、花蓮は可愛いし彼氏でもいるんだろうか?
少し気になった朝の時間だった。