全ての始まり
ピピピピピピピピ・・・
目覚まし時計の音や。夢の世界から現実に引き戻される時間が今日も来たんや。しかしワイはまだ夢の中にいるかのような感覚やった。何かがいつもと違うんや。ワイはその違和感の正体にすぐに気がついた。
「手足がない!」
それに気づいたワイはパニックに陥ったんや。やかましい電子音と自らの身体に起きた非現実的な出来事に挟まれたんやからこれはしゃーないやろう。結局ワイが平静を取り戻し、目覚まし時計を止めることが出来たのはそれからおよそ10分後やった。しかし、どうしたものか・・・
「なんやこの音・・・」
ガシャン、ガシャンという機械音が鳴り始めた。そしてその音はワイの部屋に近づいてくる!
「ヒエッ」
逃げ出そうにも手足のないワイにはどうしようもない。そしてついにその音はワイの部屋の前で止まり、ドアを開け始めたんや・・・
ドアの向こうにはいかにもなロボットがおった。
「これは夢、これは夢・・・」
ワイはもうぼそぼそと呟くことしかできんかった。ロボットはワイの所に来ると、手術を始めおった。そして気づくとワイの身体には、義手と義足が取り付けられていたんや。
「なんやこれ・・・とりあえずちょっとは動きやすくなったんやけど・・・」
ワイはなお混乱していた。
「この夢は一体いつ覚めるんや・・・」
ワイが呆然としていると、再びロボットが動き出した。なんとロボットはワイに刃を向けおったんや!
「ファッ!?一体何の真似や!」
「ヘヤノソトニデロ」
なんとロボットが喋りおった。しかし驚いている余裕はない。ワイは言われるがままに部屋から出た。
ロボットは命令を続けた。
「イエカラデロ」
「デンシャニノレ」
「コッチダ」
ワイはやむを得ず従ったんや。そしてワイはドーム球場のバッターボックスに立つことになった。
「9回裏ツーアウト満塁ここで打てば逆転というまさに正念場、バッターボックスに立つのは・・・見たことない選手ですね・・・」
もうこれが夢かどうかワイにはわからん。しかしワイはやるしか無い!
「ロボット!お前と合体だ!」
「ワカリマシタ」
ワイは盛った。義足ゆえ慣れない腰使いであったがそんなことを忘れて盛りまくった。すると、ワイとロボットとの愛の結晶が奇跡を起こしたんや。
「おーーーーホームラン!逆転サヨナラです!」
こうしてワイはチームを勝利へと導いたんや。しかし、それが悲劇の始まりやった。
ワイとロボットの合体が中継された結果ロボットの需要が急増。ロボットは凄まじいスピードで全世界に普及し人々の生活を豊かにしたんや。しかし、ある日ロボットたちが原因不明の暴走を開始し、世界はロボットに支配されてしまったんや。
「これはワイがロボットとヤったせいや・・・責任を取らなあかん!」
こうしてワイは世界を救う旅に出ることにしたんや。